1,800円以上の注文で送料無料

フォークの歯はなぜ四本になったか の商品レビュー

3.5

27件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    11

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2012/01/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

形は機能にしたがうという説と、 形は失敗にしたがうという説の紹介がある。 では、フォークが4本になったのは、どちらなのだろう。 話題は、フォークの話題にとどまらず、工業設計『デザイン)全般にわたる。 最後まで読んだが、4本である理由に確信は持てなかった。 まだまだ読み込みが浅いのだろうか。

Posted byブクログ

2011/12/15

デザインとテクノロジーの歴史を繙き、人工物の進化を推し進める要因が機能の探求ではなく欠陥の修正であることを、豊富な実例をもって証明する。 論旨が明確で、「形は失敗にしたがう」という主張自体も興味深いが、フォーク、クリップ、ファスナー、飲料缶、マクドナルドの容器といった身近な日用...

デザインとテクノロジーの歴史を繙き、人工物の進化を推し進める要因が機能の探求ではなく欠陥の修正であることを、豊富な実例をもって証明する。 論旨が明確で、「形は失敗にしたがう」という主張自体も興味深いが、フォーク、クリップ、ファスナー、飲料缶、マクドナルドの容器といった身近な日用品の誕生から進化までを紹介してくれる点が魅力。 惜しむらくは、一部の物には対応する図がないこと。言葉による説明に限界を感じる一方、訳者の苦労のほどが偲ばれる。 本書は単なる技術史でなく、ビジネスの格言集としても読める。 デザインは技術的な問題、美的価値、生産コスト、流行といった多様な要素のバランスの中で決定され、完璧な物はあり得ない。モノやサービスの作り手として、利用者目線での有用性に配慮したい。

Posted byブクログ

2011/11/30

要点:人工物は「不満」を解消するように進化するという法則。 第1章〜第3章、第12章〜第14章および解説に良いことが書いてあった。 第1章 フォークの歯はなぜ四本になったか 「形は機能に従う」説では人工物の進化を説明できない。 フォークと箸は西洋と東洋で同じ目的のために異なる...

要点:人工物は「不満」を解消するように進化するという法則。 第1章〜第3章、第12章〜第14章および解説に良いことが書いてあった。 第1章 フォークの歯はなぜ四本になったか 「形は機能に従う」説では人工物の進化を説明できない。 フォークと箸は西洋と東洋で同じ目的のために異なる形を取った。 人工物の形には技術・経済性が影響する。 また、政治・行儀作法・好み・流行は人工物の影響を受けるし、 逆にそれらが人工物の形に影響を与える。相互作用である。 !!社交の在り方・マナー・リテラシは技術・ソーシャルメディアの影響を受けるし、その逆もまた然り。ソーシャルメディアのデザインは、コミュニケーションする社会の未来を作ることでもある。 第2章 形は失敗にしたがう 欲望が進化を促す。贅沢が発見を促す。 人工物には常に改善の余地がある。 完璧な人工物は無い。 すべての人工物に共通する唯一の特徴は不完全さである。 感知された問題とその解決策がデザインの動機となって人工物の進化を促す。 p.60 アレグザンダー「デザインは不調和や苛立ちの原因や威圧力を中和するためのネガティブなプロセス」 職人は単なる代行者であり、失敗を認識するのは誰でもできる。 !!同意しない。あとで矛盾することを書いている(人は慣れる)。 第3章 批評家としての発明家 発明家は悪態をつく。 エンジニアの習い性は欠陥を見つけて失望することだが、決して悲観論者なのでは無く、むしろ楽天家であり、プラグマティストである。 既存の人工物に感じる不満こそが全ての発明の中核をなし、それゆえ人工物の変化の核心になっている。 第13章 良が最良よりも良いとき マクドナルドの発砲プラスチック製クラムシェル。環境、政治で形が決まる。 ルイ十四世ホテルの浴室にはドアが無い。デザインによる問題解決の好例。 p.401 目先の問題にとらわれると、解決策がのちにもっと困難な問題を引き起こす。 p.405 あらゆるモノのデザインは、差し迫った利用の先を見なくてはならない。人とモノの世界に導入された人工物はどれも、人とモノの両方の行動様式を変える。 第14章 つねに改良の余地がある p.411 あとで振り返ってみると技術上の利点だとはっきりわかる事柄が初めのうち一部の人々に不快感を与えるのはなぜか? 慣れの問題。人々は既存の人工物に順応する。 不満の発明 開発者は自分のデザインに慣れてしまうので使いにくい物を作る。 !!UCDの必要性 !!現存するテクノロジーにおける失敗の知覚が、人工物の進化を駆動するエンジン 失敗が何から成り、改善が何から成るのかは、完全に客観的なわけでは無い。→人工物の多様性 解説ー失敗の発明(棚橋弘季) 「デザイン」「発明」はルネサンスに発明された。 西洋:人の巧みさに依存しない。人を必要としない。  →二重の意味での人間非依存性。   新たな人工物をデザインし、失敗を超克する。   →失敗の克服が新たな失敗を生む、    進化プロセスのメタレベルの失敗。 日本:既存の人工物を巧みに使いこなす。惜しみなく尽力する。  →二重の意味での人間依存性。   既存の人工物の失敗を許容する「ワザ」。   →モノを作らない問題解決の方法。 !!東洋的「反デザイン」。  しかし日本も西洋的に大量のモノを作っている。  単なる「反デザイン」「脱デザイン」ではない構想があるとすれば、それは何か? 類書:ヘンリー・ペトロスキー著『橋はなぜ落ちたのか』 http://booklog.jp/users/zerobase/archives/4022597860

