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天国旅行 の商品レビュー

3.6

254件のお客様レビュー

  1. 5つ

    25

  2. 4つ

    94

  3. 3つ

    95

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

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2011/09/18

「心中」を共通のテーマにした7つの短編集。う〜ん心中ですか。最近、自分はどんな死に方をするのだろうかと思うようになったせいもあり、それぞれの短編に出てくる人物と死について期待しながら読んだ。(それがいけなかったのかな)決してつまらなくはないのですが、私には現実離れしているように感...

「心中」を共通のテーマにした7つの短編集。う〜ん心中ですか。最近、自分はどんな死に方をするのだろうかと思うようになったせいもあり、それぞれの短編に出てくる人物と死について期待しながら読んだ。(それがいけなかったのかな)決してつまらなくはないのですが、私には現実離れしているように感じ、話に入り込めなかったのが残念でした。ずしっと心に響いたのは「炎」です。7篇それぞれ趣きが異なり、別々の作者のアンソロジーのようでした。「遺言」の語りの女々しさは×。「君は夜」の常軌を逸した一方的な愛も好みではない。深く渦巻く人間の暗部が描かれているところはすごいです。読み終わってみると、この表紙がとても内容をよく表しているなと感心しました。

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2010/05/19

「心中」をテーマにした7つの短篇集。 重い内容かな?と思いながら読んだら意外にもそんなことはなく、 心にじわりと滲むようなあたたかさが広がるお話が多かった。 短篇ってあまり得意じゃないけれど、びっくりするくらいストンと自分の中に入ってきた作品。

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2011/12/22

「神去」とも「風が強く」とも「まほろ」とも違う(もちろん妄想エッセイとも違う)しをんさんの世界がとても良かった。心中がテーマと聞いて予想する中身を、ちゃーんとはずして書いて、しっかり読ませるあたりがプロだなあと思う。 どれもそれぞれに味わいがあるけれど、「遺言」「新盆の客」「S...

「神去」とも「風が強く」とも「まほろ」とも違う(もちろん妄想エッセイとも違う)しをんさんの世界がとても良かった。心中がテーマと聞いて予想する中身を、ちゃーんとはずして書いて、しっかり読ませるあたりがプロだなあと思う。 どれもそれぞれに味わいがあるけれど、「遺言」「新盆の客」「SINK」の三つにじーんと来た。しをんさんの小説には、淡々とした物腰のその芯のあたりに激情を隠し持っている人がよく出てくる。そこがいい。

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2010/05/18

H22.5.18 新着図書案内で題名と著者名だけを見て決めたので、「天国旅行」という題名から想像していたのとはかけ離れた表紙でびっくり! 「森の奥」・・・青木ヶ原の樹海に自殺するために行った男が、自殺に失敗し、若い男の世話になりながら樹海を歩く。 「遺言」・・・一目惚れから...

H22.5.18 新着図書案内で題名と著者名だけを見て決めたので、「天国旅行」という題名から想像していたのとはかけ離れた表紙でびっくり! 「森の奥」・・・青木ヶ原の樹海に自殺するために行った男が、自殺に失敗し、若い男の世話になりながら樹海を歩く。 「遺言」・・・一目惚れから駆け落ちした相手と長い間一緒に暮らし、何度か死のうとした時の事を回想し、したためる遺言 「初盆の客」・・・従姉妹と名乗る初盆参りの客から、自分の知らない祖母の不思議な話を聴き、祖母の死に方を想い・・・ 「君は夜」・・・物心ついた時から、夜、夢でお吉の人生をなぞる理紗は、いつか現実でも小平と出会う事をしんじていた。 「炎」・・・校庭で焼身自殺をした立木先輩。その理由を初音と一緒に調べる亜利沙は・・・ 「星くずドライブ」・・・轢き逃げされた香那は、僕にしか見えない。 「SINK」・・・一家心中の生き残りの悦也は、門扉や表札など、特注の金属造形を仕事にしている。

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2010/05/22

そこへ行けば、救われるのか。富士の樹海に現れた男の導き、死んだ彼女と暮らす若者の迷い、命懸けで結ばれた相手への遺言、前世を信じる女の黒い夢、一家心中で生き残った男の記憶…光と望みを探る七つの傑作短篇。

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2010/05/10

心中をテーマにした短編集。雰囲気としては結構前に出た『むかしのはなし』に似てるような…。『むかしのはなし』もだいぶ読んでないのであくまでも印象ですが。どの作品も少しゾクっとするような空気を持って、独特の余韻を残していきます。『風が強く吹いている』とかで三浦さんを読み始めた人はちょ...

