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死者の書・口ぶえ 岩波文庫
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死者の書・口ぶえ 岩波文庫

折口信夫【作】

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死者の書・口ぶえ 岩波文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2010/05/14
JAN 9784003118627

死者の書・口ぶえ

¥495

商品レビュー

3.8

20件のお客様レビュー

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2024/08/11

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Posted by ブクログ

2023/09/03

折口信夫文学忌 1887.2.11〜1953.9.3 迢空忌 釈迢空(シャクチョウクウ) 歌号よ 時折、立ち寄る博物館に 折口先生のコーナーが常設されており、再現された仕事部屋等もあり、身近なおじ様と思っていましたが、作品は遥かな感じでした。 今回は、「死者の書」のみ。「口ぶえ...

折口信夫文学忌 1887.2.11〜1953.9.3 迢空忌 釈迢空(シャクチョウクウ) 歌号よ 時折、立ち寄る博物館に 折口先生のコーナーが常設されており、再現された仕事部屋等もあり、身近なおじ様と思っていましたが、作品は遥かな感じでした。 今回は、「死者の書」のみ。「口ぶえ」は、今月、他の作品集に収録されて新刊で出版されるようなので、是非そちらで。コミックにもなっているようです。 柳田國男の高弟、民俗学の基礎を築き、国文学者で国語学者。 1939年 日本評論初出  上代に詳しい方なら、大丈夫かもしれないですが、一読では、理解できず、第一印象は夏目漱石の夢十夜を濃厚にしたような幻想小説でした。 理解できそうなところまで、紐解いてみました。 奈良県の當麻寺(たいまでら)に残る「当麻曼荼羅縁起」が、取り込まれているという事です。 主人公は、中将姫 747~775 藤原鎌足のひ孫で 藤原豊成の娘。才能ある美女。 能にも「当麻」という作品があるようです。 もうひとりの主人公は、大津皇子(亡霊)。663~686 天武天皇の第三皇子。学識、才能あるイケメン。謀反の疑いをかけられて処刑される。 物語の中で 郎女(いらつめ)、姫と呼ばれるのは、中将姫です。郎女は、若い女性を親しんで呼ぶ時の古語。 亡霊の皇子と中将姫の間に100年の時差があり、各章が時間の流れの通りに配置されていないので、 パズルのように各章が収まった時が快感。 オノマトペ的な音の表現があちこちにでてきます。 私のイメージでは、語り部が、語りやすいようにするためなのですが、臨場感が上がるのは確かですね。 以下は、覚書です。 一. 二上山に葬られていた大津皇子の目覚め。 死の際にふと見た耳面刀自(美しさ女性・藤原鎌足の娘)を思い出す。着物は塵となり、裸のままだ。寒い着物を求める。 したしたした 水の音 ニ. 目覚めた皇子の亡霊が見る景色。男達が、藤原南家の郎女を探している。 こうこうこう 魂呼の声 三. 藤原南家の郎女は、結界破りの罪を償う為、万宝蔵院の庵室に匿われる。 付き人の媼が藤原家の古物語を語り聞かせる。 四. 媼の語る大津皇子。耳面刀自への執心。その執心が、やはり美しい郎女をこの地に呼んだのではないかと。郎女は、金色の髪を持つ皇子の亡霊を見る。 五. 蘇った大津皇子の魂が記憶を取り戻す。 妻(山辺皇女)も子も殺された。自分の名さえ残っていないだろうと嘆く。 六. 藤原南家の郎女の二上山へのいきさつ。奈良から藤原の里への許されぬ一人旅。 郎女は写経に取り組む。遂に千部をなす。 しとしと 雨 七. 郎女の神隠し(家出)の様子。 西へ西へ二上山へ。 女人禁制の地へ入ってしまう。僧侶に見つかる。 八. 奈良の都の様子。大友家持登場。昔を懐かしむ。 遷都、火災と藤原家にも厳しい社会。 東大寺四天王像開眼の話題。 九. 大友家持が気の向くままに朱雀大路から、五条、右京と都散歩。最後は、三条まで。藤原家の跡地。 十. 郎女は書物を得る。大切に育てられた郎女は、御簾の中で書物と出会い外の世界を知る。生きる糧として没頭していく。 十一. ウグイス“法華経 ほけきょう”と鳴く。 蓮の茎で糸を紡ぐ、付き人達。 十二. 女人結界を破り寺の浄域を汚してしまった郎女。その処遇は、本人の意思で、自分の咎は自分で償うとして二上山の麓の寺に。 十三. 郎女は、皇子の亡霊の魂の白い玉の幻想を見る。 つたつたつた 亡霊の足音 十四. 大友家持と大師恵美押勝(藤原仲麻呂・姫の父の弟)との 語り。一族の長として気持ちが通じる。 十五. 当麻の里の郎女の謹慎生活。夜毎訪れる亡霊を心待ちにする。 十六. 当麻の里は春から夏へ。女達は蓮の糸を紡ぐ。 種々、鳥達の変化。当時の使用人の様子。 十七. 秋分の日、嵐の中郎女が居なくなる。 あっしあっし 弦打ち 十八. 蓮の糸で布を織る、郎女。切れては織り、織っては切れて。この布で皇子の素肌を覆いたい。 十九. 郎女は布を織り上げる。 裁っては縫い、ほどいて、布は小さくなってしまう。天竺の僧侶のような衣を作る。 二十. 巨大な布に絵を描く。弔いの織物。これが曼荼羅のタペストリーとなる。

Posted by ブクログ

2023/05/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

姉御の歌う二上山。闇に眠る皇子が目覚める。 月が照らす峰々を見下ろし、鳥のように砂光る川へ下降する。当麻路へと続くその光景を声にして味わえば、中将姫の、郎女の、大津皇子に重なる天若日子への、尊者への彩画は曼荼羅となる。 なんと美しく狂おしい物語。中将姫へのオマージュ… 女人結界を犯した罪で当麻寺山陰の小さな庵室に籠る藤原南家郎女の、世に疎い純真さと賢さは何処からくるのだろう。 叔父である恵美押勝と大伴の話も絡めた事も面白く、俗世と郎女のストイックさの対比にも思えた。 郎女が織る命の蓮の織物 中将姫の当麻曼荼羅信仰に重なる。 中将姫が蓮糸で織った「当麻曼荼羅」 未完の死者の書続編が気になり仕方ない。 調べたら、安藤礼ニ 著 霊獣「死者の書」完結篇という本があったが古本屋の値段が七千円程だった。入廷した空海と、保元の乱の頼長をどのように絡ませるのか…とても興味がある。 飛鳥、奈良時代好きにとっては面白い小説だった。

Posted by ブクログ

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