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フォークの歯はなぜ四本になったか の商品レビュー

3.5

27件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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2014/12/25

興味を持続させて読み続けるには、若干辛い、地味な展開。切り口は面白いのだが、要は、利便性や合理性が改善を要求し、それに応える事が発明であるという事の確認作業であり、幾つかのツールをなぞって、その生誕の秘密に迫る。 解説者の指摘が秀逸。本著の甘さについて。なぜ、ある時期を境にデザ...

興味を持続させて読み続けるには、若干辛い、地味な展開。切り口は面白いのだが、要は、利便性や合理性が改善を要求し、それに応える事が発明であるという事の確認作業であり、幾つかのツールをなぞって、その生誕の秘密に迫る。 解説者の指摘が秀逸。本著の甘さについて。なぜ、ある時期を境にデザインの発達が進んだかという記述がない。これこそ、政治なのかイデオロギーなのか。特許制度なりのシステムなのか。 単に、昔は両手でナイフを使っていました。食べ物が滑るので、押さえるような工夫が必要でした。そこからフォークが生まれたのです、では、掘り下げが浅い。私も気になったのはこの点である。

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2017/07/13

「形は機能に従わない」と著者は主張する。 仮にその道具が機能に従って開発されたとしたら完璧なものが世の中にごろごろ存在しそうなものだ、と。 道具の欠点、道具への不満点や失敗経験が進化を促すという。 身近な道具の進化について特許の記録などを通して考察。 ペーパークリップ、ジッパー...

「形は機能に従わない」と著者は主張する。 仮にその道具が機能に従って開発されたとしたら完璧なものが世の中にごろごろ存在しそうなものだ、と。 道具の欠点、道具への不満点や失敗経験が進化を促すという。 身近な道具の進化について特許の記録などを通して考察。 ペーパークリップ、ジッパーなどの進化過程が大昔の特許の挿絵などを使って説明されています。 特許は昔のモノの改良でしかない。 新規性・進歩性が何たるか、自らの発明をどのように主張すべきか参考になります。 また、天才ではなくても、凡人でも発明と言うか日々の観察と改善・改良を通して世の中にかかわることができるのではないか、と勇気をもらえます。 そもそも道具の機能は、その時代の社会や文化によって、要求のされかたが異なってくるのでしょう。 つまり、・・・機能は文化に従う。 ということは「形は文化に従う」とも言えるだろうか。 プロダクトの場合、形は人間に従うとも解釈できそう。 ただ、人間の文化とは身近なところで言い換えると日々の習慣だとも考えられ・・・ ・・・これを乗り越えることは一苦労。 人の習慣を変えることができる位のメリットある商品開発。。。 何時かはエポックメイキングな発明を。

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2014/09/02

なんでフォークが4本歯になったか?それ は簡単に言えば、4本歯のほうが食べやすいメニューが増えたからといってしまえば それまでで。 なんで歯に、掬うようなカーブがついたか?それも魚介類をフォークで食べるように食文化が変容したから。 文字にしてしまえば「なるほどね」で終わってし...

なんでフォークが4本歯になったか?それ は簡単に言えば、4本歯のほうが食べやすいメニューが増えたからといってしまえば それまでで。 なんで歯に、掬うようなカーブがついたか?それも魚介類をフォークで食べるように食文化が変容したから。 文字にしてしまえば「なるほどね」で終わってしまう訳なんですが、日用品がデザ インを変容させ本日私たちの前に用意され るまでには「文化が変容した」のみならず、数々のプロトタイプが闇に消え、知的財産権(本書ではクラッシックな外国特許 出願様式の写しなども見れて楽しいです) が争われ、大量生産大量消費がなされ(その間に製品によっては怪我人をだし)て、 かつ、余地がなくなるまで改良が続いた、歴史というものが必ずあるんですねー。 カテラリー以外にも、缶のプルトップ、電話のテンキー、ファスナー(ジッパーってのはファスナーを用いた「靴」の商標だっ たんですね)、3M(ミネソタ・マイニン グ・アンド・マニュファクチャー)の付箋 他、数々の日用品事例に触れることは相当 楽しいことギャランティ。

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2014/08/24

発明とは、既存の人工物の失敗や欠点を修正することで進化させた成果物であり、無から生み出された全く新しいというものはほとんど存在しない。考えてみると確かにそのとおりで、たとえば食品保存で瓶詰めは缶詰に進化し、缶詰を開けるのにナイフに代わって缶切りが生まれ…というように、我々の身近な...