心中をテーマにした短編集。雰囲気としては結構前に出た『むかしのはなし』に似てるような…。『むかしのはなし』もだいぶ読んでないのであくまでも印象ですが。どの作品も少しゾクっとするような空気を持って、独特の余韻を残していきます。『風が強く吹いている』とかで三浦さんを読み始めた人はちょっと違和感を感じるかも。全体的にこじんまりした印象ではありますが、どれもいい作品だったと思います。

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2010/05/08

心中話の短編集。 とても好みだった。 死に近づきながらもそれを選ばないところや、登場人物たちの関係性が魅力的。 作家の「遺言」は、そうなのか?

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2011/07/19

う〜〜ん、悪くはなかったんだけど・・。再読したいか、と言われたら微妙かな。心中をテーマにした短編が7つ。どれも、いわゆる心中というカテゴリーからはちょっと離れた作りになっていて、しかもひとつ、ひとつがそれぞれ奥行きのある世界を形成しているところが、しをんちゃん、上手い!と。これは...

う〜〜ん、悪くはなかったんだけど・・。再読したいか、と言われたら微妙かな。心中をテーマにした短編が7つ。どれも、いわゆる心中というカテゴリーからはちょっと離れた作りになっていて、しかもひとつ、ひとつがそれぞれ奥行きのある世界を形成しているところが、しをんちゃん、上手い!と。これはホントに感服いたしました。近松もののような、もう死ぬしかない、という切羽詰まった追い立てられ感が全くなくて、ある意味淡々と描かれている生死の仄暗さが強く印象に残っています。「森の奥」死ぬために富士の樹海に入った50代の男性の前に現れた若者。一度首つりに失敗した後だっただけに、その後、「訓練のため」という若者・青木と一緒に歩き続けてしまう彼の気持ちがよくわかったし、実は青木が・・・という仕掛けや、彼のとってくれた思いやりには素直に感動しました。「初盆の客」ウメおばあさんの初盆の日に長野の家を訪ねてきた見知らぬ人。彼は、おばあさんが佐賀で一度結婚していた時の孫だと名乗ります。出征の日の前日に結婚、そのまま夫は戦死、という悲しい話と、その後再婚して、夫を二人持った女のそれぞれの夫に対する「忠義だて」を「心中」という範囲にまで結びつけたところが面白かったです。「星くずドライブ」死者が見えてしまう大学生の佐々木くん。同じく大学生の彼女が(この大学ってたぶん、筑波だよね)轢き逃げで死に、でも生前そのままの姿で彼の前に現れる。死者と暮らす日々のリアリティ(一緒に寝ると寒いから、厚着をするとか)と、いつまでこの日々が続くのか、振り切りたい気持ちもありながら好きだった女の子だからいなくなるのは寂しいという気持ちも、なんてあたりが上手いなぁ・・・と。あはは・・微妙かな、なんて言いながら、結構、私、気に入ってたのかも、ですね。

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2010/05/06

「心中」をテーマにしたという7篇からの短編集 1つ1つの話が静かに綴られていて、今までの作風とは違って新鮮

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2010/05/06

タイトルを見てピンときたら読むべしです。笑 まさに、THE YELLOW MONKEYの楽曲『天国旅行』です。 心中をテーマにした短編集ですが、どれも『死』という事柄に向き合った人間がどう動くか。死と向き合うのは自分であったり親しい人であったり… 読んでいる最中に思ったのは...

タイトルを見てピンときたら読むべしです。笑 まさに、THE YELLOW MONKEYの楽曲『天国旅行』です。 心中をテーマにした短編集ですが、どれも『死』という事柄に向き合った人間がどう動くか。死と向き合うのは自分であったり親しい人であったり… 読んでいる最中に思ったのは、人の思い込みとかって怖いなぁという事です。

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