邪悪なものの鎮め方 の商品レビュー
・裁判員制度は大丈夫? ・モラルハザードの構造 ・人を見る目 ・後両肩取心得 ・そのうち役に立つかも ・失敗の効用 ・反復の快 ・学院標語と結婚の条件 ・困窮シフト ・親密圏と家族 ・草食系男子の憂鬱
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「1Q84」について書かれたエッセイが2篇ぐらいあって、きっとネタバレしているだろうから、先にずっと積んでおいた「1Q84」を引っ張り出しようやく読み出したのだが、なぜだかとてもページが重くて、結局こちらが先になってしまった。 「1Q84」が楽しく読みやすいということは間違ってい...
「1Q84」について書かれたエッセイが2篇ぐらいあって、きっとネタバレしているだろうから、先にずっと積んでおいた「1Q84」を引っ張り出しようやく読み出したのだが、なぜだかとてもページが重くて、結局こちらが先になってしまった。 「1Q84」が楽しく読みやすいということは間違っていて、このエッセイ集が止まらなくなるということは残念なことに正解だった。 著者のエッセイはずいぶん読んでいるが、最も軽く、笑えて、しかし示唆に富んでいる。 3.11以降どうも暗く、硬いのだ。本作のノリが好きだ。 恢復希望。
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p224 「おせっかいな人」の孤独 落ちている空きカンを拾うひとは働くモチベーションのある人である。 それは例外なく仕事ができる人である。 労働者と多くの左派知識人は「できるだけ自分の仕事を軽減することが労働者の権利である」という硬直した思考にしがみついている。
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これまで読んだ中で一番好きな作品。 私もかくありたいと・・と静かに、気持ちを鎮めながら、素早く読みました。
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主人公はどうして生き延びることができたのでしょう? 私自身のみつけた答えは「ディセンシー」(礼儀正しさ)と、「身体感度の高さ」と、「オープンマインド」ということでした。
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【期待したもの】 ・内田センセーの「呪い」タイトルは読んでみたかった。 【ノート】 ・なかなか自分にとって衝撃的な作品。内田センセーに「こういうことだと思うんだけど、君はどう?」と問い詰められているような感じだ。 「『呪い』というのは『他人がその権威や財力や威信や信望を失うこと...
【期待したもの】 ・内田センセーの「呪い」タイトルは読んでみたかった。 【ノート】 ・なかなか自分にとって衝撃的な作品。内田センセーに「こういうことだと思うんだけど、君はどう?」と問い詰められているような感じだ。 「『呪い』というのは『他人がその権威や財力や威信や信望を失うことを、みずからの喜びとすること』である。さしあたり、自分には利益はない。 でも、『呪う人』は他人が『不当に占有している利益を失う』ことを自分の得点にカウントする。 (P81)」 よくぞ自分の中でもやもやしていたものに、ここまで光をあててくれた、という感じもある。やはり、まずは名指すことから始まるんだなあ。 ・スキナーの「略奪大国」にも通じる。ちょっと道徳の時間っぽい表現になってしまうが、他人の成功を妬み、嫉む心が、個人を蝕む、というものだった。 ・内田センセーは「呪いの時代」という著書で、いかに、この呪詛空間を祓うかという論を展開しているらしいが、それを読む前に、自分で考えてみよう。名指すことができれば、自分なりの解法を考えることは可能なはずだ。
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いわゆる「悪いやつら」といかに距離をとるかというのは生きる上で必要な術だと思うが、そのようなテーマについて書かれた本かと思ったのだが、まったく異なるものだった。ただ、読みやすい短編集としては面白かったが。 「勉強時間がふえると成績が上がるのは成績がきわめて低いときだけであり、そ...
いわゆる「悪いやつら」といかに距離をとるかというのは生きる上で必要な術だと思うが、そのようなテーマについて書かれた本かと思ったのだが、まったく異なるものだった。ただ、読みやすい短編集としては面白かったが。 「勉強時間がふえると成績が上がるのは成績がきわめて低いときだけであり、そのあとは勉強時間と成績は相関しない。」 「…『本務』ですぐれたパフォーマンスを上げるためには、『本務でないところ、失敗を重ね、叱責され、自分の未熟を骨身にしみるまで味わう経験』を積むことがきわめて有用だ」 「ベイトソンによれば、知性とは何か?という問いに、知性はこう回答した。… 『そういえば、こんな話を思い出した』」 「若い頃にはなかなか練れた人だったのだが、中年過ぎになると、手の付けられないほど狭量な人になったという事例を私たちは山のように知っている。彼らは怠慢ゆえにそうなったのではなく、青年期の努力の仕方をひたすら延長することによってそうなったのである」 「…子どもを本当に生き延びさせたいと望むなら、親たちは、次の三つの能力を優先的に慣用させなければならない。 何でも食える どこでも寝られる 誰とでも友だちになれる」 「『自分が所有したいのだけど所有できていないもの』のリストを作るより、『自分がすでに豊かに所有しているので、他者に分ち与えることのできるもの』のリストを作る方が心身の健康にはずっとよいことである」
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内田先生の著書を読むと、自分自身のひっかかりが、あぁここにあったんだなと気づく事が多々ある。とても上手に言語化して下さっている。 こだわる=居着く 自分の採用した説明に居着いてしまうと自力で現況を改善するのが難しくなる 被害者意識をもつ=弱モノである自分に居着く これは自分自身...
内田先生の著書を読むと、自分自身のひっかかりが、あぁここにあったんだなと気づく事が多々ある。とても上手に言語化して下さっている。 こだわる=居着く 自分の採用した説明に居着いてしまうと自力で現況を改善するのが難しくなる 被害者意識をもつ=弱モノである自分に居着く これは自分自身にかけた呪いである 被害者意識を持つ事に関して、非常に嫌悪感があった。 (人がというより、自分自身に対して。) それはこういうことだったんだなーとそとんと腑に落ちた。 責任の矛先を自分に向けることはとても勇気がいるししんどい。 でも、ヨワモノである自分に居着いてしまった時点で、そこから抜け出せなくなる。 抜け出すにはヨワモノである自分に居着いた自分を一度否定しなければいけない。ただでさえ勇気がなくてしんどいから逃げてしまった道なのに。 自分にとって居心地の良い説明につい居着いてしまいたくなる。でも、自分自身に呪いをかけないように自分で自分を奮い立たさなくては。それができるのは自分しかいない。 記号的殺人の呪いに関して あぁだから村上春樹はアンダーグラウンドで被害者の方々をインタビューしていくことで、「喪の儀礼」を行うことが必要だと感じたのかもしれない。 バジリコ株式会社 2010年
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内田樹氏の幅広く柔軟で奥深い思想が、縦横無尽に広がる。 右とか左とか、あるいは手垢のついた既成の論理を超えた思考法が、身近な問題から世界的な問題までにどう向き合うかの、ヒント満載の一冊。
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p.50 暗号はそれがあたかも暗号ではないかのように書かれなければ意味がない。だから、書き手から読者への「コールサイン」はつねに「ダブル・ミーニング」として発信される。 表層的に読んでもリーダブルである。でも、別の層をたどると「表層とは別の意味」が仕込んである。その層をみつけ...
p.50 暗号はそれがあたかも暗号ではないかのように書かれなければ意味がない。だから、書き手から読者への「コールサイン」はつねに「ダブル・ミーニング」として発信される。 表層的に読んでもリーダブルである。でも、別の層をたどると「表層とは別の意味」が仕込んである。その層をみつけた読者は「書き手は私だけにひそかに目くばせをしている」という「幸福なさっかく」を感知することかできる。
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