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プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 の商品レビュー

4.1

25件のお客様レビュー

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2024/02/04

◯ 宗教改革のもたらしたもの、とくにルターの業績のうちで後世に最大の影響をもたらしたものの一つが、世俗の職業生活にこのような道徳的な性格をあたえたことである(150p) ◯ 神から目に見える形で祝福を与えられているという意識をもって、営利活動に従事することができたし、そうすべき...

◯ 宗教改革のもたらしたもの、とくにルターの業績のうちで後世に最大の影響をもたらしたものの一つが、世俗の職業生活にこのような道徳的な性格をあたえたことである(150p) ◯ 神から目に見える形で祝福を与えられているという意識をもって、営利活動に従事することができたし、そうすべきだったのである。(480p) ◯ かつては修道院の小さな房のうちで行われていた禁欲が、現世の職業生活のうちに持ち込まれ、世俗内的な倫理を支配するようになった。(492p) ★各所で名著として紹介されている本書だが、私には難しすぎた。カルヴァン派、敬虔派、ルター派など、キリスト教の宗派に関する知識が必要だし、文章も難解だった。 ★宗教に対する解釈によって、欧米の経済の発展のあり方も大きく変わったのだ、ということだけはわかった笑

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2023/03/23

昔、岩波文庫で読もうとして、あまりに難しさ(?)にまいって、ざっと斜め読みすることになったが、資本主義ってなんだろうと改めて考えるにあたって、再チャレンジ。 中山元さんの訳文は、圧倒的に読みやすくて、なんかやっと議論についていくことができる感じがした。 一方、この本の面倒さ、...

昔、岩波文庫で読もうとして、あまりに難しさ(?)にまいって、ざっと斜め読みすることになったが、資本主義ってなんだろうと改めて考えるにあたって、再チャレンジ。 中山元さんの訳文は、圧倒的に読みやすくて、なんかやっと議論についていくことができる感じがした。 一方、この本の面倒さ、読みにくさの一つは、本文以上に膨大な注釈の存在で、これを読もうとするともともとの議論の流れがわかりにくくなることから来ている。それはもともと原著がそうなっているので、仕方がないのだが、この本をしっかり理解するためには、まずは本文を通読して、次に注も読みながら、再読、再再読する必要がある気がした。 また、キリスト教に詳しくない私にとっては、カトリックとプロテスタントの違いもあまりわかっていないところで、プロテスタントのなかのルター主義、カルバン主義、ピューリタンなどの関係もわからないし、さらにその下の宗派の違いになると頭がボーとしてくるというのも難しさの要因である。 まあ、要するにマルクス的な経済というか、生産様式として下部構造が社会の仕組みや文化などの上部構造を規定するというアイディアへのアンチテーゼとして、宗教の違いが経済に影響を与えるという話しです。 でもそんなことは、この本を読む必要もなく、資本主義に関する本を読めば、どこにでも書いてあること。 この本を実際に読んでみると、ウェーバーの議論は、単純に、マルクスの図式をひっくり返すというものではなく、わりと複雑である、という印象をうけた。 この複雑性に付き合って、なんだかよくわからないと行きつ戻りつすることに、この本を読む意味があるのかなと思った。

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2023/02/27

 過去に何度か挫折したが、今回やっと全てを読み通すことができた。資本主義社会を知るために、『資本論』と並行して本書を読み進めたが、高校世界史、倫理に記載されないキリスト教の宗派が次々と登場し、途中で投げ出したくなったが、そこは耐え忍んだ。とはいえ最後まで読み通せたものの、全体的に...

