茨木のり子 の商品レビュー
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茨木さんの詩集2冊目。 前回の詩集と若干ダブっている。 好きな詩は2作品。 『知命』: 「知命」とは「五十にして天命を知る」(論語)から五十歳の称らしい。 小包の紐のほどき方やこんがらかった糸の束をなんとかしてよ、と人から言われ鋏で切ったら、と言っても了解しないので、もそもそと手伝う。 「ある日/卒然と悟られる/もしかしたら/たぶんそう/沢山のやさしい手が添えられたのだ/一人で処理してきたと思っている/わたくしの幾つかの結節点にも/今日までそれと気づかせぬほどのさりげなさで」 これまで何事も一人でしてきた、とおごっていてはいけない。 周りの誰かのやさしい手がさりげなく差し伸べられたに違いないのだから。 五十歳を目前に控えた私にはドキッとする詩だった。 『倚りかからず』: 楽して誰かに、他の何かに安易に頼っていてはいけない。 つい神頼みしたくはなるけれどね。 「じぶんの耳目/じぶんの二本足のみで立っていて/なに不都合のことやある/倚りかかるとすれば/それは/椅子の背もたれだけ」 気の抜けたご時勢に物差しで背中を叩く音が聞こえてくるような詩、とは解説の方も巧い。 私も頼るのなら椅子の背もたれくらいにしておきたい、けれどなかなかね…。
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「あなたは もしかしたら/存在しなかったのかもしれない/あなたという形をとって 何か/素敵な気がすうっと流れただけで//わたしも ほんとうは/存在していないのかもしれない/何か在りげに/息などしてはいるけれども//ただ透明な気と気が/触れあっただけのような/それはそれでよかったよ...
「あなたは もしかしたら/存在しなかったのかもしれない/あなたという形をとって 何か/素敵な気がすうっと流れただけで//わたしも ほんとうは/存在していないのかもしれない/何か在りげに/息などしてはいるけれども//ただ透明な気と気が/触れあっただけのような/それはそれでよかったような/いきものはすべてそうして消え失せてゆくような」(存在)
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心に、ぐっと迫ってくる詩ですね。 詩は、あまり…ほとんど読みませんが… こういう詩があるんだな~と、 ひとつひとつ、詩の背景の解説もあるので、 より、わかりやすく、初心者に良いです。 掲載している詩集名ものっているので、 それぞれを借りたくなりました。 著者の年齢的な、時代背景などでも、詩の内容が変わってくるのが面白いです。
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「自分の感受性くらい」で頼りない自分に喝をいれてもらい、「幾千年」で桜蘭の少女の嘆きに耳を傾け、「倚りかからず」でしゃきんと背筋をのばす。 「夢」で愛する人との重みを感じて、それをいつか失う日が来ることにおびえる。(存在)で透明な気と気の2人を感じ安心する。 そんな風に読みました...
「自分の感受性くらい」で頼りない自分に喝をいれてもらい、「幾千年」で桜蘭の少女の嘆きに耳を傾け、「倚りかからず」でしゃきんと背筋をのばす。 「夢」で愛する人との重みを感じて、それをいつか失う日が来ることにおびえる。(存在)で透明な気と気の2人を感じ安心する。 そんな風に読みました。
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茨木のり子の詩に出会うまでは詩歌の「良さ」というものをあまり見いだせないでいたのだけれど、「自分の感受性くらい/自分で守れ/ばかものよ」にガツンとやられてしまって以来、詩歌のたぐいからは、散文を読んだのでは得られない何かを感じる……ようになった気がする。 ここに纏められているもの...
茨木のり子の詩に出会うまでは詩歌の「良さ」というものをあまり見いだせないでいたのだけれど、「自分の感受性くらい/自分で守れ/ばかものよ」にガツンとやられてしまって以来、詩歌のたぐいからは、散文を読んだのでは得られない何かを感じる……ようになった気がする。 ここに纏められているものの中では、『ぎらりと光るダイヤのような日』『わたしが一番きれいだったとき』『自分の感受性くらい』がとくに好き。
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自分の感受性くらい、がやっぱりすき。ばかもの! この本を読んで初めて、ああ戦時中の方だったんだなあ、て強く感じた。言葉の味が素敵。
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「詩」には2種類あって(私としては)、言葉の羅列で意味は分からないんだけれども何となく雰囲気を楽しむというものと、分かりやすい言葉でダイレクトに伝わってくるもの。この詩集は後者。表紙の詩に魅かれて読んでみましたが、他の編もとても良く、静かに満ちていくような読後感。いつかまた再読し...
「詩」には2種類あって(私としては)、言葉の羅列で意味は分からないんだけれども何となく雰囲気を楽しむというものと、分かりやすい言葉でダイレクトに伝わってくるもの。この詩集は後者。表紙の詩に魅かれて読んでみましたが、他の編もとても良く、静かに満ちていくような読後感。いつかまた再読したい。
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「自分の感受性くらい」が収録されているので読んでみましたが、解説が付いているにもかかわらず自分にはすこし難しい1冊でした。とても深く、詩と言うものはなんとすごいんだろうと初めてしに触れて驚きました。
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内定が出たら買うと決めていた一冊第二弾。 「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」 一生枕元に置いて幾晩でも共にしたい。 『落ちこぼれ』に収録されていない「ある一行」が収められているのもうれしい。 茨木のり子集『言の葉』全三巻がとてもほしいです。
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