[映]アムリタ の商品レビュー
評価:☆5 自主制作映画に参加することになった芸大生の二見遭一。その映画は天才と噂されるつかみどころのない性格の女性、最原最早の監督作品だった。 変わった彼女と主人公とのどこかずれた軽妙なやり取りを中心とした笑いのセンスは野崎まど劇場にも通ずるものがあって笑えたww だが本...
評価:☆5 自主制作映画に参加することになった芸大生の二見遭一。その映画は天才と噂されるつかみどころのない性格の女性、最原最早の監督作品だった。 変わった彼女と主人公とのどこかずれた軽妙なやり取りを中心とした笑いのセンスは野崎まど劇場にも通ずるものがあって笑えたww だが本作の見所はそこではなく(そこも魅力だが)、天才、最早の常軌を逸した天才ぶりにある。 それは感動や称賛を超えて畏怖を感じさせ、狂気とも言える真相にぐいぐい引き込まれた。 最後の最後まで予想出来ない展開に進んでいくので読んでるときの緊張感が半端じゃなかった。 後味的にはもっとスッキリする作品の方が個人的に好みではあるんだけど、それ以上に惹きつける魅力があった。 「映画を見て、人生を過ごしたのと同じだけの感動を与えられればいいんです」 "その仕事、その振る舞い、その思考。彼女なら僕らが想像もつかないようなことをするかもしれない。できるかもしれない。それだけが僕らを不安にさせた。"
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大学の映画学科に在籍する二見遭一(ふたみ・あいいち)は、画素(かくす)はこび、3年生の兼森(かねもり)さん、そして1年生で「天才」の呼び声の高い最原最早(さいはら・もはや)とともに、『月の海』という自主製作映画を撮ることになります。 この作品は、最早の元彼で、交通事故で亡くなっ...
大学の映画学科に在籍する二見遭一(ふたみ・あいいち)は、画素(かくす)はこび、3年生の兼森(かねもり)さん、そして1年生で「天才」の呼び声の高い最原最早(さいはら・もはや)とともに、『月の海』という自主製作映画を撮ることになります。 この作品は、最早の元彼で、交通事故で亡くなってしまった定本由来(さだもと・ゆき)の遺作を、最早が絵コンテに仕上げたものだとのこと。初めて最早の絵コンテを見た遭一は、丸2日以上、その作品に魅せられてしまうことになります。 撮影は順調に進み、その一方で遭一は、類まれなツッコミスキルを活かして最早との交流を深めていきます。ところが、撮影の途中で、最早が風を引いてしまいます。画素さんとともに最早の見舞いに訪れた遭一は、彼女の部屋で『アムリタ』という、『月の海』とほとんど同じ内容の絵コンテを目にします。 その後、撮影・編集は無事に終わり、『月の海』が完成しますが、その後最早は失踪してしまいます。そんな中、西医科大学の院生をしているという篠目ねむという女性が、遭一たちのサークルを訪れます。彼女は、最早の作った作品には特殊なサブリミナル効果があることを発見したと遭一に告げます。このことがきっかけで、遭一は最早の本当の狙いに気づきます。じつは彼女がほんとうに作りたかったのは、『アムリタ』であり、『月の海』の撮影はその口実にすぎなかったのではないか。そして『アムリタ』は、見る者の人格を定本由来に変えてしまう効果があったのではないか。しかし彼女は、『アムリタ』を人に見せることをためらい、失踪したのではないか。遭一は最早の部屋に残された絵コンテを使って、『アムリタ』を完成させます。 そして彼は、最早に『アムリタ』の完成を報せるメールを送ります。彼の報せを受けてやってきた最早に、遭一は自分が『アムリタ』を見て、彼女の愛を受け入れる決意をしたことを告げます。そんな遭一の決意を知り、最早は『アムリタ』の上映を中止させ、2人は結ばれます。 こうしてめでたしめでたし、と思いきや、最後にとんでもないどんでん返しが仕掛けられています。ただ、それが作品全体にとってどのくらいプラスになっているのか正直なところよく分かりません。その直前で締めくくりになっていても、本作の評価は依然高いものになっていたはずだという気もします。
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自主映画の製作に役者としてスカウトされた主人公。撮影担当の画素が本命、のはずが色々あって監督最原のほうとくっつけられそうになったりしながら、撮影は進む。 一芸入試に自作映画のフィルムを送りつけ、それで「天才」という呼び名を欲しいままにした監督・最原最早の描いた絵コンテを見た主人公...
