カスタム・チャイルド の商品レビュー
なんとなく久しぶりな壁井さん。 いつものごとく歪んでるなーというのが友達との共通見解でした。 発想がすごいよなー
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壁井さんが描く粘着質な人間が好き^^ よくあるSF的設定からここまで薄暗い青春を描けるのはさすがだなあ……。春野と清田の自分にはないものを求める様子、そしてレイのまさかの展開が何とも言えない。前作のキャラもちょこちょこ出てきてにやにやもの。
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そもそも私は前作の無印から好きだったんだけど、やっぱりこの世界観とか絶妙でざらついてて大好き。 遺伝子をいじれるっていうことで起こりうるトラブルっていうのは、この作品の中の冬上さんしかり春野しかりでいろいろあると思うんだけど、それを遺伝子を書き変えること自体が罪なのではなくて、そ...
そもそも私は前作の無印から好きだったんだけど、やっぱりこの世界観とか絶妙でざらついてて大好き。 遺伝子をいじれるっていうことで起こりうるトラブルっていうのは、この作品の中の冬上さんしかり春野しかりでいろいろあると思うんだけど、それを遺伝子を書き変えること自体が罪なのではなくて、それをつかう人間によるところが非常におおきいんだなあという当たり前の感想しかもてなかったんだけど。 好感が持てる人(ちかさんとか)は本当に素敵で、まあ対比とか言う意味もあるのだろうけど、バランスがいいなあと思った。
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自分が傾倒する壁井ユカコの新作である。個人的に不幸や悲劇、憎しみといったキーワード調の物語展開は非常に苦手なのだが、この作品はそうした内容を持つにも関わらず、あまりそうした印象を受けさせなかった。壁井ユカコの作品は総じて文体や物語内容、全体の構成が高度に洗練されているが、この小説...
自分が傾倒する壁井ユカコの新作である。個人的に不幸や悲劇、憎しみといったキーワード調の物語展開は非常に苦手なのだが、この作品はそうした内容を持つにも関わらず、あまりそうした印象を受けさせなかった。壁井ユカコの作品は総じて文体や物語内容、全体の構成が高度に洗練されているが、この小説も例に漏れず見事にまとめきられている。キャラクターは各々特長と欠点を備えており、主人公の三人は非常に魅力的である。後半に用意された感情的盛り上がりは流石というほかない。前作「カスタム・チャイルド」に引き続き、壁井ユカコの豊かな物語世界を味わえる作品である。
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さわりだけ読んで終わらせるとか無理でした。 本屋で読みきるとかまたやってるし。 遺伝子ですべてが決められるとかないと思うけれども、 そう思ってしまう人も今後増えてくるでしょうね。
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電撃中心に多作な方なんですね。知らなかったです。 今回のメディアワークス文庫の最初のラインアップに なるべくしてなった上に、作者曰くライフワークと 言える作品だそうで、その熱と凄みは伝わってきます。 北川歩美の書くサイエンスものに少しだけ 似てる気もしますが、ミステリ色はほとん...
電撃中心に多作な方なんですね。知らなかったです。 今回のメディアワークス文庫の最初のラインアップに なるべくしてなった上に、作者曰くライフワークと 言える作品だそうで、その熱と凄みは伝わってきます。 北川歩美の書くサイエンスものに少しだけ 似てる気もしますが、ミステリ色はほとんどなく、 どちらかというと斜め目線でシニカルな青春もの という印象が強いです。 結構ダークで嫌悪感を抱かせる反面、青臭い年代の 素直な本音で暖かい気持ちにさせたりと、揺さぶらせて くれます。上手いかも。 ラストもまさにその感情の寒暖を揺さぶる結末で 印象に残ります。結構好き...かも。
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電撃文庫で出てた前作は、好感の持てる結末だったような気がするけど、今作はなんとまぁどろどろ暗ーい感じでした。多分、苦しんでいる女の子を半ば強引に助けて、衝突しつつも最後はハッピーエンドだったり、ちょっと斜に構えた男の子が最後はまっすぐで前向きな感じになったりとか、そういう典型的な...
電撃文庫で出てた前作は、好感の持てる結末だったような気がするけど、今作はなんとまぁどろどろ暗ーい感じでした。多分、苦しんでいる女の子を半ば強引に助けて、衝突しつつも最後はハッピーエンドだったり、ちょっと斜に構えた男の子が最後はまっすぐで前向きな感じになったりとか、そういう典型的な終わり方にしたくなかったんだろうなぁとか思ったり。どうにも、登場人物の誰にも同情しづらくて、もやもやーとした感じのまま終わっちゃったなぁと思います。救いがないし。でも、それでもやっぱり面白かったなぁと思います。自分の子供を所有物のように扱ってしまう親とか、それでも断ち切れないのが親子なわけで、とか、他人に遠慮なく干渉できる姿が羨ましくて、でも鬱陶しい気持ちとか、一言二言では表現できないもやもやした感情を描く、なんというか小説の醍醐味みたいなのを味あわせてくれる作品だなぁと思います。
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電撃文庫のカスチャと舞台を同じくした新作です! 楽しみにしていました。 メインの登場人物は3人の高校生。 2人はトランスジェニック。 1人はジーン・ナチュラル。 この壁を乗り越えながら前へ進む3人。 青春ですなぁ。 後半から物語は壁井先生らしい(私の主観ですが)、どろりとして...