 過去に何度か挫折したが、今回やっと全てを読み通すことができた。資本主義社会を知るために、『資本論』と並行して本書を読み進めたが、高校世界史、倫理に記載されないキリスト教の宗派が次々と登場し、途中で投げ出したくなったが、そこは耐え忍んだ。とはいえ最後まで読み通せたものの、全体的に理解できたかいうと正直自信はない。ただし、自分にはあまり馴染みのない「宗教」という概念が、他国では社会全体、個人を根本的に変化させるほどの力があることが伝わってきた。キリスト教圏と日本で、仕事、職業の向き合い方が根本的に異なることがわかってきた。今後もおそらく読み返すだろうが、次に読むときには、キリスト教の歴史を詳細に知ったうえで、この本に向き合いたいと思う。

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2023/01/23

図書館で借りた。 100年前の名著。よくクイズの答えになったりして印象に残っていたタイトル。 ざっくりした内容としては、資本主義とプロテスタントって相性良いけどそれはなぜか、っていう分析。 さすがに小難しい文体が並ぶ。私は自分なりに脳内変換しながらさくっと読んでみた。 著者のマ...

図書館で借りた。 100年前の名著。よくクイズの答えになったりして印象に残っていたタイトル。 ざっくりした内容としては、資本主義とプロテスタントって相性良いけどそれはなぜか、っていう分析。 さすがに小難しい文体が並ぶ。私は自分なりに脳内変換しながらさくっと読んでみた。 著者のマックス・ヴェーバーもプロテスタントで資産家出身。なので少し"俺つえー"を感じた。 ここ最近も社会学者がメディアで派手にコメントしている印象があるが、100年前も変わらないのかな、なんて思ったりした。

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2020/08/23

再読。やっぱり難解。 読み終わって気がついたが、本文-注釈-訳注を行きつ戻りつするのが正しい読み方だったようだ。 中学・高校の授業では単純な「カトリックvsプロテスタント」の図式で理解していればよかった構造が、ここまで細かい差異があるとわかり、宗教対立の根深さの片鱗を見た。 ...

再読。やっぱり難解。 読み終わって気がついたが、本文-注釈-訳注を行きつ戻りつするのが正しい読み方だったようだ。 中学・高校の授業では単純な「カトリックvsプロテスタント」の図式で理解していればよかった構造が、ここまで細かい差異があるとわかり、宗教対立の根深さの片鱗を見た。 教祖の解釈と宗派の教義の違い、ドイツ、オランダ、イギリス、アメリカの違い、「人」による魂の救済の是非、他者への態度、修道士としての禁欲生活と日常生活の上での禁欲... プロテスタンティズムの倫理が生み出した資本主義の精神は世界を囲う「檻」として完成してしまった。日曜日を残念に思い、労働ができる月曜日を待ち遠しく感じる一握りの「異常者」は、今や世界の0.1%として残り99.9%を搾取する「勝ち組」となった。 現世のため、社会のためにときに勤勉に働き、ときに余暇を楽しむ人間的な生活を、終わることのない競争とマウンティングだらけのグローバル資本主義世界に叩き落とした原因をつくったプロテスタンティズム=キリスト教原理主義。本当に迷惑な存在だ。

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2020/05/06

プロテスタンティズムの「禁欲倫理」から、近代資本主義が生まれたとする。 宗教と労働、資本主義の関係性を解説した書籍。 ーーーー✂ーーーー ドイツでは、経済的に発達した地方でプロテスタンティズムが信仰された。 プロテスタンティズムとその信徒の特徴は以下。 ・私的な生活から公的な...

