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世論の曲解 の商品レビュー

3.8

42件のお客様レビュー

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2011/04/09

[ 内容 ] 新進気鋭の政治学者が、印象論を排したデータ分析を駆使して、マスコミ報道の問題点や、世論調査を曲解して惨敗した自民党の迷走を描き出す。 [ 目次 ] 第1章 寝た子を起こした?―2005年総選挙・郵政解散の意味 第2章 逆小泉効果神話―曲解される2007年参院選の「...

[ 内容 ] 新進気鋭の政治学者が、印象論を排したデータ分析を駆使して、マスコミ報道の問題点や、世論調査を曲解して惨敗した自民党の迷走を描き出す。 [ 目次 ] 第1章 寝た子を起こした?―2005年総選挙・郵政解散の意味 第2章 逆小泉効果神話―曲解される2007年参院選の「民意」 第3章 逆コースをたどる自民党―安倍政権はなぜ見限られたのか 第4章 「麻生人気」の謎―2007年総裁選・迷走の構図 第5章 作られた人気―「次の首相」調査の意味 第6章 世論とネット「世論」―曲解が生まれる過程 第7章 「振り子」は戻らない―2009年総選挙・自民党惨敗の表層と底流 終章 自民党大敗の教訓―世論の曲解を繰り返さないために [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2011/02/06

この中の意見が正しいとか正しくないとかそういった事とは別に、世の中とかメディアの流れの読み解き方がわかった、という意味で星4つ。 「世論」を本当に導き出す事は難しいんだな、と。 データって信用を上げるけど、それだけ見る目を持って見なければ危ないものなんだな、と。 あーーそれに...

この中の意見が正しいとか正しくないとかそういった事とは別に、世の中とかメディアの流れの読み解き方がわかった、という意味で星4つ。 「世論」を本当に導き出す事は難しいんだな、と。 データって信用を上げるけど、それだけ見る目を持って見なければ危ないものなんだな、と。 あーーそれにしても政治にうとい私には難しいというか読みにくかったわ。

Posted byブクログ

2011/01/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった。 いや、国民が小泉路線を望んでいるのなら、まだこの国にも希望がある。 もう目をそむけるのはやめなければいけない。 自分がよければいいという考えが、1000兆円の借金を生んだのだ。 やはりここでも「人は自分の信じたいことを信じる」のだと再度認識した。 俺もマクロとミクロをしっかり区別して世の中の情報を消化しないといけないと思った。 --気になった言葉-- そういう意味では自民党はB層の動員に失敗している。したがってB層動員の選挙戦略を担った「コミ戦」なるものが自民党の圧勝を導いたとするのは神話である。(P43) (民主党の)最も大きな躍進理由は、野党間の選挙協力である。(P91) 小泉の評価が高いままで、自民党や安倍の評価が落ちていることからすれば、むしろ、小泉の示した方向性、政策路線を踏襲しなかったために、自民党から離反したのだと解釈したほうが自然だということになる。(P104) 産経新聞は、こういった右寄りの購読者を背景とした新聞なのである。(P131) 彼らは「世の中のひとびとは麻生が好きに違いない」という先入観を抱いており、その結果、それをサポートする数字に飛びついてしまったのである。(P195) 筆者の感覚では、政治や社会に強く関心を抱いている人々ほど歪んだ「世の中」のイメージを有している。(P204) 小泉後の自民党が指示を失ったのは、この世論と「世論」の乖離を理解し、整理できなかったからである。(P273)

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2011/01/05

2011 1/5読了。Amazonで購入。 データを自分の考えに合致するように都合良く解釈してしまう「確証バイアス」による世論の曲解を避けるために、多角的にデータを集めて「読む」ことが重要である例として、2005年の郵政解散から2009年の自民党大敗に至るまでの自民党政治の失敗を...

2011 1/5読了。Amazonで購入。 データを自分の考えに合致するように都合良く解釈してしまう「確証バイアス」による世論の曲解を避けるために、多角的にデータを集めて「読む」ことが重要である例として、2005年の郵政解散から2009年の自民党大敗に至るまでの自民党政治の失敗を取り扱った本。 要はデータリテラシーの本か、と思って読み進めてたら終章にまさに「政治の専門家や在野の床屋政談家のみなさまの、世論や選挙の数字に対するリテラシーを高められればと、この本を出した次第」とあった。 自分のフィールドでは注意していても日常生活ではなかなか多角的にデータを集めて・・・ってのは厳しいところもあるが、政治の専門家であるところの人には本来、当たり前にやっていなければいけないことのようにも思う。 もっとも、その前提としてデータを読む能力が浸透している必要があるのだろうが・・・冒頭で図表を多用することに断り書きがあって驚いたが、図表が多い本に馴染みがないって言われてしまうともうその時点でかなり辛いものがあるものな・・・

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2011/01/02

 テレビや新聞で、「次の首相はだれ?」といった質問や、また毎週のように、そのときの首相の支持率や、政党の支持率を見ますが、それをストレートに受け取り行動してしまうことの危うさがよくわかる1冊です。  サブタイトルの「なぜ自民党は大敗したのか?」にある通り、自民党から民主党の政権...

