花の回廊 の商品レビュー
熊吾の勢いは、すっかり落ち着いてしまった感がある。3部ごろまでの熱い人情よりは、還暦を迎えた人間に相応しい、ひっそりとした情感が漂う。
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大河ドラマ『流転の海』シリーズ。 前作と間があいているので、思い出すのが大変だった。 しかし、至極の言葉は健在。 これから伸仁がどのように成長していくのか期待。
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6月13日~20日 昭和32年、松坂熊吾は大阪で再起を賭け、妻房江とともに電気も通らぬ空きビルに暮らしていた。十歳になった伸仁は尼崎の集合住宅に住む叔母に預けられた。居住者たちは皆貧しく、朝鮮半島からやってきた人々が世帯の半ばを占め、伸仁は否応なく凄絶な人間模様に巻き込まれてい...
6月13日~20日 昭和32年、松坂熊吾は大阪で再起を賭け、妻房江とともに電気も通らぬ空きビルに暮らしていた。十歳になった伸仁は尼崎の集合住宅に住む叔母に預けられた。居住者たちは皆貧しく、朝鮮半島からやってきた人々が世帯の半ばを占め、伸仁は否応なく凄絶な人間模様に巻き込まれていく。一方、熊吾は大規模な駐車場運営に乗り出す。戦後という疾風怒涛の時代を描く著者渾身の雄編第五部。
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前巻で富山に伸仁を置いて、熊吾は大阪で巻き返しを計る、で終わったのに、初っ端、両親のいない富山での生活に音をあげた伸仁を熊吾は向かえに行く。ノブちゃん、根性ねぇーと思いつつ、徐々に物語の中で自由闊達に動きだした伸仁の動きは読んでいておもしろいです。以下、印象に残った言葉など「教育...
前巻で富山に伸仁を置いて、熊吾は大阪で巻き返しを計る、で終わったのに、初っ端、両親のいない富山での生活に音をあげた伸仁を熊吾は向かえに行く。ノブちゃん、根性ねぇーと思いつつ、徐々に物語の中で自由闊達に動きだした伸仁の動きは読んでいておもしろいです。以下、印象に残った言葉など「教育、教育がすべてじゃ」全然話に興味のない、玉突き屋の主人、磯部を相手に熊吾が一席ぶつシーン。校則について、教育とはそもそもなんなのかについてを語るのですが、その内容もあぁナルホドなぁと思いましたが、印象的だったのは、「納得できんやつは脱落していくじゃろう」「もともとそういう性質をもった人間」という言葉。時折、熊吾はこういった発言をします。シーンが変わりますが、房江が熊吾とのやりとりを思い出す中で、巣から落ちた雛についてなぜこの雛だけ落ちたのだろうと聞くと、熊吾は「そういう星のもとで生まれたんじゃ。その雛の宿命じゃ」と答えます。運命や宿命、というのもこの作品のテーマになっていますが、まだまだ自分にはピンとこないですね…。「悪に誘われる因はこちらにあるとしても、それを触発する力に縁しなければ、悪を為すという果にはつながらない。」人が生来もっている性質、資質とその人が育ち影響を受ける環境というものの関係について端的に述べた一言だと思う。人にはそれぞれ逆らい得ない性(さが)というのはある、けれどその種子が実を結ぶかどうかはやはり環境によるものが大きいと思う。
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ずいぶんと小説を読むことをサボっていたが、久々に宮本輝読むと一気に読破した。一見突拍子も無い出来事が次々に起こるが、そう感じず、また無駄にはらはらすることが無く引き込まれていくのは、ディティールの書き込まれ方が秀逸だからだろう。
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本シリーズでは物語の中にぐいぐいと引き込まれながら、その背景となる昭和の社会史を追体験することができます。
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相変わらずこのシリーズは一気に読んでしまう。昭和をひしひしと感じさせてくれる。血の通った人間模様にしばし浸らせてもらえる。いつもながら次の号が出るのが楽しみ。
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もう、宮本輝のライフワーク 読む方もライフワークに とにかく熊吾の生き方がかっちょええ〜 格言だらけ まだまだどんどん続いていってほしい!
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これは図書館借りが待てなくて購入した。久しぶりの文庫本買い。海老原太一への”逆襲”の伏線がはられているが、第六部ではそのあたりの展開があるのだろうか。新潮で3章まではおっかけたがまだでてきていなかった。
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著者自伝(?)流転の海第五部。 伸仁がおばさんの貧乏アパートに預けられてそこの住人との交流がメイン。熊吾は大規模駐車場設立に奔走。房江は飲み屋に通いで働く中で過去と向き合う。 なんとはない話が綴られるが引き込まれる。 前作はだいぶ昔なので話を忘れているものの、本巻から読み始めても...
著者自伝(?)流転の海第五部。 伸仁がおばさんの貧乏アパートに預けられてそこの住人との交流がメイン。熊吾は大規模駐車場設立に奔走。房江は飲み屋に通いで働く中で過去と向き合う。 なんとはない話が綴られるが引き込まれる。 前作はだいぶ昔なので話を忘れているものの、本巻から読み始めても問題なしかと。 果たしてどこまで行くのだろうか。
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