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街場のアメリカ論 の商品レビュー

4.1

49件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    22

  3. 3つ

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2011/06/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

西漸志向というキーワードに集約されるアメリカの国民性。従属国としての日本はアメリカの没落にどのように対処するべきか。個人として生き残っていく戦略を考えるための土台としての一般論がこの一冊に集約されていると思った。

Posted byブクログ

2011/06/08

『日本辺境論』の前奏曲。 間違って目のウロコ取り器を買ってしまったのかと思った。ボロボロ。 例えば、日本のアニメヒーローがみな「純粋な心を持った少年にしか操縦できない巨大ロボットで悪を討つ」という枠組みになっている、という指摘。 鉄人28号やガンダムが象徴しているものとは。アメコ...

『日本辺境論』の前奏曲。 間違って目のウロコ取り器を買ってしまったのかと思った。ボロボロ。 例えば、日本のアニメヒーローがみな「純粋な心を持った少年にしか操縦できない巨大ロボットで悪を討つ」という枠組みになっている、という指摘。 鉄人28号やガンダムが象徴しているものとは。アメコミヒーローと対比することで浮かび上がる日米の歴史や歴史観の新たな側面に興奮の連続。 他にも、ファストフード、政治、戦争、児童、連続殺人、身体観、宗教など盛りだくさん。

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2011/12/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

筆者はアメリカの専門家ではない。 しかし、だからなのか非常に興味深い視点で書かれている。 また、この書をトクヴィルに向けて書いたと主張し、 アメリカの本質、すなわち不変なものを直視しようとする。 特に興味深かったのは、アメリカが反知性主義に基づくという もの。筆者によるとアメリカは建国時=「完成系」として 理想のままに生まれたので、 いかに理想を崩さないかが焦点だと言います。 そのため、アホな指導者によってその理想が崩れないように、 政治システムは、権力の集中を防ぐものになっており、 当初は少数の宗教指導者に導かれる事を想定していたが、 西漸運動の過程の大覚醒運動で、 政治参加者が拡大した後には指導者に求められるのは 熱狂と大衆の支持を受けるための人間的魅力となる。 それがアメリカの大衆民主主義に反映されている。 要は能力が無い指導者であった方が アメリカンデモクラシーは働く。 能力の無い指導者が、能力も知識も無い大衆の支持を受ける。 つまり、本質においてリスクヘッジ>ベネフィット最大化の システムだと言う事です。 またアメリカについて書いていますが、将来あるかもしれない、 アメリカ亡き後の日本を考える本だと言えます。

Posted byブクログ

2011/02/09

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Posted byブクログ

2011/01/14

内田樹の著書を読むと、気付かされたり深く同意することは数多くあるが、一方ではたと立ち止まって考えさせるということはあまりない。 しかしそれではあんまりなので、思いつく自分なりのキーワードを書き記しておこうと思う。 ○アレクシス・ド・トクヴィル ○西漸志向 ○訴訟社会-「内戦」ソ...

内田樹の著書を読むと、気付かされたり深く同意することは数多くあるが、一方ではたと立ち止まって考えさせるということはあまりない。 しかしそれではあんまりなので、思いつく自分なりのキーワードを書き記しておこうと思う。 ○アレクシス・ド・トクヴィル ○西漸志向 ○訴訟社会-「内戦」ソリューション ○子供嫌い ○理想国家 特に最後の「理想国家」と関連深いが、アメリカと他の国とが決定的に違うのはその成り立ちであることを説いた第4章が一番面白いと感じた。

Posted byブクログ

2011/01/02

わたしは、「関連付けて考える」ということが苦手。 だから世界史も「アジア史」「ヨーロッパ史」「アメリカ史」などなどを一辺倒に覚えて、横のつながりを考えることが出来なかった。 馬鹿なんです。 今現在、「美術史」に関しては「この時代にこの国ではこんな絵が描かれていた」というのを横...

わたしは、「関連付けて考える」ということが苦手。 だから世界史も「アジア史」「ヨーロッパ史」「アメリカ史」などなどを一辺倒に覚えて、横のつながりを考えることが出来なかった。 馬鹿なんです。 今現在、「美術史」に関しては「この時代にこの国ではこんな絵が描かれていた」というのを横のラインでも見て考えることが(多少は)出来るようになった。 そこを軸に世界の歴史を広げていけたらば、この人の自由自在に世界を関連付けて考えられる思想に近づけるのだろうか。 読み返してもう一度考えたいな。 日本はどうなっていくんだろう。凋落していくアメリカを対岸の火事のように眺めていることはできないんだろうということは、日々我々を取り巻くアメリカナイズされた生活からも思う。  次の主を求めて、また日本はさまようのかしら。ならば次はどこに? アメリカで、自分の描いた絵を発表したりしてるんですが  それについて考える。  わたしは、国だとか人種だとかどーでもいっしょ、「絵」ってそういの超越しなきゃいけないしょ、って建前で思いつつも、美大を出てないわたしの絵なんか、日本でどーにかなろうったって無理じゃない?って気持ちの下、「もっと敷居を低く、良いものは良いと見てくれるアメリカ」に自分の価値を求めている。  それは、アメリカの経済の後ろ盾なくして選べぬ選択なんであろうって事もなんとなく感じる。ではそのアメリカの経済が破綻したら?厳しくなったら?わたしは自分を認めてくれるとこ、ほかに探すのかしら?  昨今中国が、絵画のオークションに積極的に参戦している。ただ、日本の力あるギャラリーのギャラリストによると「中国は、絵のよさどうこうよりもセカンダリープライスで大きな利益を得るよう「商品価値」を見て絵を買う傾向にある」らしい。(らしいって・・・ほんと適当やな、あたい)  その中国で認められたら、自分の価値を高められるのであろう。  ただしそれは「絵の内容」込みという意識は希薄。(そこがネックでもあるんだけど、)そこ差しい引いたとて、わたしは「アメリカで認められたい」って思ってるんじゃないかなぁって思う。  その意識、すごく根深く根強い意識を持ちながら、「主」が変わってしまったら、怖い。でも「日本で認められる」ことは「アメリカで認められたわたし」という幻想なくして作られないし、日本人の「アメリカ上位」の意識をわたしは利用しようとしている。本当は日本で認められたい、自分の近しい人に認められたいその意識にたどり着くまでに絡んでくる「アメリカ」・・・  何行ってるかわかんなくなってきた。  じゃあ国外に出すなってことなんだけど、そうじゃないんだなぁ。なんだ。またあとで考えなおそ。

