死者の書・口ぶえ の商品レビュー
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1943年(昭和18年)9月末に刊行されました。大東亜戦争宣戦布告から2年の秋、戦場や軍事工場へ多くかりだされていた若者が、戦地にただ一冊携えたといいます。折口が戒名にもした釈迢空の名で詠まれた壮行の詩は「生きて帰れ」というメッセージでした。折口信夫素晴らしい。
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前知識ゼロで購入した本書。 音の文章表現に惹かれたのだけど、歴史小説として(黒岩重吾作品以来)、この時代設定は大変好みなので、心躍らせながら読み進めた。 何度か「ぬぬ、これはひょっとしてひょっとするのか」などと思いつつ、『死者の書』を読み終え、『口ぶえ』にいたってそれは確信に。...
前知識ゼロで購入した本書。 音の文章表現に惹かれたのだけど、歴史小説として(黒岩重吾作品以来)、この時代設定は大変好みなので、心躍らせながら読み進めた。 何度か「ぬぬ、これはひょっとしてひょっとするのか」などと思いつつ、『死者の書』を読み終え、『口ぶえ』にいたってそれは確信に。 BLだったでござる。 特に否定はしないけど、ただちょっとびっくりした。けっこう露骨なので。 『口ぶえ』の情景描写はとても素晴らしく、R.カーバーやC.マッカラーズの作品を彷彿とさせる。 解説を読むと民族学的に読むのが正解のようだけど。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
死者の書の続編は際どさを通り過ぎるほどのホモセクシャル小説だが、死者の書本編のイツラメが折口自身であるとは、それだけ読んでいてもわからない。 口ぶえも濃厚なホモ小説だが、昔の大阪ことばの柔らかさと妙に調和していてこの国の同性愛の伝統みたいなものをなぜか実感させる。
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表題作「死者の書」は奈良時代の称徳帝の世を舞台に作られた物語。 かつて二上山に葬られた滋賀津彦(大津皇子)の魂は、自身の最後に見た耳面刀自(中臣鎌足の娘)の姿のその一点を、死してなお世への執着のように覚えていた。 一方、藤原南家豊成の娘、郎女は、二上山に沈む夕日に立ちのぼる貴人...
表題作「死者の書」は奈良時代の称徳帝の世を舞台に作られた物語。 かつて二上山に葬られた滋賀津彦(大津皇子)の魂は、自身の最後に見た耳面刀自(中臣鎌足の娘)の姿のその一点を、死してなお世への執着のように覚えていた。 一方、藤原南家豊成の娘、郎女は、二上山に沈む夕日に立ちのぼる貴人の面影を追うようになり、とうとうそれを恋うて二上山元の當麻寺に這入ってしまう。 滋賀津彦を思ううちに、彼の魂が傍へ添うようになり、彼女は蓮糸で衣を織り彼の肌に着せたいと願い始める。そして出来上がった衣に彼女は絵の具で、その姿を描いて見せ…。 大津を恋う心はその身に流れる藤原の血に、大津が憑いたからなのか、それとも。 中将姫から得た物語、よく練られていると思います。 かの當麻曼陀羅を、大津へのラブレターにするとは…畏るべし折口信夫の創造力!
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民族学者の折口信夫が書いた数限られた小説の1つ。日本語表現が美しく、一方で謎深く複雑な構成の小説。一度読み終えただけでは、正直、物語のストーリーを把握しきれずにいるため、何度も読み重ねる必要あり。 表現の世界が突出して凄い事はなんとなく体感できたが、いずれにしてもじっくりと向き合...
民族学者の折口信夫が書いた数限られた小説の1つ。日本語表現が美しく、一方で謎深く複雑な構成の小説。一度読み終えただけでは、正直、物語のストーリーを把握しきれずにいるため、何度も読み重ねる必要あり。 表現の世界が突出して凄い事はなんとなく体感できたが、いずれにしてもじっくりと向き合わないといけない小説。
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●「死者の書」 妄執と云うには美しすぎ、恋愛と云うにはいびつで、救済と呼ぶにはエロティック。 ●「死者の書〜続編」 え?何で未完なんですか?! すごく続きが気になるんですけど。 ●「口ぶえ」 自叙伝的物語。 すごく‥‥ホモです。
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民俗学者折口信夫による小説。表題の「死者の書」は一応完結した作品となっているが、他の収録作品は未完。民俗学者としての作者が捉える民族観・歴史観と、当然ながら作者自身の主観が色濃く漂う作品は、ストーリーの時系列が意図的に組み替えられていることと、単語の読みやかなづかいに慣れないせい...
民俗学者折口信夫による小説。表題の「死者の書」は一応完結した作品となっているが、他の収録作品は未完。民俗学者としての作者が捉える民族観・歴史観と、当然ながら作者自身の主観が色濃く漂う作品は、ストーリーの時系列が意図的に組み替えられていることと、単語の読みやかなづかいに慣れないせいかスラスラ読み進む訳では無いのだが、何だか不思議な浮遊感を伴う読書体験だった。 どうしても作者の意図を読み込もうとして、小説としてそれほど楽しむことが出来なかったのが残念。「口ぶえ」が半自伝的小説だという解説でなるほどと納得したが、同性愛的主題は趣味ではないなあ。
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自分になじみのある地名が出てくるので、昔話を聞いているような気分で読んだ。物語世界に知らず誘い込まれ、迷い込んでしまうような文章。郎女の見た、夢現の描写が時に恐ろしく、そして美しい。
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2010年8月13日購入 仙台駅前のサクラノにブックオフが入ったので見に行ったら 結構品ぞろえがいい。 折口信夫の文庫本が一通り置いてあったので つい買ってしまった。 読み始めた死者の書は奈良・平安時代の話である。
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