ダーウィンの夢 の商品レビュー
ユーモアと読みやすさ、正確さを兼ね備えた生命史のエッセイ風入門書。この手の本にありがちな著者独自の説があまり入り込んでいないところも好感が持てる(個人的には)。
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生命誕生から、カンブリア紀生命の大爆発、恐竜の絶滅、そして哺乳類の時代へと話は続いていく。だいたいどこかで読んだような話が多かったけれど、新たな知見を一つ。東大寺の大仏の横に8本あしのチョウがいる。昆虫は頭、胸、腹の3つの部分に身体が分かれているが、その胸は、さらに3つの部分に分...
生命誕生から、カンブリア紀生命の大爆発、恐竜の絶滅、そして哺乳類の時代へと話は続いていく。だいたいどこかで読んだような話が多かったけれど、新たな知見を一つ。東大寺の大仏の横に8本あしのチョウがいる。昆虫は頭、胸、腹の3つの部分に身体が分かれているが、その胸は、さらに3つの部分に分かれている。前胸、中胸、後胸。それぞれに一対ずつのあしが生える。だから合計6本あし。一方、はねはふつう中胸、後胸の2箇所からそれぞれ一対生えている。したがって、はねの枚数はふつう4枚。ハエやカなどは後胸のはねが変形してしまい、2枚ばねになっている。さて件の8本あしのチョウは、おそらく突然変異で、前胸が重複したと思われる。だからはねは4枚のままであしが8本生えている。本書を読んでいると、何と不思議な形をした生き物が多いことかと思う。しかし、よくよく考えてみると、われわれヒトの身体が生き物として最も標準的な形であろうはずがない。たまたま一番数多く目にするからふつうと思っているだけ。もっとも種数が多いといわれる昆虫の視点で考えれば、あしの数は6本が当り前。4本あしなんてはずかしい。ましてや、2本あしで歩いているなんて・・・てなことになるかも。そう考えると、色の違いや、宗教・思想の違いで争いが絶えないなんてなんとバカらしいことなんだろう。
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おもしろいけどわかりづらかった。新書らしく生物学の知見がない人間でももう少しわかりやすくしてくれると嬉しい。中盤から話についていけてない気がする。
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[ 内容 ] 主著『種の起源』出版から150年目の2009年、同書を新訳した気鋭のサイエンスライターが、ダーウィンの目を通して38億年の生命史を物語る。 150年間で大きく進展した遺伝学・発生学・分子生物学などの成果から分かった新事実を織り交ぜ、地球と生命の誕生から、カンブリア紀...
[ 内容 ] 主著『種の起源』出版から150年目の2009年、同書を新訳した気鋭のサイエンスライターが、ダーウィンの目を通して38億年の生命史を物語る。 150年間で大きく進展した遺伝学・発生学・分子生物学などの成果から分かった新事実を織り交ぜ、地球と生命の誕生から、カンブリア紀の爆発的進化、ヒトの来歴までをたどる。 ダーウィンが夢みた「我々はどこから来たのか?」への答えを探る旅。 [ 目次 ] 始まりの聖地巡礼―カンブリア紀「生命の大爆発」の眠る山 生命のゆりかご―海底から熱水の噴き出す場所で 交わるはずのない枝―原始生命体の進化 ギャップを埋める―アメーバは何を語るか カンブリア劇場―謎に満ちた生命の大爆発 無限の可能性を秘めた卵―エボデボ革命が明らかにしたもの メダカの学校―魚類の登場 とても長い腕―体内に刻まれる歴史 地を這うものども―新世界の誘惑 見上げてごらん―鳥が空を飛ぶまで 巡り来る時代―「もしかしたら」の世界 人類のショートジャーニー ダーウィンの正夢 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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スティーヴン・ジェイ・グールドの一連の作品を訳してきた渡辺政隆さんの『ダーウィンの夢』(光文社新書)読了。2009年に初版刊行150周年を迎えたダーウィンの『種の起原』をベースにしながらも、その後の研究、最新の知見を随所にとりこんで、38億年の生物進化の軌跡をたどる。 生命が誕...