自主映画の製作に役者としてスカウトされた主人公。撮影担当の画素が本命、のはずが色々あって監督最原のほうとくっつけられそうになったりしながら、撮影は進む。 一芸入試に自作映画のフィルムを送りつけ、それで「天才」という呼び名を欲しいままにした監督・最原最早の描いた絵コンテを見た主人公は、意識がなくなるまでにその絵コンテに吸い込まれるように魅入られてしまう。「天才」が作ろうとしたフィルムの内容とは・・・。 ホラーともミステリとも単なる学園青春モノとも形容し辛い、読後に自分の中の何かが持っていかれるような後味悪さとでもいうか、何か持ってるよねこれは、な、話。
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文章は維新さんを模して失敗した感じ 維新さんみたいな言葉遊びは普通は出来ないから止めておいた方がいいね 内容は後味の悪いものだった 僕はこういう思考がこんがらがる系の小説は好きだけどなかなかもうやり尽くされてるからなぁ 映画って言うのに焦点を当ててるのが珍しくて良かった 映画好...
文章は維新さんを模して失敗した感じ 維新さんみたいな言葉遊びは普通は出来ないから止めておいた方がいいね 内容は後味の悪いものだった 僕はこういう思考がこんがらがる系の小説は好きだけどなかなかもうやり尽くされてるからなぁ 映画って言うのに焦点を当ててるのが珍しくて良かった 映画好きなんだろうなぁって思いながら読んでた まどさんはこの作品が映画になれば嬉しいのかな? 怖いかな? そんなことは不可能なのかな?
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普通のラノベと思ったら大間違いだ! まー無栄養なダジャレを置いといて、完成度は高い! でも、全能な天才だったら、映画だけではなく色んなものを媒材にしてもいいんじゃないかなとも思ったね
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野﨑まどさんの作品は、最初に『know』、次に『なにかのご縁』を読み、そのギャップに戸惑ったものですが、 第一作がこれだというのは、何だかとても納得。 軽妙さと不穏さの入りまじり具合にざわざわします。
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芸大生の二見は天才と噂される女性最原の元、自主製作映画に参加することになった。 天才とは半信半疑だったが、コンテを読み始めた直後にとりつかれ2日半も読み続けてしまった。 そして、撮影へのめり込んでいき、映画が完成するのだが……。 怖かった。 最初はコメディタッチでラノベっぽく普...
芸大生の二見は天才と噂される女性最原の元、自主製作映画に参加することになった。 天才とは半信半疑だったが、コンテを読み始めた直後にとりつかれ2日半も読み続けてしまった。 そして、撮影へのめり込んでいき、映画が完成するのだが……。 怖かった。 最初はコメディタッチでラノベっぽく普通の撮影風景だったのだが、後半はどんどんシリアスに。 どんでん返しはホントにやられた。 これが野崎まどワールドなんだろうなぁ。 これが野崎さんのデビュー作なのですが、この人の世界に嵌るのは分かる気がする。 『2』という作品があるのだが、『2』以前の作品を読んだ状態で『2』を読むと楽しいだろうなぁ。
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作者と登場人物「最原最早」に踊らされる物語。 後半は続きが気になって一気に読んでしまった。 シーンの切り替わりが少ないのに濃くて個人的には好き。
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ミステリとかSFとか枠をはめなければ小説として大変楽しめる。天才は天才であり、必要以上に説明しないのは好き嫌いだろうが、その設定で紡がれる世界観、物語に魅力があるので良し。
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久々に一気読み。 短い話だし、かなりライトに読めるので。 いやー面白かった。 この作者の作品一つだけ読んだことあってまずまず面白かったのだが、たまたまデビュー作を見つけてつい買う。 俺はデビュー作に弱い。。w でもサクサク読める割によく考えられていて楽しい。 「天才」の...
久々に一気読み。 短い話だし、かなりライトに読めるので。 いやー面白かった。 この作者の作品一つだけ読んだことあってまずまず面白かったのだが、たまたまデビュー作を見つけてつい買う。 俺はデビュー作に弱い。。w でもサクサク読める割によく考えられていて楽しい。 「天才」の見せ方についても、森博嗣さんとはまた別の見せ方。こっちの方が人間くさいw これはこれであり。 きっと他の作品も読んじゃうな。 野崎まどさんですか。
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