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水魑の如き沈むもの の商品レビュー

3.8

55件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    28

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2011/01/10

刀城言耶シリーズ第5作。 2010年このミス第7位、本ミス第3位。 土俗的な風習の残る閉鎖的な村で起こるホラーな事件が特徴のこのシリーズだが、今回も珍しい雨乞いの儀式を見に行った言耶の前で事件が起こる。衆人環視の湖上の船での殺人、さらに儀式の関係者が次々と殺されて… 冒頭の3人で...

刀城言耶シリーズ第5作。 2010年このミス第7位、本ミス第3位。 土俗的な風習の残る閉鎖的な村で起こるホラーな事件が特徴のこのシリーズだが、今回も珍しい雨乞いの儀式を見に行った言耶の前で事件が起こる。衆人環視の湖上の船での殺人、さらに儀式の関係者が次々と殺されて… 冒頭の3人での説明部分は少々浮いている気がするが、関係者の少年視点の家族の物語が始まると俄然面白くなる。ミステリ的なサプライズよりも、水魑を祀る神社の宮司たちが治める村の特殊性がなかなかに恐ろしくてよかった。

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2011/01/03

前二作に比べるとなんとなくいろんな要素がうまくまとまっていないような気がします。 とはいえ、増儀、減儀やらの設定はなんだか面白いし、なんのかんの言っても一気に読んでしまったので読んで損をするということはないと思います。 でもなんだかモヤっとしたものが残ってしまったのも事実。 文庫...

前二作に比べるとなんとなくいろんな要素がうまくまとまっていないような気がします。 とはいえ、増儀、減儀やらの設定はなんだか面白いし、なんのかんの言っても一気に読んでしまったので読んで損をするということはないと思います。 でもなんだかモヤっとしたものが残ってしまったのも事実。 文庫になったら加筆を期待してまた読んでしまうかもしれません。

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2010/12/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

戦後の背景とか若干のホラー要素とか、なかなか味があっておもしろかったです。 最後の犯人当てのところが、あくまで推測で終わってしまって当人からの独白もなく終わってしまうところがスッキリしなくて残念でした。

Posted byブクログ

2010/10/15

奈良県蛇迂郡の波美地方で珍しい雨乞いの儀が行われるという情報を聞いた刀城言耶は編集者の祖父江偲とそこを訪れる。 村の水源である湖に棲むという水魑(みづち)様に供物を捧げる儀式である。 そこは4つの村(五月夜村・物種村・佐保村・青田村)からなり、それぞれの村にある4つの神社(水使神...

奈良県蛇迂郡の波美地方で珍しい雨乞いの儀が行われるという情報を聞いた刀城言耶は編集者の祖父江偲とそこを訪れる。 村の水源である湖に棲むという水魑(みづち)様に供物を捧げる儀式である。 そこは4つの村(五月夜村・物種村・佐保村・青田村)からなり、それぞれの村にある4つの神社(水使神社・水内神社・水庭神社・水分神社)がもちまわりでその儀を受け持っていた。 増水の時の減儀よりも渇水の時の増儀のほうが恐ろしいといわれているが、この度の増儀は五月夜村の水使神社と決まった。 一同が見守る中、儀が始まり儀式を行う神男を乗せた屋形船が湖を進んで行くが、船が戻ってこない。 不安になった船頭が中を覗き叫ぶ。「神男が死んでる!!」。 衆人環視のなか、どうやって殺人が実行されたのか?13年前の神男の死とも関連があるのか? 三津田さんの新刊は、待望の刀城言耶シリーズ新作長編でしたぁ。 この年末にきて、今年ようやく満足のいく本格が読めました。 もう少し早く出されていたら、各種ランキングに間違いなく入れたはずなのに。という出来。 しかも今回はとても読みやすくなっており、安定感も出てきました。 村の地形とか想像しやすかったですしね。 読みなれたせいばかりではないはずです。 『首無』の時のような新鮮味は薄れましたが、今回も二転三転するロジカルな謎解きは健在。 そして名作『獄門島』の名台詞にも匹敵するような、ある人物の台詞のダブルミーニング。 素晴らしい。 しかしなにより度肝を抜かれたのはあの神饌の真の意味。 ・・・ぞっとしました。。。 これらのおかげで真の真相の驚きがそれほどでもなくなったほど。 いくつか投げっぱなしの部分があり、それらが気になり素直に「やられた!」と思えない気持ちもあるのですけど、ラストの大団円にもおおむね満足。 あ、あと悪役がそのまま最後まで悪いヤツだったのもよかった。 途中で変に改心したり、実は皆の為を思ってやっていた、とかでは興ざめでしたでしょう。 やっぱりこういう和モノの怪異のほうが「ホラー」よりも好みだわ。 堪能しました。ごちそうさまでした。