スティーヴン・ジェイ・グールドの一連の作品を訳してきた渡辺政隆さんの『ダーウィンの夢』(光文社新書)読了。2009年に初版刊行150周年を迎えたダーウィンの『種の起原』をベースにしながらも、その後の研究、最新の知見を随所にとりこんで、38億年の生物進化の軌跡をたどる。 生命が誕生してから現在の姿に至るまで、乗り越えなければならない壁がいくつもある。 ①無機物から有機物へ 「生命を誕生させたたった一回の奇跡」はいつ、どこで起きたのか。「原始大気中の雷による放電説」「宇宙からの飛来説」、最近注目の「海底熱水噴出孔説」など。 ②無酸素(嫌気性)から有酸素(好気性)へ 原始大気には酸素がほとんどない。35億年前からいるらしいシアノバクテリアの光合成によって海水中の酸素濃度が増し、生命の維持に酸素を利用しない嫌気性細菌よりもはるかにエネルギー効率のいい好気性細菌が登場する。ちなみに、大気中の酸素濃度が増すのが27億年前。 ③原核生物から真核生物へ 核をもたない原核生物と、核・葉緑体・ミトコンドリア・ゴルジ体などの細胞小器官をもつ真核生物。真核生物は、複数の原核生物を細胞内に取り込む(共生する)ことで21億年前に誕生した(細胞内共生説)。 ④単細胞生物から多細胞生物へ 現生生物によるヒント。タマホコリカビ(細胞性粘菌類)は食物があるときはアメーバ状の単細胞、食物がなくなると集まって多細胞体となり、ナメクジのように移動してキノコのような形になる。キノコの先端から散布された胞子はふたたび単細胞となる。 ⑤無性生殖から有性生殖へ 現生生物によるヒント。タマホコリカビはデフォルトでは無性生殖だが、水につかるなど環境条件が悪化すると、異なるタイプの細胞同士が融合して一個の大きな細胞になる。アブラムシは通常は無性生殖で翅のないメスばかりを産んで急速に個体数を増やし、秋になるとオスとメスを産み分けて、受精によって産み落とされた卵が越冬する。ただし、有性生殖の優位性はまだ解明されていない。 ⑥生物の多様性(カンブリア紀の大爆発) 5億年前のカンブリア紀の大爆発によって、現在まで続くほぼすべての動物「門」が出そろう。「食べる側と食べられる側の攻防戦による軍備拡張競争によって生物の多様性が増す」。さらに「生き物が眼を獲得したことで、食う食われる関係をめぐる軍拡競争が一気に加速され、生物は多様性を爆発させた」(アンドリュー・パーカーの「光スイッチ説」。『眼の誕生』も渡辺さんの訳書です)。 ⑦進化を可能にするメカニズム(エボデボ革命) 魚のエラを支えていた骨が変形して口になり、その一部がさらにアゴになる。胸びれが前アシに、肺がウキブクロに形を変える。「進化とはありあわせの材料の使い回しに似ている」のだ(フランスの分子生物学者フランシス・ジャコブは「進化のブリコラージュ(器用仕事)」と表現した)。ありあわせの材料(同じ遺伝情報)が別々の形に育つのは、細胞の形を決める遺伝子のスイッチを入れたり切ったりするホメオティック遺伝子が存在するから。 DNAの小さな変化が大きな形態の違いを生み、生態系の中でニッチを見つけることができた生物が生き残る。しかし、一度分岐した系統はもとには戻れないから(細菌は除く)、ある環境に最適化した生物種は、環境の激変に耐えられずに絶滅をくりかえす。生命の歴史って、本当におもしろい! 渡辺さんは同じく光文社の古典新訳文庫で『種の起原』を訳しているようなので、こちらも読んでみようかな。本書でも随所で引用されているその文章が読みやすいので、きっとこちらも読破できそうな予感がする(笑)
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ダーウィンが進化論を記してから150年。その後の遺伝学、発生学、分子生物学の発展によって人類誕生への道程が明かされてきた。カンブリア紀の爆発的進化、奇妙なバージェス動物たち、人類の大陸間の大いなる旅など、この分野は本当に楽しい。世界にこれほど多様な生物が溢れていることの不思議さに...