 テレビや新聞で、「次の首相はだれ?」といった質問や、また毎週のように、そのときの首相の支持率や、政党の支持率を見ますが、それをストレートに受け取り行動してしまうことの危うさがよくわかる1冊です。  サブタイトルの「なぜ自民党は大敗したのか?」にある通り、自民党から民主党の政権交代について、選挙そして世論調査の分析からその原因を、2005年の小泉郵政選挙や2000年以降の国政選挙などとの比較で展開されます。  なぜ、2005年自民党は大勝できたのか?それはこれまで不得意とする都市部、そして非常に流動的に柔軟に反応する若年者層に受け入れられたからであり、それは小泉純一郎氏が、新しい自民党、今までの流れと大きく違う自民党を展開したからでした。しかし、その後の自民党は、その新しい形から、結局また旧来型の自民党に舵を切る形になり、せっかく新たにひきつけた層が離れていったことが分かります。  小泉首相の後の、特に、自民党政権を民主党に渡すことになる麻生首相については、その前の安倍・福田と麻生氏を破り首相になった者たちが1年で消え、首相候補として残り続けた結果とネット世論 に踊ったメディアとそれを信じた自民党が、ひきつけた層から見捨てられ、大敗するということでした。  世論調査について、メディアの調査方法の変遷や、また調査質問文の変更などに及ぶ分析・比較は、メディアの行う「世論調査」を額面通り信じることの恐ろしさがよくわかります。大敗の理由の一つは、メディアリテラシーの無さに起因していることなんだと思います。

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2010/11/14

内容はまぁそうだろうという話が書かれているのだが、メディアによる世論調査の駄目駄目な部分が非常に具体的に書かれていたので、そこはとても面白かった。

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2010/09/16

「菅vs小沢」の分析もお願いしたいところ。ネット上の小沢待望論は所詮「外野の声」だったということか。過剰な期待は裏切られる。「普通の人々にとって、政治とは遠目で眺めるもの」とは至言。

Posted byブクログ

2010/09/15

グラフが多くて読むのが大変でしたが、その分非常に説得力のある内容でした。 ネット上の言論は大した影響力を持っておらず、世論を正確に反映するものではないと論じた部分が特に面白かったです。

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2019/01/06

【きっかけ】 土曜日の朝は、辛坊治郎の「ウェークアップ!ぷらす」。 4/17に出演していた竹中平蔵が「最近永田町で読まれている本と・・。」と紹介。 で、すぐにアマゾンクリック。夕方には届いた。 【感想】 気鋭の政治学者による、世論調査のデータ分析。 「世論」と世論...