プロテスタンティズムの「禁欲倫理」から、近代資本主義が生まれたとする。 宗教と労働、資本主義の関係性を解説した書籍。 ーーーー✂ーーーー ドイツでは、経済的に発達した地方でプロテスタンティズムが信仰された。 プロテスタンティズムとその信徒の特徴は以下。 ・私的な生活から公的な領域まで、広く信徒の生活を規制する。 ・教育熱心で、高等教育を受ける人の比率が高い。 ・近代資本主義との親和性が高い。信者の大多数が商人層の出身であり、傑出した実業家も誕生している。 ベンジャミン・フランクリンは「正直であること/勤勉であることは、信用を築く上で有益だから、美徳である」とした。 こうした功利主義的な「倫理」の最高善は、あらゆる享楽を退けて「金を儲けること」にある。「利益の獲得」が人生の目的とされる。 資本主義的な実業家は、不必要な支出を嫌い、社会的な名声を誇示することも喜ばない。彼らは「天職を遂行」すべきであるという感情を持っているだけ。 「天職(ベルーフ)」という思想は、マルティン・ルターによる宗教改革の産物。 この時「職業は神から与えられた使命である。世俗的な職業に従事し、その義務を果たすことが、道徳的な実践活動そのものである」として、最高のものと評価されるようになった。 イギリスの「ピューリタニズム(清教徒主義)」では、富を得て怠惰になること、時間を浪費することは、重い罪とされる。 1時間を失うことは、神の栄光を高める仕事の時間が1時間失われたことになる。 だから、絶えず厳しい労働をすることを勧める教えが説かれる。 近代の資本主義の精神を構成する本質的な要素の1つは、「天職」という観念を土台とした合理的な生活態度。 この態度は、キリスト教的な禁欲から生まれたもの。

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2019/11/23

プロテスタンティズムねは禁欲的な倫理が、資本主義におよぼした影響を考察したすごい本。 宗教と経済の関係性を考えさせられた。 このプロセスがあるから外国は大学等に寄付というのが、多いのだろうか。 よくわかんない所も多かったけど、面白かった。

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2014/03/01

文句なしの名著。 前半で、ルターがべルーフという言葉を職業として使い始めたというくだりは、一体何がいいたいのだろうと思っていた。 しかし後半に入り、そうした土台も含めてプロテスタンティズム(ここでは代表としてピューリタニズム)が現代の資本主義の精神を形成していく過程では、その鮮や...

文句なしの名著。 前半で、ルターがべルーフという言葉を職業として使い始めたというくだりは、一体何がいいたいのだろうと思っていた。 しかし後半に入り、そうした土台も含めてプロテスタンティズム(ここでは代表としてピューリタニズム)が現代の資本主義の精神を形成していく過程では、その鮮やかすぎる分析に敬服するばかりであった。 そして、現代(当時はまだ20世紀初頭だが)になるにつれ、その宗教性が薄れたり、富の蓄積による誘惑の増加といった矛盾が現れるにつれて顕在化してくる問題についても適確に見通している。 その忠告が帯にもある、「精神のない専門家、魂のない享楽的な人間。この無にひとしい人は、自分が人間性のかつてない最高の段階に到達したのだと、自惚れるだろう」という締めの言葉につながっている。 いずれにせよ、自分の性格や信条との共感も含めて、自分が今まで読んだ本の中で間違いなくトップ3に入る名著であった。

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2014/01/18

資本主義の起源をプロテスタントの職業倫理の中に見出すという理論を展開する社会学者ウェーバーの有名な著書。著者も言及しているように、あくまで宗教的な影響が資本主義の出自にどの程度寄与しているかを考察しているに留まり、資本主義の本質の一端を明らかにしたに過ぎない。また肝腎の、当初神へ...

資本主義の起源をプロテスタントの職業倫理の中に見出すという理論を展開する社会学者ウェーバーの有名な著書。著者も言及しているように、あくまで宗教的な影響が資本主義の出自にどの程度寄与しているかを考察しているに留まり、資本主義の本質の一端を明らかにしたに過ぎない。また肝腎の、当初神への信仰から産まれた資本主義の精神がその後いかにして世俗的で現世的なそれへと移行していったかについては詳らかでない。あまりにも議論されてきた理論で新鮮味に欠けるけれどやはり鋭い着眼点と意外性のある結論においては傑出している理論なのかも知れないと思った。

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2013/09/08

すべてのキリスト者にたいして、できる限り多くの利益を獲得するとともに、できる限り節約するよう戒めなければならない。しかしその結果はどうなるかというと、富が蓄積されるということなのだ。

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