ダーウィンが進化論を記してから150年。その後の遺伝学、発生学、分子生物学の発展によって人類誕生への道程が明かされてきた。カンブリア紀の爆発的進化、奇妙なバージェス動物たち、人類の大陸間の大いなる旅など、この分野は本当に楽しい。世界にこれほど多様な生物が溢れていることの不思議さにただ驚くばかり。気軽に読める科学エッセイ。
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(2010.04.15読了) 光文社のPR誌「本が好き!」に2009年3月号から連載した時のタイトルは、「生命36億年の旅―進化の物語を紡ぐ」でした。(たまたま、その雑誌が僕の手元にあります。「本が好き!」は、2010年1月号で、休刊になりました。「本が好き!」の2009年11月...
(2010.04.15読了) 光文社のPR誌「本が好き!」に2009年3月号から連載した時のタイトルは、「生命36億年の旅―進化の物語を紡ぐ」でした。(たまたま、その雑誌が僕の手元にあります。「本が好き!」は、2010年1月号で、休刊になりました。「本が好き!」の2009年11月号には、著者と萩尾望都さんの「進化の不思議」という対談が掲載されています。) 元のタイトルの方が「ダーウィンの夢」よりは、本の内容をよくあらわしていると思うのですが、人の興味をひいて手に取ってもらうには、「ダーウィンの夢」というような、「ダーウィン」と言う誰でも知っている名前を入れた方が有利なのでしょう。 「ダーウィンの夢」は、生物の進化を裏付ける化石が見つかって、生命の系統樹が明らかになることなのでしょう。 著者は、この本で生命の誕生から人間(ホモ・サピエンス)に至るまでの生命の歴史を化石および現在まで生き延びている生物を例に挙げながら一通りたどって見せてくれます。ところどころにダーウィンがどう考えていたかを挟み込んでいます。 ●生命の歴史(30頁) 地球が誕生したのは今から46億年前。そして生命が誕生したのはおそらく38~36億年ほど前のことである。「カンブリア紀の爆発」で硬い殻をもつ多様な生物が突如爆発的に登場したのが5億4千万年ほど前、陸上植物の出現は4億数1千万年前のことだった。4つ足の脊椎動物が上陸したのは3億7千万年前、恐竜と原始的な哺乳類の出現は2億3千万年前。6550万年前には恐竜が忽然と姿を消した。最初の人類(猿人)が登場したのはおよそ700万年前、現在の人に当たるホモ・サピエンスの登場はたかだか20万年前ほど前のことだ。 (ホモ・サピエンスは20万年前でしかなかったとは知りませんでした。) ●クイズ(35頁) 地球上のあらゆる生命にとって必要なものは、①酸素、②太陽光、③水のうちどれでしょう。(答えは、本を読んでください。) ●生命の誕生(40頁) その① 雷による放電説 原始地球の大気を構成していた気体の分子から、雷の放電によって有機物が生成された その② 宇宙からの飛来説 隕石や彗星に有機物が乗って宇宙から飛来し、それを元にDNAが生成された その③ 熱水噴出孔説 硫化物を大量に含むせいでまるで黒煙のように見える熱水を噴き出している、ブラックスモーカーと呼ばれる海底の熱水噴出孔で有機物が生成された ●最古の生物化石(53頁) これまでに見つかっている最古の生物化石と思しきものは35億年前のもので、現在のシアノバクテリア(藍藻類)と呼ばれる細菌に似ている。 シアノバクテリアは、岩などの表面にマット上のコロニーを形成し、光合成によって酸素を発生する。 ●エディアカラの園(81頁) 肉眼サイズの動物化石が見つかるのは、今からおよそ6億年前の地層からなのだ。 エディアカラから見つかる動物群は、目も口も見当たらず、海底に押しつけられたパンケーキかエアマット状のもの、あるいは海底から立ち上がった羽状のものでいずれも奇妙なものばかりである。現生動物のどの枠組みにも収まらない。 ●バージェス動物群(13頁) 今から5億4200万年前、カンブリア紀になった途端、硬い殻をもつ様々な種類の動物(バージェス動物群)が突如として出現した。 ●鳥類と爬虫類の中間種(168頁) なぜ中間的な種類は見つからないのか。ダーウィンは、中間的な移行種はそもそも個体数が少なかったから、化石が見つかる可能性も少ないと考えていた。 (1860年、始祖鳥の化石が見つかったけど、進化論を否定するオーエンが確保してしまった。) ●恐竜温血説(176頁) 温血性であった恐竜は、小型化すると同時に、体表からの熱の発散を防ぐ毛皮のようなものを獲得しなければならなかった。そこで獲得したのが羽毛である。羽毛は、哺乳類の体毛とは異なり、爬虫類の鱗と起源を同じくするものなのだ。羽毛を獲得した小型肉食恐竜は、やがて翼を獲得し、空を飛べるようになった。それが始祖鳥である。 著者 渡辺政隆(わたなべまさたか) 1955年1月生まれ 東京大学大学院修了 サイエンスライター 独立行政法人科学技術振興機構科学コミュニケーションエキスパート 専門は科学史、進化生物学 (2010年4月19日・記)
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本来は『種の起源』を読んでいたほうが理解は深まると思うのですが、 そんなに多くの人が読んでいるとは思えないので、 入門書が欲しい、というような方にはいいと思います。 ただ、私自身は先に同書を読んでしまっていたので、 なんとなく物足りない気持ちになりました。笑 私はこの本を読...
