孤宿の人(上) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
身分によっては人権など無きに等しい時代であり、人命(たとえ子供でも)よりも藩の存続の方が優先される超男性優位世界。その中で、少女の「ほう」は心無い大人に翻弄されながらも、捨てる神あれば拾う神ありで、心優しい人たちに助けられ健気に生きていく。人々の生活様式や心理描写が細かく素晴らしいので、その場にいるよう感覚で物語の世界観に没入できる。著者の力量がすごい。鬼、悪霊、毒殺など暗い影を落とす部分がミステリアスで、下巻が楽しみ。
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時代小説はあまり興味がそそられない、と思いながらも読んでみたら、ハマりました。背景が江戸時代なので、男尊女卑はもちろん、身分の違いで起こる出来事の結末など色々な事情が入り乱れ、正しいことが正しいと言えない時代だったのだな、と改めて思う。 ほうが一生懸命に奉公し、宇佐はそんなほうを...
時代小説はあまり興味がそそられない、と思いながらも読んでみたら、ハマりました。背景が江戸時代なので、男尊女卑はもちろん、身分の違いで起こる出来事の結末など色々な事情が入り乱れ、正しいことが正しいと言えない時代だったのだな、と改めて思う。 ほうが一生懸命に奉公し、宇佐はそんなほうを思いやりつつも自分の正しいと思う事に邁進、渡部はそんな宇佐に感化され事の追求に励む。井上家は無念さをウチに秘めつつ、役割を全うする。根源の加賀様はまだ出てこない。この先どうなるのかが、本当に楽しみでしかない。
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時代小説を読むのがはじめてだったのもあり、初めは読み進めにくかったけど、途中からどんどん引き込まれた。後編へ。
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毎回そうなのだが、序盤は関係性や全体像を把握するまで多少間延びしてしまう。 だが理解し出すと同時に重厚な物語が浮き上がって夢中で読ませてくれる。話の作り方が上手いと毎回思う。 なかなか辛い出来事があった上巻。下巻へ。
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最初、小説の緩やかな展開に間延びした感があったが、その中に小説の全体像の関係性や人間の機微と言うものを起き上がらせる伏線が散らばめられている。 上巻の後半からは小説の展開がどうなっていくのか、主人公やそれを取り巻く人たちへの思いも感情移入させながら、次の展開を早く読みたい気持ちに...
最初、小説の緩やかな展開に間延びした感があったが、その中に小説の全体像の関係性や人間の機微と言うものを起き上がらせる伏線が散らばめられている。 上巻の後半からは小説の展開がどうなっていくのか、主人公やそれを取り巻く人たちへの思いも感情移入させながら、次の展開を早く読みたい気持ちにさせた。
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歴史小説上下巻の上 下を読まないとレビューは難しいが、3人の視点で物語は進んでいく。苦難の過去を持つ幼い少女ほう、女だてらに引手見習いをしている宇佐、うだつの上がらない町方役人の渡部。宇佐やほうに感情移入すると上巻はしんどい構成だ。下巻で巻き返しが成るのか楽しみだ。
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四国の小藩である丸海藩は、江戸勘定奉行でありながら流人となった幕府要人の預かりを命じられる。それは、一つ間違えば藩の取り潰しに繋がる凶事。 上巻では、無垢な幼女ほうと、元気な女引手の宇佐の視点から、丸海藩に忍び寄る不穏な影が描かれるが、物語の全容は伺いしれない。 もちろんそのまま...
四国の小藩である丸海藩は、江戸勘定奉行でありながら流人となった幕府要人の預かりを命じられる。それは、一つ間違えば藩の取り潰しに繋がる凶事。 上巻では、無垢な幼女ほうと、元気な女引手の宇佐の視点から、丸海藩に忍び寄る不穏な影が描かれるが、物語の全容は伺いしれない。 もちろんそのまま下巻へ!
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面白くなりそうな予感たっぷりな上巻。 やっぱりこの作者は上手いなぁ。 身寄りのない子供、ほうは金比羅代参で置き去りにされ、それを藩医の井上家に引き取られてからのお話。罪人の加賀様が流罪で丸海藩に入られ、それをきっかけに不審な毒死や凶事が相次いでおこる。 引手の宇佐が人間味溢れる...
面白くなりそうな予感たっぷりな上巻。 やっぱりこの作者は上手いなぁ。 身寄りのない子供、ほうは金比羅代参で置き去りにされ、それを藩医の井上家に引き取られてからのお話。罪人の加賀様が流罪で丸海藩に入られ、それをきっかけに不審な毒死や凶事が相次いでおこる。 引手の宇佐が人間味溢れるいい役どころで、彼女に感情移入できることで時代小説を身近なものに出来ている。 それぞれ視点を切り替えて展開するため、全てが事の一端しか見えず、そのため不安定な展開となる事で真相が知りたくて引きつけられてしまう。 下巻に期待が膨らむ上巻でした。
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これは、人の世の闇、もっと言えば鬼というものが、いかにして作られていくかという物語です。 幕府と多少の因縁があるという弱小の丸海藩に、江戸から罪を犯した御奉行さま、加賀殿がお預けになります。 それからの丸海藩は、不審な病気がはやり、亡くなる者もおり。 夏の雷がいつもの年以上に...
これは、人の世の闇、もっと言えば鬼というものが、いかにして作られていくかという物語です。 幕府と多少の因縁があるという弱小の丸海藩に、江戸から罪を犯した御奉行さま、加賀殿がお預けになります。 それからの丸海藩は、不審な病気がはやり、亡くなる者もおり。 夏の雷がいつもの年以上にひどく、雷獣を倒したという守りの神も力が無くなったと。 人々の怨みつらみも抑えきれぬものとなり。 すべてが、加賀殿という鬼のなせる技でアルと。 そんな馬鹿な話はない、と、なんとかせねば、と歯噛みする宇佐。 けれども、和尚は、其れはそれで良し、と諭すのです。 「この世を総べている決まりごとに腹を立て、筋の通らぬことにはとことん逆らい、すべてを正しく直そうと意気込んでいた。子供であったよ。」 自分もそうであったなあと、今の歳になって思います。 もっとも、すべてを正すことなどできやしないのは、承知の上で、腹を立てるだけは立てる、ちょこちょこ逆らっては波風をたてる、というだけのことでしたが。 ほうは、平たく言えば、邪心のないココロで加賀殿にお仕えすることで、固まってしまったその心を溶かすことができた、ということでしょう。 こんなふうに書いてしまうと、まったくアリキタリになってしまうので、是非読んで、感じてみていただけると良いと思います。
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北は瀬戸内海に面し、南は山々に囲まれた讃岐国・丸海藩。江戸から金比羅第三に連れ出された9歳のほうは、この地に捨て子同然置き去りにされた。幸いにも、藩医を務める井上家に引き取られるが、今度はほうの面倒を見てくれた琴江が毒殺されてしまう。折しも、流罪となった幕府要人・加賀殿が丸海藩へ...
北は瀬戸内海に面し、南は山々に囲まれた讃岐国・丸海藩。江戸から金比羅第三に連れ出された9歳のほうは、この地に捨て子同然置き去りにされた。幸いにも、藩医を務める井上家に引き取られるが、今度はほうの面倒を見てくれた琴江が毒殺されてしまう。折しも、流罪となった幕府要人・加賀殿が丸海藩へ入寮使用としていた。やがて領内では、不振な毒死や謎めいた凶事が相次いだ。
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