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生き残る判断 生き残れない行動 の商品レビュー

4.1

39件のお客様レビュー

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2022/12/21

大災害、テロでの生存者の行動を追った作品。その現場での行動には、やはり心理的な側面の影響が大きいという。日頃から脱出ロを確認しておくなど、準備をしておくことで、現場での状況否認、パニックといった状態を軽減することができるという。さらに本書では、災害時に人々を救出するといった行動に...

大災害、テロでの生存者の行動を追った作品。その現場での行動には、やはり心理的な側面の影響が大きいという。日頃から脱出ロを確認しておくなど、準備をしておくことで、現場での状況否認、パニックといった状態を軽減することができるという。さらに本書では、災害時に人々を救出するといった行動についても、その心理を探っているのが興味深い(ある種の自己満足のためだという)。 被災者の証言と、集められた客観的事実をもとに描かれていて、冷静な視点で臨場感たっぷりに場面が描かれている。

Posted byブクログ

2021/09/03

人間は製紙が隣り合わせになるような大災害の時にどのような反応をし、どのようにふるまうのか。 筆者はテロや火災、航空機事故などの生存者たちから丹念に聞き取ることで、人間の心理と行動を説明していく。 タイトルからすると、「こうすれば生き残れます」というガイドのようなものにも思えるが、...

人間は製紙が隣り合わせになるような大災害の時にどのような反応をし、どのようにふるまうのか。 筆者はテロや火災、航空機事故などの生存者たちから丹念に聞き取ることで、人間の心理と行動を説明していく。 タイトルからすると、「こうすれば生き残れます」というガイドのようなものにも思えるが、さすがに災害やテロは予期できないパターンもあるし、例えば航空機が上空で爆発して墜落したとしたらどのような準備があろうとも助かることはないだろう。それでも、緊急時に余計なことを考える必要がない状態、つまり避難経路はどこなのかあらかじめ押さえておく、などのことが非常時には役に立つであろうことなどが紹介されている。 また、いわゆるパニックなるものはなく、正常性バイアスやただ凍り付いたように何もしないのも人々の反応によくあることである。事前にこのような知識を仕入れておくことでいざ自身が正常性バイアスの罠などにはまらないという保証はないと思うが、万一のリスクに備えて本書を読んでおくことであなたの人生の急な終焉を回避できるかもしれない。

Posted byブクログ

2019/02/12

2001年9月11日、アメリカの世界貿易センタービルが同時多発テロの攻撃で倒壊したとき、ビルの中から逃げ出すことができた人々。 2005年8月、ハリケーン「カトリーナ」がアメリカ、ニューオリンズに襲来したとき、市長による避難命令が出ていたにもかかわらず、自宅にとどまって死亡した...

2001年9月11日、アメリカの世界貿易センタービルが同時多発テロの攻撃で倒壊したとき、ビルの中から逃げ出すことができた人々。 2005年8月、ハリケーン「カトリーナ」がアメリカ、ニューオリンズに襲来したとき、市長による避難命令が出ていたにもかかわらず、自宅にとどまって死亡した住民。 1982年1月13日、エア・フロリダの旅客機が厳寒のポトマック川に墜落したとき、救助を待つ人々を救おうと、身の危険を冒して凍りつく川に飛び込んだ男がいた。 2007年4月16日、ヴァージニア工科大学で起きた銃乱射事件で、ただ一人生き残った学生がいた。 大きな災害に見舞われたとき、そこから無事に生還できる人とできない人の違いは何だろう? 東日本大震災の津波に関しても、同じようなことがいえるのではないだろうか。多くの津波にあってきた地域のはずなのに、その経験が逆に「このくらいなら大丈夫」という判断になってしまう。 私自身がその瞬間に遭遇したとき、正しい判断ができるだろうか?

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2019/01/06

9・11テロに限らず、多くの人質事件、飛行機事故、火災、洪水といった非常時に遭遇した人々の判断と行動を、生存者への綿密なインタビューと専門家への取材で解明することを試みた一冊。 上質なドキュメンタリーであり、我々一般人に対して貴重な示唆を与えてくれる啓発本でもあります。 非常事...