【きっかけ】 土曜日の朝は、辛坊治郎の「ウェークアップ!ぷらす」。 4/17に出演していた竹中平蔵が「最近永田町で読まれている本と・・。」と紹介。 で、すぐにアマゾンクリック。夕方には届いた。 【感想】 気鋭の政治学者による、世論調査のデータ分析。 「世論」と世論 のちがい。 初めての政治関連本だが、面白い。そういうことなのかと納得する。 メディアや評論家、そして政治家自身などがいかにいい加減かがわかる。 データできちんと証明してくれるところがきもちいい。 http://twitter.com/sasakitoshinao/status/7226458045 (佐々木俊尚) http://news.livedoor.com/article/detail/4524112/ (池田信夫アゴラ) 【ポイント】 55/05年選挙での投票率上昇と小泉自民党の圧勝は、投票環境改革がなければ起こらなかった。  投票環境改善で新たに加わった人々が既存の人々と大きく異なる政治意識と投票行動を示した。 61/政治関心が高い固定客を維持すれば、選挙に勝てる時代は過ぎ去り、  いかに中関心、低関心の人々を惹きつけ、満足させるかが選挙結果を決める。 67/自民党は結党当時は、イデオロギー路線だったが、高度成長期の中で、経済・福祉重視の政策路線を採用してきた。 73/安倍政権下における古い自民党の「復活」  「戦後レジームからの脱却」というイデオロギー路線の復活。国民が興味関心のないことを、無意味に叫び続けても支持に結びつかないのは当然。 95/07参院選の自民党の大敗は、野党間強力や有力候補の擁立など、野党側一人区の選挙戦略がうまくいったのが原因で、自民が負けたというより、「野党が大勝した」  これは、地方の衰退で地方が反乱したという「逆小泉効果」が原因ではないのに、政治家、報道関係者はこの「神話」を信じて、自民党は間違った総括をして、自らを浮揚させる方向とは違う、小泉以前に戻すという逆コースをたどった。 99/★07年参院選は、「小泉構造改革による農村の衰退が招いた自民党の大敗」ではなく、「一人区における民主党を中心とする野党間協力の成功」だった。  ★都市部での若年・中年の支持を獲得することで、今まで農村依存で、衰退が必至の運命だった自民党に勢いを取り戻したのが、小泉改革路線だった。   安倍政権は、小泉が新たに惹きつけた層をつなぎとめることができなかった。 115/小泉が07年参院選でも自民党を率いていたら、若年・中年の離反をある程度とめておられたが、安倍は郵政造反組を復党させ、自民当の既得権打破を口にせず、イデオロギー路線で突っ走っては、引き止められない。 127/マスメディアによる「麻生人気」は、?若者、ネット、秋葉原、街頭演説等の限定範囲と?産経新聞を中心とするフジサンケイグループの「よいしょ報道」であった。 131/産経新聞は、右寄りの購読者を背景とした新聞なのである。 180/「作られた人気 次の首相調査の意味」   派閥の中で徐々に地位をあげ、議員内での「アイツはできる」という評判が高まり、支持団体から評価されることで資金力を上げ、派閥の領袖となり総裁選を戦い、最終的に首相になる昔の自民党の立身出世とは全く違う構造がある。 181/安倍・福田・麻生の内閣支持率の急落は、「次の首相」調査の数字や初期の内閣支持率が脆いものだということをしめす。 182/小泉が圧倒的支持をえたのは、自民党議員とメディアが作り上げた中身のない「首相にふさわしい」という雰囲気ではなく、改革の必要性を国民に訴え、それをできるのは自分だというメッセージを発したからである。 183/小泉が成功したのは、世論が望むことを合致することを発言し、ある程度その方向へ自民党政権を持っていったからである。世論を読み違えた安倍は失敗した。 237/小泉以降の自民党は世論の読み取りに失敗し、政権の進路を世論とは逆の方向にとり、突き進んできた。 272/世論と「世論」の峻別   普通のひとにとって政治は、遠目で眺めるもので主体的に関わるものではない。   ときどき、客観的に見て冷静にみさだめればよいという感覚の雑事である。   一方、政治家やその周囲の人は、普通の人たちは見えず、世論調査や選挙結果のような数字だけが伝わる。   世論調査や選挙結果の数字でしか伝わらない世論と、政治家や報道関係者の目のまえにある、現場で感じる「世論」とはかなり異なっている   小泉語の自民党を支持を失ったのは、この世論と「世論」の乖離を理解し、整理できなかったからである。  

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2010/05/05

小泉さんが辞めた後の総選挙で自民党が大敗したのは、農村の自民党支持基盤を破壊したから?あれほど人気があった麻生さんが総選挙で大敗したのは何故? このような疑問、勘違いに統計データに基づいて答えてくれる著。 著者が指摘するように、政治に関しては無根拠で自分勝手な意見がまかり通ってい...

小泉さんが辞めた後の総選挙で自民党が大敗したのは、農村の自民党支持基盤を破壊したから?あれほど人気があった麻生さんが総選挙で大敗したのは何故? このような疑問、勘違いに統計データに基づいて答えてくれる著。 著者が指摘するように、政治に関しては無根拠で自分勝手な意見がまかり通っている。上に挙げた「小泉が破壊したせい」「麻生さんは国民的人気があった」はその一例。 私達国民は一部の識者やマスコミによってそう思わされてきたが、実は全くそうではない、というのが本書の主張。 データに基づいているため、感銘で分かりやすく、誤解を否定してくれる。 ただ、途中からデータが少し怪しくなってきている。 このことと、あくまで政治家は世論に忠実であれば良いという意識を植え付けてしまわないかということがちょっと問題。(もちろんそれでいいという意見もあるだろうが)

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