水魑の如き沈むもの の商品レビュー
水魑様を信仰する4つの神社とその宮司たち、増儀と減儀という儀式、左霧・鶴子・小夜子・正一の家族の過去の経験など、作品世界の作りこみが重厚で、ページ数も多いが、物語としての読み応えは十分で、作者の物語の創作力・構築力はすばらしい。 13年前に儀式の最中に起こった死亡事件、刀城と祖父...
水魑様を信仰する4つの神社とその宮司たち、増儀と減儀という儀式、左霧・鶴子・小夜子・正一の家族の過去の経験など、作品世界の作りこみが重厚で、ページ数も多いが、物語としての読み応えは十分で、作者の物語の創作力・構築力はすばらしい。 13年前に儀式の最中に起こった死亡事件、刀城と祖父江が立会時に起こった殺人事件、さらに引き続き起こる宮司の連続殺人。事件とその背景にあるものが複雑で入り組んでおり、探偵役の刀城が後半で疑問点を整理しているのはわかりやすくて良い。真相の核となっている儀式に関する秘密は、全く想定外だったので、判明した時、なるほど面白いと感じた。このシリーズでお約束となっている真相の二転三転だが、刀城が推理を示す中で論拠の不備が見つかって、その都度犯人が入れ替わっていき、最終的に1人に落ち着く。 犯行現場とそれにつながる経路の状況がわかりにくいこと、真犯人が真相通りに実施可能かどうかを読者が判断しにくいこと、その後の連続殺人に関する動機に疑問があることなど、ミステリーとしては不満箇所があった。
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2011/01 刀城言耶シリーズの最新作 三津田信三さんの本は何冊か読んだけど、刀城言耶シリーズは初めて。 民俗ホラー、日本の古い歴史とミステリー。前に読んだ、道尾秀介の「背の眼」より数倍面白い!! かなり面白い!刀城言耶シリーズ全部読もう♪
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この江戸あたりから昭和初期に至るまでの田舎における風習というか、民俗学みたいなやつのなんだか恐ろし気なやつね、これはもう何が行われててもおかしくない、みたいなすごい空気があるよね。これのおかげで確実に田舎は風評被害を受けてるよね。まぁでもそのうちの半分は中らずと雖も遠からずってや...
この江戸あたりから昭和初期に至るまでの田舎における風習というか、民俗学みたいなやつのなんだか恐ろし気なやつね、これはもう何が行われててもおかしくない、みたいなすごい空気があるよね。これのおかげで確実に田舎は風評被害を受けてるよね。まぁでもそのうちの半分は中らずと雖も遠からずってやつで、あながち外れでもないんだろうけど。 にしてもこのドキドキ感はやっぱり捨てがたい。もちろん他人事だから良いんだけど、蔵に入ったら鳥肌が立つとか、湖に吸い込まれそうになるとか、過去のものとか小自然なものにはなんかあるよね。そういう意味じゃあムーには引き続き頑張ってほしいやね。読んだことないけどね。
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なかなか面白かった~。 このシリーズの作品にも慣れて来たのか、最初の作品で感じた読みづらさが無くなって来ました。 素直にストーリーに入り込めて、読み進める事が出来ました。 一筋縄ではいかない謎がいくつも重なっていて、刀城言耶の考察がまた面白かったです。 ちょっとハマって来たかな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
久しぶりに長編の刀城言耶シリーズ。 ホラーとミステリーの融合というよりは、今回は宗教的な雰囲気はあるものの、スタンダードな新本格なテイストが強かった気がします。 探偵が提示する疑問点そのものがミスリードだったりする手段や、相変わらず二転三転する推理は読んでいて楽しい。
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本シリーズをこれまで読んでいた人には節目を感じさせる内容になっています。 節目というとちょっとニュアンスが違うかもですが……。 これまでの登場人物のキャラクター性や人物関係図がここへきてまとまって、 ああこれから言耶シリーズはこういう方向へ向かって形を成していくのかなと 思いを馳...
本シリーズをこれまで読んでいた人には節目を感じさせる内容になっています。 節目というとちょっとニュアンスが違うかもですが……。 これまでの登場人物のキャラクター性や人物関係図がここへきてまとまって、 ああこれから言耶シリーズはこういう方向へ向かって形を成していくのかなと 思いを馳せることになります。 過去作品に出てきた村やキーワードも出てきて、今回事件が起こる村単体 としてだけでなく、もっと広い、モノ憑きの共同体全体として根底に漂う 『人間』というものが描かれています。 怖いシーンは相変わらず怖く。 結末は、いつもよりちょっぴりしんみり系。 游魔は良い味を出していた登場人物だと思いました。
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刀城言耶シリーズ6作目。全体的にみるとシリーズの中では面白さもトリックもやや落ちる方かと思った。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file4/naiyou14506.html
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はぁーこれは一気に読んでしまいました。偲さんはあの場面のために今回加えられたのかな。どちらにせよ言耶とはくっつかないほうが断然面白いね。 神饌は怖いなあ… もっと言耶自身に怖い目にあってほしいな、なんて。まあ言耶の怪異に対する姿勢を貫かせるためには、今回の正一君とかのような体験を...
はぁーこれは一気に読んでしまいました。偲さんはあの場面のために今回加えられたのかな。どちらにせよ言耶とはくっつかないほうが断然面白いね。 神饌は怖いなあ… もっと言耶自身に怖い目にあってほしいな、なんて。まあ言耶の怪異に対する姿勢を貫かせるためには、今回の正一君とかのような体験を、言耶にはあまりさせるわけにはいかないのでしょうかね。 五月夜村と二重山の名前の意味に思い至らなかったのが悔しいな!
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シリーズものみたいだね(^◇^) ホラー描写が怖かった。夜中には読めない( ;∀;)半分くらい読み進むまでは長くかったるく感じるけど後半は一気に読めるほど展開が面白かった。 ただ最後スッキリしないから苦手なパターンではある。せっかくここまで読んだのにモヤモヤ終わらせなくたって(...
シリーズものみたいだね(^◇^) ホラー描写が怖かった。夜中には読めない( ;∀;)半分くらい読み進むまでは長くかったるく感じるけど後半は一気に読めるほど展開が面白かった。 ただ最後スッキリしないから苦手なパターンではある。せっかくここまで読んだのにモヤモヤ終わらせなくたって(;_q)って思ってしまう小市民(笑)
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刀城言耶シリーズ第5長編。 これまでの集大成的な題目がつけられたりもしているらしい本作ですが・・・たしかに面白かったです。古い因習とホラーっぽい雰囲気とそれに伴うミステリ展開がうまく融合できてなんともいえない読み応えが。いいですね。こういうのが読みたかった。 ちょっとご都合主義な...
刀城言耶シリーズ第5長編。 これまでの集大成的な題目がつけられたりもしているらしい本作ですが・・・たしかに面白かったです。古い因習とホラーっぽい雰囲気とそれに伴うミステリ展開がうまく融合できてなんともいえない読み応えが。いいですね。こういうのが読みたかった。 ちょっとご都合主義な側面もあるかもですが、だんだんシリーズを重ねてシリーズ登場人物のキャラみたいなものも確立してきた感もありますし、なによりいつものあの「雰囲気」が好きな方には是非とも変わらずおすすめしたい。
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