広報室沈黙す の商品レビュー
80年代の小説なので、古さは感じます。 仕事の関係者を実家に泊めたり、就業後に家に仕事の電話をしたりと、今では考え辛いのではないでしょうか。ただ、カリスマ経営者が会社を私物化するのは現代でも見られることで、変わらない人間の業を感じました。 本書を読んだ学びとしては、 ・コーポレ...
80年代の小説なので、古さは感じます。 仕事の関係者を実家に泊めたり、就業後に家に仕事の電話をしたりと、今では考え辛いのではないでしょうか。ただ、カリスマ経営者が会社を私物化するのは現代でも見られることで、変わらない人間の業を感じました。 本書を読んだ学びとしては、 ・コーポレート・ガバナンスの大切さ ・ミドルマネージャーの苦悩 でしょうか。 主人公が新聞記者と上司の板挟みになるシーンは読んでいておなかが痛くなりました。 またミステリー的な面白さもあり、楽しかったです。 何度か出てくる山本五十六の名言が沁みる作品です。単純な勧善懲悪ものではないのが、リアルでした。
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安田火災をモデルにした小説。 高杉良は虚構の城に続いて2作目ですが、 モデルがあるだけにリアリティがあるものの・・・。 一つは昭和55年と平成の現代との時代の違い、というものがあるかもしれない。 また高杉良の小説に出てくる人物が割とワンパターンな点も気になる。 とはいえ...
安田火災をモデルにした小説。 高杉良は虚構の城に続いて2作目ですが、 モデルがあるだけにリアリティがあるものの・・・。 一つは昭和55年と平成の現代との時代の違い、というものがあるかもしれない。 また高杉良の小説に出てくる人物が割とワンパターンな点も気になる。 とはいえ、広報パーソンならば読むべき一冊なのは間違いない。(2010.7.31)
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昭和30年代後半の安田火災海上保険をモデルとした経済小説。 長らくトップに君臨する帝王がいる大企業で新しく広報課長に着任した30代後半の社員の奮闘を描く。ワンマン経営下での不透明な人事。それを嗅ぎつける新聞・経済誌記者の矢面に立つ主人公。社内と社外の板挟みに苦しむ場面のオンパレー...
昭和30年代後半の安田火災海上保険をモデルとした経済小説。 長らくトップに君臨する帝王がいる大企業で新しく広報課長に着任した30代後半の社員の奮闘を描く。ワンマン経営下での不透明な人事。それを嗅ぎつける新聞・経済誌記者の矢面に立つ主人公。社内と社外の板挟みに苦しむ場面のオンパレードは読んでいるこちらが胃が痛くなる。 広報マンを詳らかに描いた小説は珍しいが、読者を引き込む経済小説の巨匠の文才はさすが。
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『#広報室沈黙す』 Day423 昭和50年代、損保が21社もあった時代の話。 携帯もない。会社の金でズブズブ接待。 上場企業の部長クラスともなれば銀座に一軒、ママを囲えたという時代の、某大手損保トップ人事を巡る社内構想劇。 舞台設定だけ見ると、もはや洋服を着た時代劇に近い...
『#広報室沈黙す』 Day423 昭和50年代、損保が21社もあった時代の話。 携帯もない。会社の金でズブズブ接待。 上場企業の部長クラスともなれば銀座に一軒、ママを囲えたという時代の、某大手損保トップ人事を巡る社内構想劇。 舞台設定だけ見ると、もはや洋服を着た時代劇に近い観があるが、やっていることは変わらないおかしさと、サラリーマンの悲哀。 小説なので長々書くのは野望だけれど、オジさん世代なら、無茶苦茶、感情移入出来ること請け合い。 https://amzn.to/2SZTUF1
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世紀火災海上保険の新任広報課長木戸が、社内の会長・社長含む役員ラインの体裁や私欲に翻弄されながらも広報マンとして奮闘する。社内の調整、社外の記者対応に土日昼夜問わず苦労する主人公の働きを見ていると自分の苦労は何てことないなと思える。 「男の修行」 苦しいこともあるだろ 云いたい...
