実践!交渉学 の商品レビュー
相手と自分が納得のできる、交渉。 交渉というと、いかに自分の思い通りに合意を取り付けるか、というイメージがあった。 しかし、交渉といっても仕事上の取引に限らず、同僚、友人、家族間でも発生する主張の相違全てにわたる。 その関係性で一時の勝利にどれほどの価値があるだろう。まさに、試...
相手と自分が納得のできる、交渉。 交渉というと、いかに自分の思い通りに合意を取り付けるか、というイメージがあった。 しかし、交渉といっても仕事上の取引に限らず、同僚、友人、家族間でも発生する主張の相違全てにわたる。 その関係性で一時の勝利にどれほどの価値があるだろう。まさに、試合に勝って勝負に負けた、状態だ。 理想的な交渉とはお互いがまずまずの納得を得ることだ。 そのために、立場(目に見える主張)と利益(果たしたい本音)を見分け、配分型交渉(お互いの争点が同じ)から統合型交渉(複数の争点を同時に論じ妥協点を見いだす)を積極的に取り組む事が解決への近道だ。 その際に重要なのがBATNA(次善の策)である。自分に選択肢があれば交渉に余裕が持てるし、逆に相手のBATNAが分かれば、そのぎりぎりのラインまで攻める事が出来る。 その他、社会的な合意形成や、専門家の見解の差異等についても述べられている。 とにもかくにも、最も重要なのは、信頼だ。
Posted by
BANTAや統合型交渉の使い方やWin/Winの失敗、 他者間交渉のやり方まで非常に勉強になりました。 前半の交渉の基本の紹介だけで終わらせず、 各人がその方法を認識し実践したの際の戦略かや、 多くの人が関わる場合についてまで踏み込んであるのが良いですね。 交渉というものを前提...
BANTAや統合型交渉の使い方やWin/Winの失敗、 他者間交渉のやり方まで非常に勉強になりました。 前半の交渉の基本の紹介だけで終わらせず、 各人がその方法を認識し実践したの際の戦略かや、 多くの人が関わる場合についてまで踏み込んであるのが良いですね。 交渉というものを前提に据えた社会の見方にしても、 いまだからこそ重要な視点と言えるでしょう。 筆者の経験のみで書かれた類書は少なくないですが、 学問的バックボーンがある分普遍的な知識が得られるのが良いですね。 テクニックとしても使えますがそれに留まらず、 ロジカルに様々な局面の応用例を示しており、 実践をしながらもう一度読み返してみたい良書であると思いました。
Posted by
利害と立場、BATNAやZOPA、win/win、ステークホルダーなど、交渉学に必要な知識が解説され、公平かつできるだけ自分に利益がある交渉を行うためのヒントがつまっている。後半部の多者間交渉での社会的な合意形成はすぐに役立つものではないが、社会を生きる上で、頭に入れておくと豊か...
利害と立場、BATNAやZOPA、win/win、ステークホルダーなど、交渉学に必要な知識が解説され、公平かつできるだけ自分に利益がある交渉を行うためのヒントがつまっている。後半部の多者間交渉での社会的な合意形成はすぐに役立つものではないが、社会を生きる上で、頭に入れておくと豊かな生活を送れるだろう。普段から自分と相手のBATNAを考え、交渉に生かしていきたい
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
交渉を進めるにあたっての準備と手法について学ぶことができた。 合意の条件の整理や相手が求めていることを予想、認識しておくことが非常に重要。 自分の意識をある程度伝えておくことも大切。話す順番も気を付ける必要がある。 社会的な合意形成には1か0かの2択ではない。多数の条件から判断することによって、合意に近づくこともできる。
Posted by
良いことが書いてあったのかも知れないが、特に心に引っ掛かる事なく、読了。実践とあるが、やっぱり「学問」面白くない、との感想の方が強い。感心したフレーズ「税金というのはサービスの対価ではなく、あくまで国や自治体という組織を運営するための出資金。国会、議会に良い社会的合意形成をしても...
良いことが書いてあったのかも知れないが、特に心に引っ掛かる事なく、読了。実践とあるが、やっぱり「学問」面白くない、との感想の方が強い。感心したフレーズ「税金というのはサービスの対価ではなく、あくまで国や自治体という組織を運営するための出資金。国会、議会に良い社会的合意形成をしてもらう必要がある」
Posted by
交渉、というと堅いイメージで、 業者との金額交渉を行う立場になったことで 交渉を意識するようになったが 社内の仕事でも上司承認や他部署との合意承認や、 交渉を必要とする場面は多いことに気付かされた。 交渉のテクニックではなく、本質に触れた一冊だと思う。 ・配分型交渉と統合型交渉...