9・11テロに限らず、多くの人質事件、飛行機事故、火災、洪水といった非常時に遭遇した人々の判断と行動を、生存者への綿密なインタビューと専門家への取材で解明することを試みた一冊。 上質なドキュメンタリーであり、我々一般人に対して貴重な示唆を与えてくれる啓発本でもあります。 非常事態に遭遇した群衆は、取り乱しパニックに陥るものと想像しがちですが、実際にはパニックはめったに起こらない。 まず訪れるのは「否認」。 自分が生命の危険に直面していることを信じようとしない脳の働き。 すぐに何が適切な行動なのかを判断し、行動にうつすことのできる人は稀にしかいない。 そしていざ行動に遷ろうとしても、視覚・聴覚は普段のように反応せず、身体も思うようには動かすことができず、脳も通常の判断力を喪う。 即座に当たり前の避難行動ができてさえいれば失われることがなかったはずの生命が、逃げ遅れや不可解な行動により犠牲になった実例が数多紹介されます。 いざと云う時に適切な行動をとることができるようにするために我々ができることは、「備え」をしておくこと以外にありません。 非常事態に際した場合の適切な行動を十分に訓練しておくこと、頭の中でシミュレートしておくこと、避難路を実地で使ってみて経験しておくこと。 そうしておくことで緊急時に脳の反応が鈍くなってたとしても、反射的に適切な行動をすることができる。 示唆に富むことがいろいろと書かれていましたが、中でもこれはと思ったものを以下備忘も兼ねて記しておきます。 人間の主観は、リスクの評価を正確には行わない。 「リスク=確率×結果×不安あるいは楽観」である。 そして、 「不安=制御不能+馴染みの無さ+想像できること+苦痛+破壊の規模+不公平さ」である。 よって、客観的には、心臓病や自動車事故よりもリスクが低い飛行機事故に対して、過大な不安を人間は感じてしまう。 非常時の恐怖反応に打ち勝つためには呼吸法が有効である。 四つ数える間に息を吸い、四つ数える間息を止め、同じく息を吐き出し、同じく息を止める。 それを繰り返す。 呼吸は、体神経系(意識的に制御できるもの)と自律神経系(制御できないもの)という二つの神経系に跨る活動であるからだと云われている。 この本を読んで、とりあえず、自宅に煙探知機を設置することと、これからは飛行機に乗る時は避難路を確認し、CAさんの非常時の対処方法説明を聴くことはちゃんとやろうと心に決めました。

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2018/10/28

"災害、事故が起こった時の人間の行動を生存者からのインタビューと科学的、医学的見地からの解説がされる。人間を見つめた名著。 自分だけは大丈夫と思いこむことや、行動するべきなのになぜかその場にとどまろうとしたがる、など人間の行動は合理的ではない。災害もビルの崩壊、火災、洪...

"災害、事故が起こった時の人間の行動を生存者からのインタビューと科学的、医学的見地からの解説がされる。人間を見つめた名著。 自分だけは大丈夫と思いこむことや、行動するべきなのになぜかその場にとどまろうとしたがる、など人間の行動は合理的ではない。災害もビルの崩壊、火災、洪水、銃撃戦、など様々な時にその場にいた人たちのとった行動をつぶさに検証する。英雄的行為の章から最後までは感動のあまり涙がでてくる。 著者はアマンダ・リプリーさん、今後も注目するべき人物だ。"

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2018/10/12

すごく面白かった。 特に災害時の否認は、つい最近の豪雨被害で 息子の言うことを聞かず 死にそうになったおじさんの動画を ニュースでみたり、 震災の本を読んだりしてたからとても納得。 そういえばうちの夫は、いろんな状況を 想像してはそれをどう切り抜けるか、 シミュレーションを繰り返...

すごく面白かった。 特に災害時の否認は、つい最近の豪雨被害で 息子の言うことを聞かず 死にそうになったおじさんの動画を ニュースでみたり、 震災の本を読んだりしてたからとても納得。 そういえばうちの夫は、いろんな状況を 想像してはそれをどう切り抜けるか、 シミュレーションを繰り返すと言っている。 免許取り立ての時は車でもバイクでも、 広い場所で敢えて危険な運転をして いかに事故をしないか実際に試したと。 だからなのか車もバイクの運転もうまいが 周りの人は自分は事故に合わないと言いたげに 無責任な運転をしている人が多くて なかなか怖い目にもあう。 私自身は不安症レベルで高い建物や 地下、人混みでは逃げ道をいつも探してしまうから 私たち夫婦はいざとなったら大丈夫だと思いたい…笑 でも実際に何かがあったら、 少なくとも私は否認したり固まってしまいそう。 やはり日頃から想像でもいいから備えないとな。

