グアテマラ伝説集 の商品レビュー
≪魔術的リアリズム≫という評価の言葉がピタリと当てはまる、目に見える世界に新たなフィルターをつけたような作品だった。読む麻薬??かも。 マヤの神話には多少明るいが、ラテンアメリカ文学作品は完全に初めてだったので まず、造詣がない...というか、このジャンルを受け取るための感覚器...
≪魔術的リアリズム≫という評価の言葉がピタリと当てはまる、目に見える世界に新たなフィルターをつけたような作品だった。読む麻薬??かも。 マヤの神話には多少明るいが、ラテンアメリカ文学作品は完全に初めてだったので まず、造詣がない...というか、このジャンルを受け取るための感覚器官?が完全未発達だったな、と反省している。 この本を読んでいた時の気持ちを表現すると... 主題も技法も全く知らないが、とにかく美しい、と思ってしまう絵をじっくりと眺めている。そしたらその絵から絵の具が浮き上がり、次の瞬間には洪水となって迫ってきた!!! こんな感じ。 無知でもわかる卓越した表現力と、 「知らない世界観」の情報に、あっぷあっぷしながらなんとか読み切った。 他のラテンアメリカ文学、論文なども参照して、もう一回読み直したいし、これを理解できないまま死にたくない、と思う作品。
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ある程度ラテンアメリカについて知識がないと読み進めるのが大変な気がする。 また、修飾句が長くありとあらゆるものが人のような描写をされているので想像力がないとキツいと思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
9編を収め、僕は初めの「グアテマラ」、「「金の皮膚」の回想」を読み了えた。 「グアテマラ」は、インディオ文明、スペインの征服時代、現代のグアテマラ、と積み重ねられた都市と文明を語る。 「「金の皮膚」の回想」は、古代文明の伝説を基とする幻想譚と言って良いだろうか。フランスへ亡命して、マヤ族の創世神話、年代記を、仏訳からスペイン語に翻訳するなど、古代メソアメリカの研究の上に、書かれた。 2回めの読書である。 今回は、「「火山」の伝説」、「「長角獣」の伝説」、「「刺青女」の伝説」、「「大帽子の男」の伝説」、4編を読み了えた。 「「火山」の伝説」は、楽園が火山噴火によって滅び、英雄ニドに依る国始めの物語のように受け取れる。 「「長角獣」の伝説」と「「大帽子の男」の伝説」は、征服者による虐殺と略奪と信仰強制のあと、征服が安定期に入った頃の、尼僧修道院の尼僧と、修道院の僧の物語である。信仰の試練の物語と言える。心理描写と外形描写は、マジック・リアリズムらしく、シュールな場面を交える。 「「刺青女」の伝説」は、インディオの神官、アルメンドロ博士が、4つに分け与えた自分の魂を、買い戻そうとして果たさず、ある奴隷女を救って枯れ枝として死ぬ。迫害されたインディオの魂を描くのだろうか。 シュールな幻想を含む、民族の根底的な物語である。 3回めの読書である。 今回は、「「花咲く地」の財宝の伝説」と「春嵐の妖術師たち」、2編を読んだ。 「「花咲く地」の財宝の伝説」は、部族間の争いなどをしていた先住民が、白人の侵略に遭い、金銀宝石の財宝を山裾に隠そうとする。白人の銃撃で、先住民は財宝を放り出して逃げてしまうが、火山噴火によって財宝は隠されるという伝説である。実際は征服者の本国・スペインへ送られたのだろうが、現代のグアテマラ人として、アストゥリアスはスペイン人を全否定できないのだろう。 「春嵐の妖術師たち」では、古代の幾つもの文化が、地震、噴火、洪水によって壊滅しながら、再生する様を描くようだ。様々な描写が試みられるが、ロートレアモン、アンドレ・ブルトン式(共に僕は嫌いである。)のシュールリアリズム(戦後に実存主義と合体するまでは、つまらない)ではなく、金銀宝石や刺青、化粧、花鳥など、南国らしい古代文化の妖しい美しさの再現を読むべきなのだろう。 幻想劇「ククルカン」を読み了える。 アストゥリアスが宗教を、独裁を、あるいは現代社会を批判したのかわからないが、それら総てを含む幻想劇だろう。
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読みにくいと言うよりも文章が硬質で、読む側のイメージが膨らまないのかな? すり減った石鹸が泡立ちにくいようなさ。 しかし日本人には馴染みがある、抵抗ない内容でないか? 前半は短い伝承民話が連なる。イラストは雰囲気ある。 あまり馴染みのないアステカ文明の神様、川、道路などが、あ...
