百年の家 の商品レビュー
まず、絵の精緻さにうっとりする。 細かなところまでじいっと見つめてしまう。 ストーリーはバートンの『ちいさいおうち』を少し思い起こさせるような、家が語り手の百年の歴史。戦争の世紀だった20世紀だからこそ、楽しいことが描かれているページも、嵐の予兆に悲しくなる。そして徐々にさびれて...
まず、絵の精緻さにうっとりする。 細かなところまでじいっと見つめてしまう。 ストーリーはバートンの『ちいさいおうち』を少し思い起こさせるような、家が語り手の百年の歴史。戦争の世紀だった20世紀だからこそ、楽しいことが描かれているページも、嵐の予兆に悲しくなる。そして徐々にさびれていき……という展開に溜息がでてくる。人の生死、戦争、出会いと別れが、淡々と描かれている。 ただ、暗いだけではなく最後のページにはほっとします。ゆっくり最後まで読んでほしい絵本。
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2010年発表。 100年の家が見つめてきた人々の毎日を 詩情豊かに描いた絵本で、 2008年に小さなノーベル賞とも呼ばれる 国際アンデルセン賞を受賞した 『エリカ、奇跡のいのち』の ロベルト・インノチェンティの新作絵本です♪ 一軒の古い家が出会ってきた人々や歴史を まるで...
2010年発表。 100年の家が見つめてきた人々の毎日を 詩情豊かに描いた絵本で、 2008年に小さなノーベル賞とも呼ばれる 国際アンデルセン賞を受賞した 『エリカ、奇跡のいのち』の ロベルト・インノチェンティの新作絵本です♪ 一軒の古い家が出会ってきた人々や歴史を まるで自分史を語るように、 温かくも写実的な絵で 1900年から順に見せてくれます。 構図は常に 一定の視線から見た定点観測。 廃墟になっていた 山間にある石造りの家に人が集まり 家族が移り住むところから物語は始まり、 この家に住んだ人たちの 長い長い歴史が語られていきます。 優しい人々と共に作物を育てた あったかい時代。 結婚があり新しい命が生まれ そして誰かが亡くなり、 やがて大きな戦争が始まる…。 ページをめくるたびに時代が変わり、 その家に住む人々の生活も変化していく。 服装や時代の移り変わりに沿って 進化していく道具や井戸や畑の風景、家畜、自然のうつろいなど、 見るたびに新しい発見があり 飽きることなく その美しい絵に浸っていられます。 アメリカの詩人、J.パトリック・ルイスの文を訳した 同じく詩人の長田弘さんの重厚な文章が 物語をグッと引き締めています。 人が家に命を吹き込み 家が家族を見守る。 家と人が織りなす 100年の歳月を閉じ込めたストーリーに なぜだか涙が溢れてきました。 家とは 人がそこに住んでこそ、 生気を吹き込まれるものであり、 人が家に暮らす 普通の日々の積み重ねが 歴史を作っていくということを あらためて教えてくれた 本当に美しい絵本です。
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絵が素晴らしくキレイ! 購入をしました。本のタイトル通り、ある一軒の家の百年間をつづった絵本です。
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年を重ねる事によって、家が少しずつ変わっていく。それを見つけるのがとても楽しかった。絵はとても丁寧に描き込まれ、フランドル派の絵を見ているような感じもあって、じっくりと細部まで眼が離せない感じです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2011.1 「旅の絵本」や「ちいさいおうち」みたいなのを想像していたせいか、ちょっとイメージが違ったかな。そこに住む家族が、これは誰とはっきりわかる形で年をとっていく風だと私好み。
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表紙はちょっと重たい感じ。 この家の歴史を物語っているのですね〜 四季の移り変わりや人の一生を年月を刻みながら共に生きる家。 深いあじわいの絵本。
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行って戻って、なんどもページを繰ってしまう。 こまかい絵と、石造りの家が、自身の百年をぽつり、ぽつりと語っていくかのような文章(文の配置で、そんなイメージに)。 大判の本の重みまでが、「百年」という時の流れを伝えてくれる気がします。
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一つの家を主人公に、時間の流れを表現。 寂れている家、活気のある家、静まり返った家、戦争の避難所となる家、 旅立ちの家など様々に姿を替える家。
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少し暗い表紙。 本が重く感じるのはなぜだろう。 現在の日本の住宅は寿命が短いと言われている。 私たちの住む家は平均寿命が30数年だそうだ。 湿潤な気候や建築資材が主に木であることにも 起因していると思う。 もちろん、一番大きな理由は地震大国であるということだろう。 だが、歴史...
少し暗い表紙。 本が重く感じるのはなぜだろう。 現在の日本の住宅は寿命が短いと言われている。 私たちの住む家は平均寿命が30数年だそうだ。 湿潤な気候や建築資材が主に木であることにも 起因していると思う。 もちろん、一番大きな理由は地震大国であるということだろう。 だが、歴史的建築物が今も残っていることを考えたら、 100年の家というのはメンテナンス次第なのではないかとも思える。 結局は、そこに住む人間が家を愛しているかどうか、なのである。 この絵本の舞台は一軒の石造りの家。 長いあいだ人々の生と暮らしを見つめてきた。 戦争や人の死にも立ち会ってきた。 絵を見ているだけで、その長い年月が伝わってくるかのようだ。 最後のページの家は…幸せだったのかな。 幸せだったらいいな。。。
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