電撃文庫のカスチャと舞台を同じくした新作です! 楽しみにしていました。 メインの登場人物は3人の高校生。 2人はトランスジェニック。 1人はジーン・ナチュラル。 この壁を乗り越えながら前へ進む3人。 青春ですなぁ。 後半から物語は壁井先生らしい(私の主観ですが)、どろりとして、じわじわきて、息が詰まるというか、狂気的な、そんなストーリーになっていきます。 そんなところが大好きですv 人物は春野が好きですね。 倫も知佳さんも。 前回のカスチャに出てきたテッちゃんとか出てきて嬉しかったです。 懐かしいみんなにもう一度会いたいので前カスチャも近いうちにもう1回読みたいです。
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待ちに待ったカスチャ二作目。壁井さんの世界観の中ではカスチャが一番好きです。ダーヴィンズ・ヒルって聞くだけでわくわくしてくる。でも想像してたより前作の影はなかったかなあ、お好み焼き屋のバイト君やらヤンロンズ・デリやらには大変にやにやさせていただきましたけど。 あと、前作よりスラム...
待ちに待ったカスチャ二作目。壁井さんの世界観の中ではカスチャが一番好きです。ダーヴィンズ・ヒルって聞くだけでわくわくしてくる。でも想像してたより前作の影はなかったかなあ、お好み焼き屋のバイト君やらヤンロンズ・デリやらには大変にやにやさせていただきましたけど。 あと、前作よりスラムの異質さが強調されてたような。まあそもそも前作はスラムの話でもあったからたくさんスラム内部の様子を描いてたんだろうけど、今回の主人公達は普通に学校に通っている学生だものね。前作の主人公たちとは住んでる世界がずれてる感じでした。 最後まではっきりしたヒロインがいないってのは彼女の小説では珍しいのかな。レイはおそらく全体を通してのヒロインではないのだろうし。 展開も話の内容もすごく好み。清田の「うちの汚点」発言に胸が苦しくなったというかすごく共感したというか、うん、親が変だと大変だよなあ。 壁井さんが作るキャラクターっていうのは本当に皆魅力的で、ずるずると物語に引きずり込まれていってしまう。久しぶりに彼女のSFが読めて幸せでした。シリーズ化してくれないかなあ。 クライマックスがやや駆け足だった気がするので星四つ。でも、すごく好きな小説です。 あと、壁井さんって春って漢字好きだよね、きっと。
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“これが吉一であるはずがない。春野だ。進むごとに冬上は確信するとともに、余計に混乱した。 いつから?どこまでが吉一で、どこからが春野だったのだ?昨夜、吉一家を春野が訪れた顛末を侮蔑的に語ってさも愉快そうに高笑いしていたのは?常にテストの上位にいて実家の母親の鼻をさぞや高くしている...
“これが吉一であるはずがない。春野だ。進むごとに冬上は確信するとともに、余計に混乱した。 いつから?どこまでが吉一で、どこからが春野だったのだ?昨夜、吉一家を春野が訪れた顛末を侮蔑的に語ってさも愉快そうに高笑いしていたのは?常にテストの上位にいて実家の母親の鼻をさぞや高くしているのは?どう考えても吉一ではないのか。それが吉一ではなく春野だったというのなら、むしろそのほうが恐ろしい。自分のことをあんなふうに徹底的に蔑むことができるなんて。あんなふうに嘲笑することができるなんて。 「着いたよ」 春野が言った。” 分厚い。 文庫のくせして分厚い。でも、すぐに読めた。 始まっていきなり「ヤンロンズ・デリ」とか卑怯だ。何このお店チェーン店だったの? しかもお好み焼き屋まで出てくるなんて卑怯だ。無駄ににやにやしてしまう。バイト君とか。 母親に返品された春野、父親のコレクションのひとつとして作られた冬上、遺伝子操作されなかったキレーな清田。 キャラの性格は今までの壁井さんの作品とどれも似つかない感じ? あえていうなら春野のけだるさ、とか。 冬上の思考回路とか、春野の歪んだ精神状態のところとか、壁井さんにしか描きだせないものだと思うよ。 最後はきれいに纏まったんだけど、それでもどこか歪み感があるってのが良い。 今回は、泣かずにすんだ。良かった。 “「春野……てめえはほんっとに人をムカつかせる天才だな」 「いやぁ俺なんてまだまだ。清田のウザさには敵わないね」 「どこでどうなってそこまで性格が歪んだのか、お前の育ちに心っから同情するぜ」 「冬上だけじゃなくて俺にまで同情してくれるなんて、清田クンの心根の優しさには涙がでるなあ。……余計なお世話だ。偽善者」 双方とも絆創膏まみれの顔に引きつり笑いを浮かべつつ瞳にはぎらぎらと殺気をみなぎらせ、机の下では足を踏んだり踏まれたりの攻防戦。春野のほうが脚が長いので清田は不利だ。異様な空気を漂わせる二人の席の近くを他の受講生たちが露骨に避けて通る。最前列の廊下側の端から一つめと二つめはなんだか知らないが暗黙のうちに清田と春野の指定席になっていた。なんでこいつと仲良く隣りあわねばならんのかとむかむかするが、もともと清田はいつもこのへんに座っていたのだから自分から席を変えるのは癪に障る。春野のほうがどっかに行くべきなのだ。”
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