読みにくいと言うよりも文章が硬質で、読む側のイメージが膨らまないのかな? すり減った石鹸が泡立ちにくいようなさ。 しかし日本人には馴染みがある、抵抗ない内容でないか? 前半は短い伝承民話が連なる。イラストは雰囲気ある。 あまり馴染みのないアステカ文明の神様、川、道路などが、あたかも人と同じようにナチュラルに登場してくる。呪術師=巫女、動物の神様=お稲荷さん。 後半は彼らの最高神ククルカンの劇仕立ての物語。 まあでももうちょっとエンタメ要素があった方が読む側のテンションはあがる。
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ラテンアメリカ文学において、魔術的レアリスムの祖といえば、キューバのアレッホ・カルペンティエールとこの人なのだそう。 全体的にとても寓話的な内容で、魔術的レアリスムはいかにして文学の一ジャンルと成ったか、知るきっかけを提供してくれた。 というのもこのレビューを書くために、著者につ...
ラテンアメリカ文学において、魔術的レアリスムの祖といえば、キューバのアレッホ・カルペンティエールとこの人なのだそう。 全体的にとても寓話的な内容で、魔術的レアリスムはいかにして文学の一ジャンルと成ったか、知るきっかけを提供してくれた。 というのもこのレビューを書くために、著者についてちょろり調べ始めたら最後、そこから芋づる式にあっちこっちへ飛ばされ、そのこと自体がもう魔術的レアリスム状態(笑) 本書はタイトル通り、グアテマラに古くから伝わる神話や伝説——古代マヤ文明にまつわる民間伝承をベースにしているらしい。 読んでいて面白かったのは、私だけかもしれないが、古代アフリカ文明を想起させる雰囲気が文章から感じられること。といっても、古代アフリカに精通しているわけではなく、何というか、脳みそが陽気に明滅する感じ……あ、まさに魔術的レアリスムじゃん。 いや、ただ単に挿絵のせい(笑) 魔術的レアリスムが中南米文学にぴたりハマった背景には、古代文明の発祥→ヨーロッパ諸国による植民地支配→独立後も独裁政治やクーデーター等で政情が不安定といった、自然文化的に豊穣でありながら幾度となく踏みにじられてきた国状の、負の連鎖みたいなものが少なからず関係しているのかな、などと思ったり。 多くの中南米作家がフランスに留学経験があって、元新聞記者なのも共通項として興味深い。 戯曲形式の『ククルカン—羽毛に覆われた蛇』が内容の微妙さも含めて印象深い。ククルカン(ケツァール)は神の鳥と謂われていて、石ノ森章太郎が『火の鳥』でモデルにしたんだそう。 なるほど美しすぎる鳥だけど、金剛鸚哥を悪者にし過ぎじゃね? インコかわいいぞぉ。金剛鸚哥は飼ってないけどw
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グアテマラ共和国は中央アメリカ北部の国。マヤ文明が栄えたところ。マヤ文明って南アメリカだと思ってたよ。 マヤ文明の影響を受けている話しとかあるのかな?
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イメージの衝突が異様な文体は、さらっと読み流しては何を書いているかさっぱりわからないし、かといってじっくり読んでもはっきりとした像を結んでくれることはほとんどないのだけれど、それでいて流れの起伏に巻き込まれてしまうような、有無を言わさない迫力が感じられて、得体の知れない興奮が湧...
イメージの衝突が異様な文体は、さらっと読み流しては何を書いているかさっぱりわからないし、かといってじっくり読んでもはっきりとした像を結んでくれることはほとんどないのだけれど、それでいて流れの起伏に巻き込まれてしまうような、有無を言わさない迫力が感じられて、得体の知れない興奮が湧き上がってくるような、そんな作品が多かった、ように思う。 最後の戯曲はテンポが悪くて読んでいて退屈してしまったのだけれど、類推できるさらに先のスケール感をぶつけてくるような雰囲気には、呑まれる。動かされるイメージが、まるで常識外れであって、やっぱり意味はわからないのだけれど、それでいいのだと思います。映像美に酔うように、読ませていただきました。
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あまり読みやすい本ではありません。 が、最後の、「ククルカン」は、素晴らしい。 これは、「意味」を考えないで、 そのまま味わえばよい。 「ククルカン」を読むだけでも、 この本を買う価値はあります。
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