リアル・シンデレラ の商品レビュー
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最後の3つめの願いで、≪えへへ。我ながら名案だったずら。他の人のラッキーポイントも自分のポイントカードに加算されるずら。≫といった泉が切ないけれど、幸少ない泉にとっては名案と思える。私は、そんな生き方はできないけどこういう人はいたかもしれない。 児童虐待のニュースが多いだけに、両親に邪険にされる泉と重なる。そして本当は、愛されない子は、愛がほしくてほしくて人の幸せを喜ぶどころじゃない。
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淡々としていて、読み進めるのに、勢いはなかったけど、題名からして、最後に何かあると期待していたのに、期待に応えてくれるラストではなかった。途中、泉の3つ目の願いには、少しグっときたけど、この表紙は頂けない。。
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あっ、と声をあげそうになる。言葉にならない思いが取り残される。その正体を見極めたいと思い、懸命に心のあちこちを覗きこんで見るけれど中々焦点が定まらない。難解な数学の証明問題を前にした時のように、何となく取りつく島がなくて茫然としたような気持ちになる。こんな時には問題集の後ろに付い...
あっ、と声をあげそうになる。言葉にならない思いが取り残される。その正体を見極めたいと思い、懸命に心のあちこちを覗きこんで見るけれど中々焦点が定まらない。難解な数学の証明問題を前にした時のように、何となく取りつく島がなくて茫然としたような気持ちになる。こんな時には問題集の後ろに付いている模範解答(ああ、それはなんと無機質な響きのする言葉だろう)を見てしまいたくもなるけれど、そんなことをしてもモヤモヤとした気分が収まる訳ではないことも解っている。 じたばたとしている内にぼんやりと像を結ぶ言葉に行き当たる。「わだかまり」。そうだ、きっとそれがこの気分の出所、心の中に巣くうものの正体だ。 この物語はどこへも行きつかない。読む者も登場人物と一緒に過去に戻る。過去へ戻ることにそのものに特段の怖さはない。しかし過去から帰ってくることが適わないことは途轍もなく怖い。そんなところへ読む者を引きずり込んでしまっていいのだろうか、そんなわだかまりがきっとあるのだと思う。 そう言葉にしてみて、もう一度ジタバタしそうになっている心持ちが残っていることにも気付く。今度の正体はなかなか見えてこない。そして漸く解る、この物語の中に気持ちが取られてしまっているということが、自分で気に食わないのだ、と。 どこへも行かない、そして大団円でもない。それなのにその不確かな結末が何か悲しみとも幸せともつかない気持ちをざわつかせる。何かを託したくなる気持ちを湧き立たせる。それが依頼心の表れではないだろうか、と自分は訝しく思う。騙されないぞ、という気分になる。しかし、それが本当にこだわるべきことなのかどうかが解らない。 自分の中に響き返すものがないこと、それが不安の種なのかも知れない、とぼんやり思う。この物語に同期する長さの弦が自分の中にはないのに、何故か発せられた音だけがむやみに鳴っているのを聞くような心持ち。訳のわからないものに絡め取られてしまうことに抵抗できない自分のありように茫然となる。
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ちょっと表紙がアレなんだけど(笑) 泉(せん)という、地味な地味な女性のお話。 彼女を知ろうと、いろんな人をインタビューし、 関わった多くの人たちの言葉から、泉の信じられないほど清い人格が浮き彫りに。 こちら側の視点で読み進めていくので、 なんと崇高な魂!とか思うんだけど、 ...
ちょっと表紙がアレなんだけど(笑) 泉(せん)という、地味な地味な女性のお話。 彼女を知ろうと、いろんな人をインタビューし、 関わった多くの人たちの言葉から、泉の信じられないほど清い人格が浮き彫りに。 こちら側の視点で読み進めていくので、 なんと崇高な魂!とか思うんだけど、 彼女が実在し、近くにいたなら、やっぱり変人としか思えないかもしれない。 妹や、夫の愛人たちが一様に感じる「不気味さ」は、女だから感じるものだろう。 (その証拠に、男たちは逆に、泉を「美しい」とさえ思うのだから) 女たちは、この無条件に清い精神を理解できない。 裏があるに違いないと思う気持ちは、非常によくわかる。 けっして、泉は幸せだったとは思えないが、 「一人宗教」とも言えるような、自分の中で昇華できるものを持っていたことは、 私のような薄汚い人間にとって、 とてもうらやましく思える。 だからこそ、最後の「三つ目のお願いごと」に涙してしまうんだ。
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何年待っただろう。長編で復活。おめでとうございます。 主人公「泉」の、はたから見れば一生灰かぶり姫的な生き様。 泣いた。ただまっすぐに生きる。お願い事の三つ目がもうダメだ。 人を妬まない人なんていないって。何度も読み返したい。
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好きなんです、この作家が。だからちょっとおまけの★5つ。地方都市では誰もが妹の練習台、できそこないといわれた泉、でも妹を知らないよその人たちから見れば美しく魅力的な泉。幼い頃からの育ち方なのか、自分の幸せに一見無関心な泉。多分彼女は一般的な意味での欲望とは放れている存在として書か...
