授乳 の商品レビュー
改めて眺めて文庫の表紙可愛いな。 初読みだったけど完全に惹き込まれた。 この作家に関する情報で「生理的」とはよく耳にしていたけれども、思っていた生理的とは違った。 完全に夢の中の世界であり、それに生々しい感触を持たせることができるのがこの作家なのだなぁと思った。 小さな、小さな感...
改めて眺めて文庫の表紙可愛いな。 初読みだったけど完全に惹き込まれた。 この作家に関する情報で「生理的」とはよく耳にしていたけれども、思っていた生理的とは違った。 完全に夢の中の世界であり、それに生々しい感触を持たせることができるのがこの作家なのだなぁと思った。 小さな、小さな感触だけを必死に捕らえて、それだけにすがって、あまり周りを見渡してはだめなんだと。五感がすべて。それだけで、世界は暗闇に奥深くつながっているでしょ、と。 まったく目隠しされた少女の絵はそのとおりである。 一貫しての母性と女性性への偏執的なアプローチ。 それから暴力描写がたまに割り込まれるけれど、三島賞かななにかの書評でこの人は暴力的な描写とかに走らなくてももっとほんとうに怖いものを知っているはずだといわれているのを読んだ。 でも私はなんだか、この人はそういった風に人間を見つめた上でこういう偏執的なものを描くというよりは、こちら側の人なんでないかなぁ、と思っている。 こちら側から、あこがれを描く。 だから、そんなに悟らないで欲しいと思っています(笑) 次「マウス」読みます。
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