授乳 の商品レビュー
あいかわらず世の中に溶け込めないちょっといっちゃってる人達の物語が3遍。それでも「あっ、なんかちょっとわかる。」とか思っちゃうところがぼちぼちあったりするのがちょっと怖いところでもある。3つの物語の中では特に「御伽の部屋」の世界観が好き。ただ、正男お姉ちゃんのエピソードがあまりに...
あいかわらず世の中に溶け込めないちょっといっちゃってる人達の物語が3遍。それでも「あっ、なんかちょっとわかる。」とか思っちゃうところがぼちぼちあったりするのがちょっと怖いところでもある。3つの物語の中では特に「御伽の部屋」の世界観が好き。ただ、正男お姉ちゃんのエピソードがあまりに切なくてなんともやりきれない気持ちになった。
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2005年作品(今の世相を捉えているのかな) ①「授乳」②「コイビト」③「御伽(おとぎ)の部屋」 ①主人公女子中学生ー28歳独身男性(ペットのよう) 主人公がペットを飼いならす感じの話で、男を飼いならしたい願望がある今の時代の話と思った。草食系男子には性的行為に興味がなくても命令には逆らえない感が出ている。 ②女子が好きな人形をまるで生きているように扱うところに恐怖を感じた。(女子小学生と大人女性) ③作者の根底にある恋愛・性的関係なしの関係を描いた話 私も愛について考えさせられる。今は擬人化(ペット)の犬や猫への愛が巷では多い気がする。 いつも、動物病院を通る度、時代は変わったなと感じる。 平成も終わり、令和なんだな。
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デビュー作「授乳」を含む3作品 いずれも著者の独特な世界を感じられました とくに性に関してはこだわりがあるように 感じます それは他の作品を読んでも感じることですが
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『授乳』 『コイビト』 『御伽の部屋』 『授乳』はデビュー作との事。 強さと脆さを感じた。 『コイビト』は「ずぶずぶ」と聞こえてきそうな感じ。 何をするのも面倒なのに面倒見が良すぎてあたしが不安に。 『御伽の部屋』ほ、あたしにとって新しい読書って感じ。 大好き。 うっかり同時...
『授乳』 『コイビト』 『御伽の部屋』 『授乳』はデビュー作との事。 強さと脆さを感じた。 『コイビト』は「ずぶずぶ」と聞こえてきそうな感じ。 何をするのも面倒なのに面倒見が良すぎてあたしが不安に。 『御伽の部屋』ほ、あたしにとって新しい読書って感じ。 大好き。 うっかり同時進行で、 『ハコブネ』 も読んでしまっていて、 何人もの悩みや考えが押し寄せてきて一緒に悩んじゃった。
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幼児体験や家庭環境ゆえに、特殊な世界の味方をするようになった語り手が、しかし単独では自立できず、(奇蹟的に)共犯者を見つけて、擦り合わせ、しかしすべてを分かり合えるはずもなく、ズレに絶望する……。 絶望の挙句、離反・離脱・幻滅して現実に戻るのなら、まだわかるし、あービターなエンドですねー少女ってそんなもんっすよねーと片付けられるが、語り手は相手を捨てて、さらにその向こう側へ跳躍するのだ!あ 跳躍度合いの強さ……「御伽の部屋」>「授乳」>「コイビト」。 これ、特殊な性癖とかだけでなく、すべての対人関係に敷衍できる。 「コンビニ人間」を、サイコパスじゃんと揶揄しながらも他人事ではない読者は多くいるだろう。 女性読者なら、もっと直接に理解できるのかもしれない。 しかし男性にとっては、自らの内側に息づく少女への憧憬を、語り手に重ね合わせるという作業が必要になる、と今まで思っていた。 が、実は村田沙耶香作品には大抵、「一筋縄ではいかない男性」がいて、彼らが私のような読者の受け皿というかジャンプ台になっている、と今回ようやく気付いた。 「授乳」の先生。「御伽の部屋」の正男お姉ちゃん。 「私」ないし「あたし」との関係における彼らのステレオタイプに、反抗しつつも捨てきれずにいるうちに、読み手も語り手に同化する階段を上がらされている、というか。 もちろん男女二元論で考える必要はまったくなくて、世界はーふたりのためにーあるのー、という書き方は決してしていない、ということ。 主要人物の誰がしかが何がしかの小説内役割を担っている。
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「授乳」 村田沙耶香(著) 2010 4/15 第一刷 (株)講談社 2017 1/10 第七刷 2020 1/3 読了。 今年最初の読了本。 村田沙耶香強化月間中^^; 常識という名の多数派に違和感を感じながら その感情を表現しない少数派の意識を代弁し続けてる女性作家、...