好きなんです、この作家が。だからちょっとおまけの★5つ。地方都市では誰もが妹の練習台、できそこないといわれた泉、でも妹を知らないよその人たちから見れば美しく魅力的な泉。幼い頃からの育ち方なのか、自分の幸せに一見無関心な泉。多分彼女は一般的な意味での欲望とは放れている存在として書かれている。魅力的だ。あちこちに姫野流の哲学が書かれている。少し抜粋多数決というのは引き算だ。強い要素は排除される。強い要素はある人を強烈に惹きつけ、あるひとを強烈に反発させる。多数決では反発のないものが残る。人は不審の念をクリアに抱いたときにクリアな動作で電話帳の興信所欄を開くのである。愛されて育った者は、他人の、一抹の気遣いにさえ敏感に気づく才能が培われる。愛されて育たなかった者は、愛されて育った者を頭ごなしに妬み怒ることが多い。だがまれに、愛されて育った者の才能を、遠くから憧憬する者がいる。・・・・だから、「「他人の事故に対する気遣いに敏感に気づく才能」への敬い」は、換言すれば、淋しい才能である。しかし、愛されて育った者には、その才能が怖い。当然といえば当然である。愛されて育った者には、さびしさに対する鈍感さは、切っても殴っても倒れない強靭さに映るからである。泣いてしまいそうなフレーズだ。この姫野節があるから星5つになってしまう。特に後半はそんな文が多くてこの本を手元においておきたいと思うのだ。確かに泉は幸せだった。誰もが泉に好意を持っている。泉がもっと「標準的なガール」の要素を持ち合わせていたらいつでも一般的で標準的な誰もがすんなり認める幸せな姿を手に入れていただろう。そうではない、そんな必要がない泉という女性に私は惹かれる。この小説のプロローグに「シンデレラ」の物語はエグイ合戦物とある。姫野のそういう感じ方が好きだ。そんな人が書いた短くても幸福な人生を生きた女性なのに、三つ目の願いは悲しいなあ。追記翌日後半をもう一度読む。泉は幸せだったのか。3つ目の願いを考えた泉はどんなに辛かったか。「標準的なガール」の幸せを望まなかったのではない。ずっと早くから自分に対して諦観しかなかったのでは。泉をキレイと感じた人は内面を見る事のできた人たち。内面が美しいことは悲しい。やはりこの小説好きだなあ。
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2011.03.08. 泉(セン)は素敵な人だと思う。きっと美人(時代によるね)で、でも中身は朴訥で真面目でいい人なんだろう。人の記憶とは、曖昧なモノだ。読んでて、けっこう勇気づけられた。特に引用部分に。電車で読むのに、表紙がちょっと…という時があった(カバーかけろよ、という話だ...
2011.03.08. 泉(セン)は素敵な人だと思う。きっと美人(時代によるね)で、でも中身は朴訥で真面目でいい人なんだろう。人の記憶とは、曖昧なモノだ。読んでて、けっこう勇気づけられた。特に引用部分に。電車で読むのに、表紙がちょっと…という時があった(カバーかけろよ、という話だけど)。
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BSブックレビューで、中江さんが年間ベストに選んでいたので、 迷わず買いました。とてもステキな一冊でした。 「ステキ」とカタカナで評価するのが相応しく思います。 内容とは関係ありませんが、 回想と語りでフォントが違いました。 こういうのは、電子書籍では味わえない良さなん...
BSブックレビューで、中江さんが年間ベストに選んでいたので、 迷わず買いました。とてもステキな一冊でした。 「ステキ」とカタカナで評価するのが相応しく思います。 内容とは関係ありませんが、 回想と語りでフォントが違いました。 こういうのは、電子書籍では味わえない良さなんでしょうね。
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この本に感動する人はきっと不幸な人なんだろうなと思う。幸いな事に?自分は感動しなかった。50代以上の人生の垢にまみれ、が、一応人生を振り返る余裕持っており、自分の人生にある種の負い目を感じる誠実さを持つ人が感動するんだろう。かといって、浮世離れした多少の宗教臭さに違和感を示すのも...
この本に感動する人はきっと不幸な人なんだろうなと思う。幸いな事に?自分は感動しなかった。50代以上の人生の垢にまみれ、が、一応人生を振り返る余裕持っており、自分の人生にある種の負い目を感じる誠実さを持つ人が感動するんだろう。かといって、浮世離れした多少の宗教臭さに違和感を示すのも、哀れな人だと思う。物語は最後の最後まで、どうしようもない連中のどうでもいい人間模様が永遠と続き、人間のクズさを再認識する。総じて古臭く、説教臭い。で、主人公の存在感は薄い。が、ラストの主人公の「テン」の告白では若干の盛り上がりがある。ここは小林秀雄の「信ずる事と知る事」を髣髴とさせる。ここすんなりクリアできるか?何も感じないまたは否定モードになるか?で読者の人生も問われるんだと思う。
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<自分の周りにいる自分じゃない人にいいことがあったら、自分もうれしくなるようにしてください>人間の美しさは外見では無く、中身なのだと考えさせられる作品。今年の夏はハーレーで諏訪大社まで行きたいな。 っで、泉ちゃんは何処に行っちゃったの!?
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