Posted byブクログ

2011/06/30

「形は失敗にしたがう」という著者の主張のもとに、フォークからファスナーまで様々な実用品の進化について書かれていて、自分が普段から何気なく使っているものがどのような過程を経て現在に至るのかを知ることができ、とても興味深い。言葉だけではイメージしにくい部分を補ってくれる指図があるのも...

「形は失敗にしたがう」という著者の主張のもとに、フォークからファスナーまで様々な実用品の進化について書かれていて、自分が普段から何気なく使っているものがどのような過程を経て現在に至るのかを知ることができ、とても興味深い。言葉だけではイメージしにくい部分を補ってくれる指図があるのも良かった。(個人的にはもっと欲しかった気もする。)少し長いと感じてしまう部分もあったが、デザインやエンジニアリングなどに携わっている人も、そうではない人も、一度は読んで損はない一冊だと感じた。

Posted byブクログ

2011/03/22

本書のテーマは、発明という行為の原動力が「失敗の発見」であることを明らかにすることである。”うまくいっていない”ことを認識し、”こうすればうまくいく”と考える能力こそが発明家の特質であり、今日の道具や日用品の構造は、正にそういった発明家達による”改善”の積み重ねの結果であるという...

本書のテーマは、発明という行為の原動力が「失敗の発見」であることを明らかにすることである。”うまくいっていない”ことを認識し、”こうすればうまくいく”と考える能力こそが発明家の特質であり、今日の道具や日用品の構造は、正にそういった発明家達による”改善”の積み重ねの結果であるというのが主な論旨だ。フォークやクリップなど身近な日用品の”進化”が題材なので、およそエンジニアリングに縁のない読者でも読み通すことができる内容だとは思う。 一方で、著者の主張は本書冒頭ですでに明らかになるので、後半の説明は、ともすれば蛇足と感じる人がいるかもしれない。特に、すでにエンジニアリングに関わっている人や、特許関係の業務に携わったことのある人にとっては、「何をいまさら……」となる部分も多いだろう。加えて、訳が下手なのか原文が既に拙いのかは分からないが、悪文と言わざるを得ない箇所がいくつかあった。名著というには今一つだが、大学に入りたての若者にはおすすめしたい。

Posted byブクログ

2011/02/08

おもしろくて一気読みしました!文章にユーモアがあるのが難めの内容を柔らかくしているなあと思います。軽い読み物には最適でした。 名著にも関わらず長らく絶版になっていたものが晴れて復刊になりました。これを機にいろんな人に勧めたい一冊。

Posted byブクログ

2010/07/20

フォークやナイフをはじめ、普段何気に使っている物について、その進化の歴史や加工などなど、デザインについての書物です。当たり前に使っているけど、それには進化の歴史があって、また時代背景もあって、そして今が最良のデザインなのか問われても、必ずしもそうではないし、けれどもよりよい未来を...

フォークやナイフをはじめ、普段何気に使っている物について、その進化の歴史や加工などなど、デザインについての書物です。当たり前に使っているけど、それには進化の歴史があって、また時代背景もあって、そして今が最良のデザインなのか問われても、必ずしもそうではないし、けれどもよりよい未来を求めていくのは、仕事もそうだよなぁと考えながら読んだ。インダストリアルデザインに興味ある人、自分の視野外を見てみたい人にはおすすめ。ペパボのあべちゃんは好きそうだなぁ。

Posted byブクログ