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2016/12/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

3.5 災害復興についての本ではなく、災害の最中に何が起こるかを書いた本。いかなる種類の災害においても三つの段階を辿る。①否認(立ち遅れ、リスク)②思考(恐怖、非常時の回復力、集団思考)③決定的瞬間(パニック、麻痺、英雄的行動)とのこと。各々の項目について、例を上げ実際に起きたことを解説しながらノンフィクション的な説明が入る。話が詳細になりがちで、結論が見えなくなりそうになるが、災害時にどういった行動や考えに至ることがあるか知ることで、自分にイメージ力をつけて、実際に災害時のイメージをして準備することで災害時に役立てよう的なことが結論と思われる。

Posted byブクログ

2016/02/04

山と渓谷にあったリスクマネジメントに関する本の紹介で興味を持って読んだ。 山とは直接関係ないけれど、想像もしていなかった事態に遭遇した時に思考停止/行動停止してしまうという人間の特徴がよくわかった。事態を事前に想定し、考えなくても動けるまでに整えておくことの大切さを知った。

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2014/03/16

リスクはわかりやすく市民に伝えるべきという行があってその通りなのだけど、この本自体がわかりやすくシンプルにまとまってるわけではないので説得力にかける。 テーマは興味深いのだけど、読みにくいせいで読んだあと頭に全く残らない。こういう本はさっさと諦めて、同じテーマのうまくまとまって...

リスクはわかりやすく市民に伝えるべきという行があってその通りなのだけど、この本自体がわかりやすくシンプルにまとまってるわけではないので説得力にかける。 テーマは興味深いのだけど、読みにくいせいで読んだあと頭に全く残らない。こういう本はさっさと諦めて、同じテーマのうまくまとまってる本を読み直そうという教訓を得た。 緊急時に生き延びるには。 いつも、緊急避難路は把握しておく。 逃げる時は荷物を持ってはいけない。 東日本大震災の時は、確かに否認に近いリアクションをしたな。 人は対処できると思うだけで、ストレスを受けてもよりうまく行動できるということが、様々な研究で明らかにされている。

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2014/01/06

■危機と科学 A.科学技術があっても、それを活用する習慣がないと、警報もただの音になる。 B.正常性バイアスによって、わたしたちは例外を認識するのが遅い。 C.NISTの調査結果によると、世界貿易センターから脱出したと推定される15,410人が各階を降りるのに平均して1分か...

■危機と科学 A.科学技術があっても、それを活用する習慣がないと、警報もただの音になる。 B.正常性バイアスによって、わたしたちは例外を認識するのが遅い。 C.NISTの調査結果によると、世界貿易センターから脱出したと推定される15,410人が各階を降りるのに平均して1分かかっている。 D.凍りつくことは、災害時の人間の反応のなかでも、逃げることと同じぐらいよくみられる現象である。 E.警告が単に何をすべきかではなく、なぜそうすべきなのかを説明している例がめったにない。 F.知らせなかった場合に失うリスクも考える必要がある。 G.ただの色によって警告されたリスク分類システムは警報システムではない。 H.人は90デシベル以上の予期せぬ物音を聞くと、本能的に恐怖を覚える。 I.恐怖は人間に能力を与えてくれることもあれば、能力を奪ってしまうこともある。脳は何を優先して、何を無しすべきかを決定しなければならない。筋肉は張り詰めて準備を整える。体は独自の天然の鎮静剤を作り出す。だが、周囲の状況を判断したり理解する能力は低下する。コルチゾールは複雑な思考を扱う脳の一部を妨げる。突然、問題を解決するのが困難になるのだ。 J.脅威に反応する時間が長くなればなるほど、脳のより精巧な能力を開拓することができる。状況のなかで脅威をとらえ、選択肢について考え、理知的に行動することができる。 K.極度に圧迫された状況の下では、体は消化や唾液分泌、ときには膀胱や括約筋のような、肝要ではないいくつかの機能を放棄する。 L.戦闘呼吸、4つ数える間に息を吸い込み、4つ数える間息を止め、4つ数える間にそれを吐き出し、4つ数える間息を止めるサイクル。

Posted byブクログ