本来は『種の起源』を読んでいたほうが理解は深まると思うのですが、 そんなに多くの人が読んでいるとは思えないので、 入門書が欲しい、というような方にはいいと思います。 ただ、私自身は先に同書を読んでしまっていたので、 なんとなく物足りない気持ちになりました。笑 私はこの本を読むとき、もっと言えば、 こういった「理系学問系の本」(正確には学術書というには程遠い)を読む時に心がけていることがありまして、 「常に一見関係なさそうな学問分野、現実世界に照らし合わせて考える」というものです。 だいたい1冊につき5つぐらいしっくりくるものが見つかるのですが、 今回もいくつかありました。 ・生物に見る科学的真理の適用 ちょうどこの本と同時に読んでいた雑誌にも、同じようなことを感じました。 cf:『Newton 4月号』P5 [粘菌に学ぶ効率的な輸送網] まだ売っていると思うので、その部分だけ立ち読みすると面白いと思います。 動物界・植物界におけるいわゆる「摂理」は、現実世界においても真理と成り得ることが多いと思います。 Newtonの例はまさにそう。 35億年前から着々と進化(チャールズ・ダーウィンの言う[Modification])してきた生物行動は、 視点を変えると現実世界に既に息づいている、もしくは適用できる。 例えば真正粘菌の習性。 これは最も効率的な鉄道網の構築に非常に影響力をもっています。 そんなことをいくつも感じることができる本でした。 ・The Economy of Natureの中でNicheに向かうことでModificationが起きる なんかルー語みたいになってますが笑、ダーウィンの言葉を借りるとこうなるのです。 ダーウィンの敵でもあり、また知己の仲でもあるリチャード・オーエンはこの説に真っ向勝負を挑んだわけですね。 有名な「自然淘汰説」は言い換えると上記のような言葉になります。 ここから学べることは、目的論的発想と手段論的発想の明らかな差異です。 恐竜という爬虫類は、空を飛ぶために鳥類へとModifyされたのか。 もしくは羽という器官が構築されたことで鳥類へとModifyされたのか。 これは就職活動中の学生にとっては、誰もが考える事ですよね。 仕事は目的なのか、手段なのか、とか。 でもそれよりも遥かにシンプルで、かつ遥かにクリエイティブな考え方が、 生物学(正確には進化発生学)には存在していたことに気づきました。 ・現代人にとって大きく欠落したものはCreativityだという再認識 35億年前のシアノバクテリア席巻時代は置いておいて、 数世紀前のC.D.ウォルコット、C.ダーウィン、R.オーエンは、 非常に精巧かつ健美で、また非常に人間的な想像力を持った偉人だと思います。 現代のどんなビジネスマンの本を読んでも、 どんな学者の本を読んでも、 その先見性や斬新さに感銘を受けることはもちろんありますが、 これほどの絶大なる想像力を感じることができたのは初めてでした。 彼らの考えていること、発表することは、全てにおいて魅力的で、 また一方で非常に学術的。 そんな人間は現代に多くはいないと思います。 姜尚中にしろ小宮山宏にしろ原研哉にしろ。 もちろん過去にも多くはなかったと思いますが、 そのレベルの違いを感じました。
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