世紀火災海上保険の新任広報課長木戸が、社内の会長・社長含む役員ラインの体裁や私欲に翻弄されながらも広報マンとして奮闘する。社内の調整、社外の記者対応に土日昼夜問わず苦労する主人公の働きを見ていると自分の苦労は何てことないなと思える。 「男の修行」 苦しいこともあるだろ 云いたいこともあるだろう 不満なこともあるだろう 腹の立つこともあるだろう 泣きたいこともあるだろう これらをじっと こらえてゆくのが 男の修行である by 山本五十六元帥
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面白かった 大企業の権力に翻弄されるサラリーマン 程度の差こそあれ、時代は変わってもこういうのありそう 木戸はどうする?という、正しい目線を忘れないようにしたい
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初版が1984年の10月なので、この本が世に出たのはもう35年以上前の話にはなるが、ビジネスパーソン、とくに広報関係者には読み継がれている一冊であるとのこと。 読み進めていくと確かにインターネットやメール、ケータイ、スマホといった今では当たり前のものが登場することはなく、また、...
初版が1984年の10月なので、この本が世に出たのはもう35年以上前の話にはなるが、ビジネスパーソン、とくに広報関係者には読み継がれている一冊であるとのこと。 読み進めていくと確かにインターネットやメール、ケータイ、スマホといった今では当たり前のものが登場することはなく、また、今ではコンプライアンスやグローバリズム、ジェンダー的な価値観がすすんでいることもあり、現在のビジネスの現場から見ると多少の違和感を感じてしまうことはやむを得ない。この部分は当時の時代の描写、として割り切ってしまうのが良いだろう。 ただ、それでも、社内政治や人物心理・立ち振る舞いにに関わる描写は、いま現在のものと言っても全く違和感を感じさせることはなく「ああ、人間ってテクノロジーが変化しても全く変わらないものなんだなぁ」ということを感じずにはいられなかった。 実地としての教科書としては、『「危機管理・記者会見」のノウハウ(佐々淳行)』など実用的な本もあり、広報に興味がある人はそれらと合わせて読んでおくことも有用かと思う。
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メガ損保会社を舞台に、経営幹部の企業私物化を描く。中間管理職の広報マンを主人公に描くことにより、組織の論理と社会の論理の乖離を上手く伝えている。山本五十六元帥の言葉や取り巻く人物の描写が自然に表現されているところに引き込まれていく。ヒトの欲望や体裁、プライド、、人間の生臭さを積み...
メガ損保会社を舞台に、経営幹部の企業私物化を描く。中間管理職の広報マンを主人公に描くことにより、組織の論理と社会の論理の乖離を上手く伝えている。山本五十六元帥の言葉や取り巻く人物の描写が自然に表現されているところに引き込まれていく。ヒトの欲望や体裁、プライド、、人間の生臭さを積み上げたところにリアリティを感じさせる。
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いかにも日本企業ではないか、と思ったが、よくよく考えるとどこでも一緒かなという気がする。そういう意味では、昔の話だなというのも違って、根っこのところじゃ今の会社だってこういうことは茶飯事だろう。内紛ネタなんて、雑誌によく書いているもんなあ。 主人公の木戸は、鈍くさいような気もして...
いかにも日本企業ではないか、と思ったが、よくよく考えるとどこでも一緒かなという気がする。そういう意味では、昔の話だなというのも違って、根っこのところじゃ今の会社だってこういうことは茶飯事だろう。内紛ネタなんて、雑誌によく書いているもんなあ。 主人公の木戸は、鈍くさいような気もしてしまう。清水室長のような立ち振る舞いや気配りにあこがれるかな。自分は木戸以上に鈍くさいのだけれど。清水のような細かい気配りができる人になりたい。(ようで、なりたくないような)
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新宿に本社を置く損保大手世紀火災の役員人事にまつわるゴタゴタを、広報室目線で描いた小説。広報業務とは無縁なものの、親近感の湧く内容であった。
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