発明とは、既存の人工物の失敗や欠点を修正することで進化させた成果物であり、無から生み出された全く新しいというものはほとんど存在しない。考えてみると確かにそのとおりで、たとえば食品保存で瓶詰めは缶詰に進化し、缶詰を開けるのにナイフに代わって缶切りが生まれ…というように、我々の身近なモノだけでも枚挙にいとまがない。例えば特許にしてもそうだ。請求項に「本発明が解決しようとしている課題」とあるが、つまりは解決すべき課題ありきなのである。そうして発明はモノを進化させ、エンジニアリングやデザインを求めるようになり、工業デザインという文化が発展してきた。どうりでクールな世の中になるわけだ。

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2014/05/30

形は、機能に従わない。 発明は、不満から生まれる。 →不完全な行動様式を完全にすることや、 不十分で不適当なパターンを改善することこそ発明の動機。 失敗から生まれる。 完璧な製品などない、ということから明らか。 ・斬新な外見より、伝統的な機能。 ・インダストリアルデザ...

形は、機能に従わない。 発明は、不満から生まれる。 →不完全な行動様式を完全にすることや、 不十分で不適当なパターンを改善することこそ発明の動機。 失敗から生まれる。 完璧な製品などない、ということから明らか。 ・斬新な外見より、伝統的な機能。 ・インダストリアルデザイン most advanced yet acceptable(ローウィ) ほかのすべての点で新しく、過激な形の中に、見慣れた型を取り入れることで、広く受け入れてもらえるようにする(ドレイファス) 利益をもたらす技術革新と、安心感を与える見覚えのある要素との絶妙なバランス。 ・17世紀の、びっくりジョッキ。 てでふさがないと漏れる。ゲームが出来る。 ・赤ワインの瓶と白ワインの瓶の形の違い。 ・シャンパンの底は、凸面が中の圧力に対抗できるように。 ・マックのクラムシェルパッケージ。 進化の末に生まれた。 ・ポリエチレンのゴミ袋、 のせいで生じた環境汚染問題もある。気持ちのゆるみ。 未来を想像し、どんな結果がもたらされるかまで見通した上でのデザインを。 ・分厚い説明書は、その商品が不完全であることを示している。 ・中世までは、ミメーシス。(外界にあるものを写しとる技術) ルネサンス以降は、内面の構想を形にすることへ。 =デザインのはじまり。 外界は、模倣の対象から、 内面世界に想起されたよりよきものを反映する場になった。 すべてのものは、誰かの不満から生まれていて、 一面的な不満を反映したデザインはまた、 別の問題を生じさせていく。 つまり、完璧なデザインなどありえないので、 「不満を見つけ出してデザインの努力をしていく」というプロセス自体が有名。

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2014/01/03

身の回りのモノに関する雑学本。 ナイフの発明からフォークへの進化、ポストイットやホチキスといった今では必需品と言ってもいい文房具の開発史、ジッパーが生まれるまで、缶詰やコルクなどの保存目的の製品の成り立ち、土木作業や農作業などで使われる荷車の西洋と東洋での形態の違いなどを挙げなが...

身の回りのモノに関する雑学本。 ナイフの発明からフォークへの進化、ポストイットやホチキスといった今では必需品と言ってもいい文房具の開発史、ジッパーが生まれるまで、缶詰やコルクなどの保存目的の製品の成り立ち、土木作業や農作業などで使われる荷車の西洋と東洋での形態の違いなどを挙げながら、それぞれのモノが生まれ、洗練され、現在に至るまでが丁寧に紹介されています。 すべてのモノの紹介の根底には、いわゆる「必要は発明の母」という考え方は間違いであり、「モノの機能や形態は失敗に従う」という著者の考えが流れています。確かにこれだけの実例を並べられると、既存のモノの形の欠点に応じて、より完璧を求めて形態が進化していくというのもあながち誇張ではないな、と思えます。 個人的に「へー」と思ったうちの一つは、洋服のボタンが男女逆になっている理由のくだり。 自力で服を着る男性の場合、右利きの人が多いことから右側にボタンがつく。一方の女性は、ドレスを着るような階級の人たちはメイドに服を着せてもらうことになるため、メイドが女主人と向き合う時に便利なように左側にボタンをつけるようになった。この名残が、女性も自分で服を着るようになった現在にも続いている、らしいです。なるほど、という感じ。 もう一つは、荷車の形態の違い。 西洋の手押し車が二輪の牽くタイプであるのに対し、中国では一輪の押すタイプが普及した理由として、二輪の牽くタイプは水田の狭い畦の上を進みにくいため、前方の視界が遮られるというデメリットがあっても細い道を確認しながら進める一輪の押す形に自然と進化していった、という説が紹介されています。 終盤は「良が最良よりも良いとき」として、すべての発明やモノが最善の結果を生むわけではないという警鐘も鳴らしています。 その一つがポリ袋をゴミ箱にかぶせることによる問題。ポリ袋があることにより捨てるものに頓着しなくなり、中が汚くなったり汚水が出たり、悪臭や腐敗の原因となったり、ゴミ収集車の通った後にポリ袋から漏れ出た汚水が道を汚してしまう、といった問題が挙げられています。 このことから著者は「頻繁に昔からの問題・推測される問題を解決しようとして新たな素材・装置を節操なく取り入れると、より複雑な問題が起こりかねない」と危惧しています。これを回避するためには「外見・短期的デザインの先を見越し、長期的な結果を見なければならない」としています。 雑学を楽しむための本としても良質であり、過度に発展する文明にシニカルな忠告を与える本としても面白いです。