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2019/01/16

考えてみれば、今までアメリカ論みたいなのってアメリカ人か日本人からのものしか見たり、聞いたりしたことが無いと思う。この本では、フランス人のアレクシス・ド・トクヴィルの本が紹介されており、時間が経っても斬新さを感じる意見が述べられている。アメリカ建国者たちは権力者を信用しておらず、...

考えてみれば、今までアメリカ論みたいなのってアメリカ人か日本人からのものしか見たり、聞いたりしたことが無いと思う。この本では、フランス人のアレクシス・ド・トクヴィルの本が紹介されており、時間が経っても斬新さを感じる意見が述べられている。アメリカ建国者たちは権力者を信用しておらず、間違うものとして彼らの民主主義を作り上げた。その慧眼には本当に感心する。それらが機能し今の発展があるのであろう。普通の国のように歴史的な建国ではなく、理念だけを掲げて国を作り上げた自信の結果、宗教までも理念で広げていった。キリスト教が今日広く米国で信じられていることがよくわかった。 最後にショックであったのは、今でこそ子供の人権云々を主張するが、西洋の文化はもともと子供嫌いということがあるということだ。この本でアメリカの思想的なことについて知識を得たという以上のことが分かった。アメリカに対する感じ方、思いを変えるのに十分な本である。

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2010/11/15

アメリカといく国の街場で起きている出来事から、アメリカという国にある歴史的背景や行動原理について読み解いていきます。 街場の出来事は無意識に行動している結果表れた表層的なものですから普通に見ているだけではその背景にまでたどり着く事はできません。しかし内田さんは見事に背景までスパス...

アメリカといく国の街場で起きている出来事から、アメリカという国にある歴史的背景や行動原理について読み解いていきます。 街場の出来事は無意識に行動している結果表れた表層的なものですから普通に見ているだけではその背景にまでたどり着く事はできません。しかし内田さんは見事に背景までスパスパっとたどり着いてしまいます。本書にはこの導入からその結論に持っていくか!というわくわくがいくつもつまっています。 私的に一番新鮮だったのはアメリカは理想国家として建国され、その制度はいかに今より良くするかではなく、いかに今より悪くならないかを考え作られているという部分です。この考えを持って今の情勢を見ていくと見方が大分変ります。

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2011/01/26

2010.11.11 図書館。 アメリカって世界のスタンダードみたいな印象だけど、やっぱり狂ってるところもあるよね。

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2010/11/14

内田樹がアメリカをテーマにした演習の記録を文字に起こして加筆したもの。 日本がアメリカの承諾なしに政策決定するためにはその自決権をアメリカに認められなければならない。アメリカからの自立はアメリカへの依存を基礎とするしかない。新米的政策は反米的心情に裏打ちされ、その逆も同様に然ると...

内田樹がアメリカをテーマにした演習の記録を文字に起こして加筆したもの。 日本がアメリカの承諾なしに政策決定するためにはその自決権をアメリカに認められなければならない。アメリカからの自立はアメリカへの依存を基礎とするしかない。新米的政策は反米的心情に裏打ちされ、その逆も同様に然るという「ねじれ」がある。(日本人はアメリカの「従者」としてのメンタリティーから逃れがたく、「従属」を通じての「自立」というねじれた語り口以外にことばを持ちえない。「従者」であるかぎり日本人のアメリカ批判はいくら痛切であっても「保護者の責務の感覚」が入り込むことは構造的にありえず、そこにはいつでもある種の「気楽さ」が伏流している。) このようなねじれたナショナル・アイデンティティーの持ち様はアメリカが押し付けたのではなく日本人が選び取ったものである。内田樹は本書において、「日本人はどのようにアメリカを欲望するのか」ということを、「従者」としてアメリカを倫理的な態度で語ることが出来ないというような「病識」を意識しながら語る、という、わかったよなわからないような前置きを以って始める。 本編では、歴史、ファストフード、アメコミ、統治システム、戦争、児童虐待、殺人鬼、身体、キリスト教、コネクション、裁判とテーマを分けてアメリカと日本を対比しながら論じる。 「いかに辛辣な批判」も、日本人がそれを言うかぎり「気楽」であるということは、なるほどそれはその通りだと思った。ただそれを意識しているからといって、いったいなんなのか。それがこの論考に何をもたらしたのかはわからない。でもひとつひとつの章はおもしろく、「アメリカ的」なるものの直輸入は無謀であるということを改めて強く意識させられる。

Posted byブクログ