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若かった日々 の商品レビュー

3.8

13件のお客様レビュー

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2022/06/01

自伝的短編集 家族と自分 自分は両親から受け継いだもので形成され、遠ざけたくても、私の中に存在している。 家族で反発し合っていても、客観視すれば愛は存在していて、年齢を重ねるつれて許容できるようになる-。若い時よりわかってきた。 生きるうえで、苦悩の連続の中にも幸せを感じ...

自伝的短編集 家族と自分 自分は両親から受け継いだもので形成され、遠ざけたくても、私の中に存在している。 家族で反発し合っていても、客観視すれば愛は存在していて、年齢を重ねるつれて許容できるようになる-。若い時よりわかってきた。 生きるうえで、苦悩の連続の中にも幸せを感じる瞬間はあって、歳をとれば肯定的に大切な思い出だったと振り返ることができる。 今が辛い事ばかりなような気がしても、そんな事ばかりで【私】はできてないと思える。 苦しいけど、救われるお話。

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2018/04/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

実在するものだけで十分だと思える世界、私はそれを見たいと思うし。時には見ることができる。それは、若かったころに、見えていると思えた世界なのだ。(p.21) 原題は"The End of Youth" 文庫本の緑の表紙が美しい。中心の湖とボートが本作にぴったり。 ブラウンの、エッセイ集…ではなくあくまで自伝的短編集なのだそう。もちろん柴田元幸訳です。表現が美しい、というよりは、彼女の感性が美しい。 父親との関係を中心に、主に家族のことと、そして自身がレズビアンだと意識するきっかけが描かれています。 女性としての自分を確立できなかったことや、父親との関係を築けなかったことを鑑みれば、若さの終わり、というのは全く否定的な意味ではなく、 彼女が彼女らしく生きるための転換期なのだと思います。 「天国」はもともと読んだことがあったけど、この連作の中でこそ生きる話なのだと気づきました。 「見ることを学ぶ」、「煙草を喫う人たち」が好き。

Posted byブクログ

2014/09/14

【本の内容】 あまりに違う二人が傷つけ合うのは必然だった―。 家族と希薄な関係しか築けなかった父。 夫との愛に挫折した母。 物心ついたときには離婚していた両親との激しい葛藤や、初めて同性に夢中になった初恋の熱。 死に寄り添うホームケア・ワーカーを描いた感動作『体の贈り物』...

【本の内容】 あまりに違う二人が傷つけ合うのは必然だった―。 家族と希薄な関係しか築けなかった父。 夫との愛に挫折した母。 物心ついたときには離婚していた両親との激しい葛藤や、初めて同性に夢中になった初恋の熱。 死に寄り添うホームケア・ワーカーを描いた感動作『体の贈り物』でラムダ賞などを受賞した著者が、少女時代を穏やかなまなざしで振り返る、みずみずしい自伝的短編集。 [ 目次 ] [ POP ] 初めて泳いだ水の感触、眠るまでの暗闇が怖かったこと。 子どもの頃の記憶をみずみずしく描写しながら、父への複雑な感情や母と過ごした時間を深く受けとめ直していく自伝的短編集。 どの1編も詩のように美しく胸に突き刺さる。 年上の同性に恋をした女の子の物語は切ない。 だが、それは決して不幸ではないという光を宿している。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2013/05/17

久々のレベッカ・ブラウンだったけれども、その優れた感受性に改めて感銘を受けた。自叙伝的な雰囲気を兼ね備えているのに、誰でも幼い頃の感覚が呼び起されるような、そんな、かんじがする。遠い国の違う世代の違う人種の女の子の心の震えをこんなに明確な形で感じることができるということは、本当に...

久々のレベッカ・ブラウンだったけれども、その優れた感受性に改めて感銘を受けた。自叙伝的な雰囲気を兼ね備えているのに、誰でも幼い頃の感覚が呼び起されるような、そんな、かんじがする。遠い国の違う世代の違う人種の女の子の心の震えをこんなに明確な形で感じることができるということは、本当に凄いことだと。両親の存在というのは離れがたく宿命的にわたしたちに影を落とすものであるかもしれないし、同性にしか恋をできないかもしれないし、その若かった日々の心の震え、戸惑い、そういったものがどんなに大切であるかということ。またレベッカ・ブラウンを読み直そうと決意しました。

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2012/02/13

決して難しい言葉を連ねているわけではないのだが、味わい深く心にしみ入る。そしていつでも少しだけ心に辛い。その辛さがいい。

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2011/09/09

大人になって感じる、両親への愛情。 子供時代への憧れ。しあわせな時間へ一時でももどるため、子供の頃言えなかったことを両親に伝えるために、書く手紙。

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2011/06/26

ナンシーブース、あなたがどこにいるにせよ がすごくよかった。この人の本を読んでいつも思うのは静謐な感動。 私とは全く違う人生を歩んでいるはずなのに、自分が言葉にできずモヤモヤのままの状態に形を与え、代弁してくれているような気がする時がある。 文庫化されている『家庭の医学』は近いう...

ナンシーブース、あなたがどこにいるにせよ がすごくよかった。この人の本を読んでいつも思うのは静謐な感動。 私とは全く違う人生を歩んでいるはずなのに、自分が言葉にできずモヤモヤのままの状態に形を与え、代弁してくれているような気がする時がある。 文庫化されている『家庭の医学』は近いうちに読まないと!

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2011/02/21

まるでイシグロを読んでいるかのような文体。あっさりとみずみずしい文体、簡潔でざっくり、フェミニン。父親との話がとてもよかった。それから体の贈り物の原形。2011.2.21

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2010/05/19

はじめは私小説?っぽくてなかなか入っていけなかったけれど、よみすすめていくうちにああいい小説だなぁって思えました。 いくら若かった日々をよく思っていても、全然センチメンタルではなくここまで小説にして書きあげるのはやっぱり普通はできないよね。 一番好きなのはやっぱり「煙草を喫う...

はじめは私小説?っぽくてなかなか入っていけなかったけれど、よみすすめていくうちにああいい小説だなぁって思えました。 いくら若かった日々をよく思っていても、全然センチメンタルではなくここまで小説にして書きあげるのはやっぱり普通はできないよね。 一番好きなのはやっぱり「煙草を喫う人たち」です。

Posted byブクログ

2010/03/15

レベッカブラウンの作品は「家庭の医学」に続き2冊目。「家庭の医学」ではガンになった最愛の母親を淡々と看取る姿が綴られていたが、「若かった日々」では亡くなった父を許し肯定している。今回も「家庭の医学」と同様、自分の事と重ねてしまった。2010/3

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