「授乳」 村田沙耶香(著) 2010 4/15 第一刷 (株)講談社 2017 1/10 第七刷 2020 1/3 読了。 今年最初の読了本。 村田沙耶香強化月間中^^; 常識という名の多数派に違和感を感じながら その感情を表現しない少数派の意識を代弁し続けてる女性作家、村田沙耶香のデビュー作「授乳」を含む短編三作からなる本書。 同じ世界で 同じ価値観の中で同じ空気を吸っているはずなのに その世界の真反対からの風景を彼女は見せてくれて そしてその不思議な風景に惹きつけられる。 ゆっくり村田沙耶香ワールドに浸っていると 間違っているのは「ぼくの方」ではないかと錯覚する。 でも不愉快ではないのよマジで。
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村田沙耶香初挑戦!となれば、処女作からでしょうと思い軽い気持ちで手に取ってみました。王様のブ◯ンチでおすすめ書籍紹介している著者がおしとやかな印象だったので、作品とのギャップに驚きました。これは確かに純文学のジャンルですね。 三作品ともモノトーンで無機質な世界観、内外の世界感の...
村田沙耶香初挑戦!となれば、処女作からでしょうと思い軽い気持ちで手に取ってみました。王様のブ◯ンチでおすすめ書籍紹介している著者がおしとやかな印象だったので、作品とのギャップに驚きました。これは確かに純文学のジャンルですね。 三作品ともモノトーンで無機質な世界観、内外の世界感の齟齬に苦しむ主人公という点で共通してる。自分の女性的な性に苦しみ嫌悪し、個々人のユートピアを目指し現実世界との齟齬に貶められる姿が、ある面で狂気、ある面では憧れを抱かせてくれる。 個人的には『コイビト』の主人公の、幼少時代のエピソードが胸に響いた。『他の大抵の人には目に見えるらしいルールというものを、暗記してそれに従うようにしている』という感覚が、自分にも、特に若い頃に痛烈に感じていたものと重なる。 生々しさ、グロテスク表現がちょっと近寄りがたいけど、素敵な作品、作家との出会いになったのは間違いない。
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なんか不気味な作品(笑) 最後の作品なんかは、奇行がすぎてちょい引くレベル。 殺人出産が面白すぎて、村田さんの別の作品読んでみたいと思って読んだのが、この単行本だったけど、少し拍子抜けしました。 淡々としているコンビニ人間に比べると、多少の盛り上がりはあったけど・・・
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芥川賞受賞の『コンビニ人間』が面白かったので、著者のデビュー作を読んでみようと思い購入。 表題を含め3つの作品からなっている。 凄い。とにかく、普通の人が出てこない。家庭教師を隷属させる中学生、ぬいぐるみを友人家族恋人として愛する大学生、、、など。普通じゃないことが淡々とさも...
芥川賞受賞の『コンビニ人間』が面白かったので、著者のデビュー作を読んでみようと思い購入。 表題を含め3つの作品からなっている。 凄い。とにかく、普通の人が出てこない。家庭教師を隷属させる中学生、ぬいぐるみを友人家族恋人として愛する大学生、、、など。普通じゃないことが淡々とさも普通のことのように書かれている。 でも、この世界観はクセになる。他の作品も読んでみたいと思った。
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文学界の異端児・村田沙耶香さんが完全にぶっ壊れてイカレタ3人の少女を描くデビュー作品集。本書の3人のヒロインはそれぞれに狂気すれすれの生き方をしていると思いますが、彼女達に正道を教え諭す強く立派な人格者は登場せず結局は本人が自覚するしかなくて、私は長い時間がかかってもいいからとに...
文学界の異端児・村田沙耶香さんが完全にぶっ壊れてイカレタ3人の少女を描くデビュー作品集。本書の3人のヒロインはそれぞれに狂気すれすれの生き方をしていると思いますが、彼女達に正道を教え諭す強く立派な人格者は登場せず結局は本人が自覚するしかなくて、私は長い時間がかかってもいいからとにかく自分でしっかりと納得した上で危ない方向に道を踏み外さない様にして人生を歩んで欲しいなと願いますね。また解説に書かれている様に彼女らが壮絶なデトックス(浄化・解毒)で悪い物を全て吐き出した後に幸せになってくれたらと切に祈ります。 『授乳』家庭教師の青年はこの歪んだ支配のゲームから脱けられてとてもラッキーだったですね。きっと母は何があろうとも決してこの我がまま娘を見捨てはしないでしょう。ヒロインが母の無私の愛に気づく日は来るのか?どうしても見通しは暗く悲観的になってしまいますね。『コイビト』末恐ろしい小学生は完全に反面教師で、ヒロインはコイビトのぬいぐるみホシオと訣別できてよかったですね。後はホシオロスによる依存症や禁断症状を克服して欲しいです。『御伽の部屋』彼女は普通に見えて実は一番の重症で厳しいけど何とか自分を取り戻して欲しい。
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