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2010/10/14

やっぱり三津田信三だ。 という感じでミステリーの面白さと緊張感そしてラストの二転三転。 さすがだなあ。 ただ、ホラー風味がだんだんこのシリーズでは装飾になってるような。

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2010/10/09

前作で、行くとこまで行ってしまったから、今回は非常に読みやすい。 ホラー色も薄いし。これはお勧めします。 仕掛けもいっぱいあるし。

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2011/07/16

最近ハマっているこのシリーズ。独特の怖い雰囲気がたまりません。 水魑という神様を祀る4つの神社が行う雨乞いの儀で次々と人が殺されていく・・・という事件が起こりますが、事件より何よりこの村の人、というか龍璽の狂信的な言動が怖かったです。 神々櫛村の左霧という人物が出てきて、シリー...

最近ハマっているこのシリーズ。独特の怖い雰囲気がたまりません。 水魑という神様を祀る4つの神社が行う雨乞いの儀で次々と人が殺されていく・・・という事件が起こりますが、事件より何よりこの村の人、というか龍璽の狂信的な言動が怖かったです。 神々櫛村の左霧という人物が出てきて、シリーズ間のつながりがあるのも面白いところです。 ただ、残念なことに神々櫛村の事件の詳細を私は忘れてしまったのですが・・・。もう一度読みたいところです。

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2010/07/28

+++ 刀城言耶シリーズ書き下ろし長編! 近畿地方のとある農村。村の人々が畏怖し称えてきたのは、源泉である湖の神・水魑様だった。 刀城言耶は祖父江偲とともに水魑様の特殊な儀式を観に行ったのだが、その最中、事件は起こる。神男と呼ばれる儀式の主役が湖の船上で死体となって見つかったのだ...

+++ 刀城言耶シリーズ書き下ろし長編! 近畿地方のとある農村。村の人々が畏怖し称えてきたのは、源泉である湖の神・水魑様だった。 刀城言耶は祖父江偲とともに水魑様の特殊な儀式を観に行ったのだが、その最中、事件は起こる。神男と呼ばれる儀式の主役が湖の船上で死体となって見つかったのだ。犯人は見つからない。衆人環視ともいえる湖上の船、不可解な状況での事件だった。 惨劇はそれだけにとどまらない。儀式を司る村の宮司たちが、次々に不可解な状況で殺されていく。 二転三転のすえに示された真犯人とは……。 +++ 本格ミステリ大賞受賞ということで手にした。著者初読みである。文化人類学的な興味を持つ作家・刀城言耶(とうじょうげんや)が探偵役を務めるミステリだが、村社会と言う閉ざされた一地方に云い倣わされている儀式にまつわる物語なので、ホラーのようなただならないおどろおどろしさも漂っていて、なおさらよくないことが起こりそうな予感を読む者に抱かせる。この人物がすべての事件の真犯人だったら、と思わせる人物の心の裡がホラーであると言えなくもない。起こったことは禍々しく、しかしその心情を思えば切なく痛々しい一冊である。

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2019/01/16

◎第10回(2010年)本格ミステリ大賞受賞作品。 ◎2011本格ミステリ・ベスト10第3位。 2010年11月18日(木)読了。 2010−100。

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2010/05/06

最後の二転三転がいつも楽しみなこのシリーズ。期待通りに想像をもう一歩上回った。なるほどそうくるか。でも、ばらまきまくったオカルト部分の伏線についての回収をしていないではないか。いいのかそれで。前半の阿武隈川氏、祖父江氏、刀城氏のテンポのよい会話にはなんだか作者の余裕を感じて楽しめ...

最後の二転三転がいつも楽しみなこのシリーズ。期待通りに想像をもう一歩上回った。なるほどそうくるか。でも、ばらまきまくったオカルト部分の伏線についての回収をしていないではないか。いいのかそれで。前半の阿武隈川氏、祖父江氏、刀城氏のテンポのよい会話にはなんだか作者の余裕を感じて楽しめた。ページ数の割にはさらっと読めたという印象。

Posted byブクログ