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2013/09/15

形は機能に従うのではなく、失敗に従う。モノは欠点を修正することによって進化している。 いったんある方向に進みだすと、その方向で進化していくと。

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2013/06/22

なぜフォークの歯は三本でも五本でもなく、四本なのか。 なぜナイフなのに刃先が丸まっているのか。 フォークは何故湾曲しているのか。 実用品が、どのように今の形に進化してきたのか、その背景にはどのようなことが影響してきているのか。 デザインの本質を語る上でかかせない、歴史の中の進化...

なぜフォークの歯は三本でも五本でもなく、四本なのか。 なぜナイフなのに刃先が丸まっているのか。 フォークは何故湾曲しているのか。 実用品が、どのように今の形に進化してきたのか、その背景にはどのようなことが影響してきているのか。 デザインの本質を語る上でかかせない、歴史の中の進化論を知ることができる一冊。 ”道具のデザインは、偉大な作り手の頭の中で完璧に練り上げられてから生まれるのではなく、むしろ、それらを取り巻く社会、文化、技術に関連し、つくった側の(おもに不愉快な)経験を通じて変更が重ねられてゆくもの”

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2012/12/02

普段、わたしたちが”アタリマエのモノ”として目にする食器、文房具、大工道具、果ては建築物にいたるまで、それらがどうしてその形を持つにいたったのか・・・言わばダーウィンの進化論ばりに・・・但し、動物ではなくモノの・・・を徹底的に研究した本だ。 著者のペトロスキー氏はアメリカの工学...

普段、わたしたちが”アタリマエのモノ”として目にする食器、文房具、大工道具、果ては建築物にいたるまで、それらがどうしてその形を持つにいたったのか・・・言わばダーウィンの進化論ばりに・・・但し、動物ではなくモノの・・・を徹底的に研究した本だ。 著者のペトロスキー氏はアメリカの工学者。学者らしいというか何というか・・・彼が最初から最後まで掲げている一貫した主張が「(人間が作る)モノの形は、機能ではなく失敗に従う」である。 著者はこの主張を証明しようと、本全体の9割近を”うんちく的な話”・・・に割いている。ナイフ、フォーク、スプーン、クリップ、ポストイット、ジッパー(チャック)、ジュース缶、マクドナルドのハンバーガー容器、ハンマー・・・世の中で普段わたし達が目にするモノの進化の歴史についての言及だ。こうした”うんちく”こそが、本書最大の特徴とも言える。 ところで、1つ難点を挙げるとすれば、この本は読むのに相当な体力を要するということだ。 読者の理解を助けようと、ところどころに出てくる挿絵はとてもありがたいのだが、残念ながら、取り上げられるモノの数の比して十分な量とはいえない。モノのデザインについて、その細かい部分を文章で描写されても、頭の体操をしたいのならともかく、気軽に読みたい読者にとっては疲労感を増やす要素以外の何者でもない。加えて、著者が終始言及する「ほらね、モノの形は失敗に従うじゃないか!」論・・・こちらについては、どうしても抽象的・概念的な話にならざるを得ず、やはり読んでいると疲れる。 しかしながら、こうしたネガティブな側面も、数々のモノのルーツを教えてくれる本書の魅力には抗えないと思う。それに、小難しい話は読み飛ばせばいい。 読んだ次の日から、アタリマエのモノを見て頭がスパークすることうけあいだ。 「ふーん、このフォーク、このスプーン・・・このお箸は・・・どうしてこんなカタチに決まったんだろう??? なぜ?なぜ?なぜ?」・・・って。 (書評全文はこちら→ http://ryosuke-katsumata.blogspot.jp/2012/12/blog-post.html)

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2013/01/29

フォークの歯はなぜ四本になったか 形は失敗にしたがう 批評家としての発明家 ピンからペーパークリップへ 瑣末なモノもあなどれない ファスナーが生まれるまで 道具が道具を作る 増殖のパターン 流行とインダストリアル・デザイン 先行するモノの力 開けるより封じる ちょっと変えて大儲け...

フォークの歯はなぜ四本になったか 形は失敗にしたがう 批評家としての発明家 ピンからペーパークリップへ 瑣末なモノもあなどれない ファスナーが生まれるまで 道具が道具を作る 増殖のパターン 流行とインダストリアル・デザイン 先行するモノの力 開けるより封じる ちょっと変えて大儲け 良が最良よりも良いとき つねに改良の余地がある

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