交渉、というと堅いイメージで、 業者との金額交渉を行う立場になったことで 交渉を意識するようになったが 社内の仕事でも上司承認や他部署との合意承認や、 交渉を必要とする場面は多いことに気付かされた。 交渉のテクニックではなく、本質に触れた一冊だと思う。 ・配分型交渉と統合型交渉 配分型:ある一つの条件による交渉。 例)100万円を二人で山分け。比率は自由 統合型:「価格」と「納期」など複数の交渉事項による交渉 ・利害と立場 利害:主張の背景にある理由 立場:それぞれの交渉当事者が望んでいる結論 立場に基づくのではなく、利害に着目する ・BATNA(不調時代替案) BATNAは絶対に相手に教えない (後出しジャンケンが強い) ・ZOPA(合意可能領域) 交渉が成立する範囲。金額交渉なら100~200円など。 統合型交渉ではパレート最適を目指す (お互いの満足度がそれぞれ高くなるポイントを見出す。 →交渉事項を増やす) ・ダラーオークションゲーム(LOSE/LOSE) 20ドルをいくらで買うか2人でオークション。 負けたほうは最後に提示した額を払う →提示額が20ドルを超えていく ・WIN/WINにも勝ち負けはある 価値生産と価値分割 ・多者間交渉(マルチ・ステークホルダー) ステークホルダー:自分の行動に影響を与えうる人たちと 自分の行動が影響を与えうる人たち ステークホルダーをいち早く見抜くことが重要
Posted by
マルチステークホルダー間での合意形成を図る際の基本的な考え方は、原子力にまつわる問題にも応用できる。
Posted by
読み易くまとめられてるが、楽しく読めるという内容ではないなぁ。 自分に有利な落としどころって言う事ばかりを考えがちなのですが、そうは問屋が下ろさない。
Posted by
環境研 林先生のブログで紹介されていた本。 後段の「科学技術と社会的合意」で、平行線で合意点の見えない問題について前進させるための「共同事実確認」というプロセスがあるということは大変参考になった。 ただ、強烈な主張をする団体は往々にしてそういう場を設定してもでてこないこともありそ...
環境研 林先生のブログで紹介されていた本。 後段の「科学技術と社会的合意」で、平行線で合意点の見えない問題について前進させるための「共同事実確認」というプロセスがあるということは大変参考になった。 ただ、強烈な主張をする団体は往々にしてそういう場を設定してもでてこないこともありそうなので、場に出て来てもらうための知恵も必要かと。
Posted by
全体的に交渉術というより、交渉学の社会的意味。公共政策より。 <メモ> winwin パレート最適 パレード改善 勝者の呪い 交渉を実現させる方法、バーゲニングチップに強制執行の仕組みをいれる lose/lose 情報の非対称性 社会問題とビジネス交渉の違い 合意がフェアじゃない...
全体的に交渉術というより、交渉学の社会的意味。公共政策より。 <メモ> winwin パレート最適 パレード改善 勝者の呪い 交渉を実現させる方法、バーゲニングチップに強制執行の仕組みをいれる lose/lose 情報の非対称性 社会問題とビジネス交渉の違い 合意がフェアじゃないと実行されない? ロールプレイングでは気づかないことー実社会ではー交渉相手は誰なのか?正しい交渉相手は? ステークホルダーを見落とすな 都市計画、公共事業や行政訴訟ー原告適格があるか 社会運動と合意形成のちがい、合意形成の定義 アジェンダセッティングー社会的合意形成の場合、メディアによって左右される アドボカシー科学 原発の中川 IT化の影響 価格ドットコムBATNAがわかる SNSで評判がわかるのでボロ勝ちはできない 実務では、交渉に応じないのがわりと大変 感情の問題 専門家を使う意味 情報化が進んで来た、アドボカシー科学の影響で懐疑的 第三者を使う意味 感情を抜く 日本の交渉ー暗黙の了解、事前の根回し、交渉者の肩書き、本音と建前、面子、長期的関係、恩と義理、取引先、系列 社会的責任のある交渉 一人勝ちではない、価値生産 バトナと恋愛 ZOPA
Posted by