1,800円以上の注文で送料無料

創るセンス 工作の思考 の商品レビュー

4

58件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    20

  3. 3つ

    11

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2011/05/23

決して小難しいことが書かれているわけではないのに、読了するのに少し時間がかかったのは、読んでいる最中に、自分の思考が脱線し始めるからだと今なら気付ける。 書かれた言葉によって刺激された脳みそのどこかが、急に周りを囲っていた柵を取っ払い始めるような。道もないような道を、思うがままに...

決して小難しいことが書かれているわけではないのに、読了するのに少し時間がかかったのは、読んでいる最中に、自分の思考が脱線し始めるからだと今なら気付ける。 書かれた言葉によって刺激された脳みそのどこかが、急に周りを囲っていた柵を取っ払い始めるような。道もないような道を、思うがままに走っていくような。言葉にするほど明確ではないのに、本の文字を脳みそにインプット出来ないほどにはエキサイティングな感覚。 作者が作り上げた世界に読者を引きずり込むのも才能かもしれないけれど、作者の言葉によって、自らの支配から自分を解放する機会というか刺激を与えられるのも、また、素晴らしい才能だと思う。 森博嗣が「僕は本当に工作が下手くそで」と書くたびに、なんだか泣きたくなった。

Posted byブクログ

2011/04/09

読んでいて色々なことを考えるが、結果的に自分でものを作りたいという好奇心が湧き上がってくる。ロボットコンテストを単なる「青春ドラマ」として紹介していまうことは、本質から外れているということ、これには共感しました。感情論より技術。

Posted byブクログ

2011/03/05

森先生の工作論。この人の小説が好きでずっと読んでいるが、小説以外を読むのは初めて。本書はタイトルに魅かれて購入。本当に工作が好きな人とはどういう人なのかというのが良く分かった気がする。 4章以降が特に面白く、○○のような子供に育てたかったら、まず自分が○○のような人間になり、そ...

森先生の工作論。この人の小説が好きでずっと読んでいるが、小説以外を読むのは初めて。本書はタイトルに魅かれて購入。本当に工作が好きな人とはどういう人なのかというのが良く分かった気がする。 4章以降が特に面白く、○○のような子供に育てたかったら、まず自分が○○のような人間になり、その姿を見せることが大事というのは凄くしっくりきた。これは当たり前のようで難しくもあり、まずは自分が楽しく生きていくことが重要なのだろう。 また、森先生は自分の小説家としての創作が成立したのは、あまり小説を読まないで生きてきたからだと語っている。詳細は省くが、多くの小説を読むことで発想できるオリジナリティが狭くなっていく、他ジャンルに新しい視点や切り口を探しに行くべきだと述べている。これについては最近似たような話をたまたまとある講演会で聴いた。講師は都市デザインの先生であったが、近代都市計画の理論を作ったのは、建築出身でも都市工学出身の人ではなく、生物学者や青年実業家だったと。そしてこれからも違うバックグラウンドを持った人が新しい発想で21Cの都市デザインを担っていくのではないかと。確かにこれらの話は一理あると感じた。同じ分野だけ学んでいると、本人は意識せずとも、その分野での常識が発想の根底に根付いてしまうのだろうか。何にせよオリジナリティを出すことは難しいことである。

Posted byブクログ

2011/02/22

ベストセラー作家の研究者としての育児哲学。子どもにはいろんな体験させるためには親が何かに夢中にならないとね。共感しました。

Posted byブクログ

2011/01/30

どんな物体であっても、計算通りにものが出来上がることは奇跡だといって良い。 要するに、技術というのは、この様な自然のばらつきを知ることであって、人間や生物と扱うことと全く同じなのだ。違いがあるとすれば、ばらつきの大きさの差異だけである。 著者ならではの鋭い考察。

Posted byブクログ

2010/12/02

物を作ることに携わると身として、共感できることはとても多い。同時に、自分の甘さも痛感させられる。これを起点に、自分の意見を考えなければいけないけれど、どうもそこまでたどり着けない。

Posted byブクログ

2010/10/27

手を使って何かを作り出す、というところから始まるいろいろな感覚が 今どんどん失われていることに対する痛切な危機感。 私もよっく分かる。 手先で覚えて行く、身体が考える、試行錯誤の中に道を作る、 失敗しても視点を変えて工夫していくと思いもよらない場所にたどり着く。 そこに正解や終わ...

手を使って何かを作り出す、というところから始まるいろいろな感覚が 今どんどん失われていることに対する痛切な危機感。 私もよっく分かる。 手先で覚えて行く、身体が考える、試行錯誤の中に道を作る、 失敗しても視点を変えて工夫していくと思いもよらない場所にたどり着く。 そこに正解や終わりはない。 でも確実に自分のキャパが広がっていく。 モノを作れば簡単に分かることだ。 でもモノを作らない頭でっかちには、永遠に分からない。 http://takoashiattack.blog8.fc2.com/blog-entry-1572.html

Posted byブクログ

2010/12/18

「工作」って、ただ「モノを作る」だけじゃないんだ。という事に納得させられた一冊。圧巻だった。 常々、最近モノを作っていないな…とは思っていたが、これを読んだら作らずにはいられない。 細かいレビューはまた後日…。

Posted byブクログ

2010/09/10

「工作」を広い意味で捉えた思考には、頷くところが多々ある。子育てにも触れていて、子育て=自分育てってことなのかなと。読み終えて頭がスッキリした。

Posted byブクログ

2010/09/05

筆者は50代だが子供の頃から親しみ、今も人生の中で大きな部分を占めている「工作」を通じて、ものづくりの未来を考察する。建築工学の大学教授、ベストセラー作家の二足のわらじを履く筆者だが、独自のものの見方が面白い。工作というのは設計図通りに作れば完成するものではなく、予想外のズレや捻...

筆者は50代だが子供の頃から親しみ、今も人生の中で大きな部分を占めている「工作」を通じて、ものづくりの未来を考察する。建築工学の大学教授、ベストセラー作家の二足のわらじを履く筆者だが、独自のものの見方が面白い。工作というのは設計図通りに作れば完成するものではなく、予想外のズレや捻れなど作ってみなくては分からない事がしばしば起こり、いちいち工夫して何とか完成させるもの。だが、近年の大学生や技術者は工作の経験がなく、現場での対応ができないという。下請けの町工場で受け継がれてきた技術の伝承がなくなろうとしている今、ものづくりの未来が心配になる。またものづくりだけではなく、あらゆる職業、人生にも普遍的に必要な創造性を育む意味で、工作というものを見直す必要がある。

Posted byブクログ