エルサレム解放 の商品レビュー
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『狂えるオルランド』と並ぶ、第一次十字軍遠征を題材にしたルネサンス期の定番大ベストセラーの抄訳。ルネサンスと近代の分岐点に立つスタイルの作品。
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エルサレムを「解放」するために侵攻する十字軍。司令官ゴフリート。イスラム側の女魔術師アルミーダにより幽閉される50人の騎士たち。アルミーダへの恋のため戦陣を離れるリナルド。十字軍の騎士タンクレーディとイスラムの戦士アルガンテの一騎打ち。タンクレーディに恋するエルミーニア。イスラム側の女戦士クロリンダに恋をしたタンクレーディ。アルミーダに囚われるタンクレーディ。イスラム側の指揮官ソリマーノの奮戦。解放された50人の騎士たち。彼らを解放したリナルドの行方。クロリンダの死。リナルドの捜索。リナルドを愛したアルミーダ。イスラム側の援軍エジプト軍の来援。エルサレムへの攻撃を急ぐ十字軍。タンクレーディとアルガンテの一騎打ちの決着。エルサレム陥落。愛を語らうリナルドとアルミーダ。
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解説の通り、キリスト教側の作品にしてはイスラム教徒を100%悪役にしていないので、一方的な英雄譚より小説として面白いと思う。 ソリマーノ、クロリンダの存在感は、キリスト側の勇者にも劣らない。 以下ネタバレ ただ、エルミーニアの自分勝手さにちょっとイラっとした。 侍女をまきこんで単身敵地に堂々と姿を晒したり、自軍の作戦を垂れ流したり…ヴァフリーノの「もしもイスラム教徒だったなら、どうして女など信じられようか!」って笑ってしまった。 でもそれはイスラム教徒に限らないよ個人の資質だよ。イスラム教徒に限定したくなる気持ちもわかるけど。 同じ自分勝手でも、完全に開き直っているアルミーダには何故か好感が持てる。 リナルドに捨てられて打ちひしがれながら「あたしがあなたを愛しているぶんだけ、あなたにも苦しんでほしいの」と呪いの言葉を吐く姿に、少し共感してしまった。 両思いになれないなら、なにかしら自分の存在を相手に刻みたいっていうのは、エゴだと分かっていても考えちゃうことだと思う。実行するかはともかくとして。
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