白いひつじ の商品レビュー

長野まゆみ【著】

2017/05/19

男子大学生が男子寮のなかでヤイヤイする話かと思ったら全然違った。自分探し系やった。しかも精神的にだけじゃなくて物理的なやつ。
（むしろ寮の中で主人公がヤイヤイされる（？）みたいな展開やったらもっと星の数は少なかったわ。）
長野まゆみなので、寮や街並みはとてもおしゃれだし、料理はうまそうでした。それに珍しく（？）きちんと話が解決して終わってて読後感もすっきり。
しかしこの話で同性愛の要素はなぜ必要だったのか…？と思ってしまうわたしはもうトシなのでしょうね。１０年くらい前に読んでたらもっとときめいたと思います。

2017/02/04

図書館で借りました。読み終えてこの本を買いたくなるくらい好きなお話でした。正直、読み始めたときは飽きることなく最後まで読めるか心配だったんですが…そんなこともなく一気読みしてしまいました。どこが好きかと言われるともう全部!って感じです。あと、雰囲気が好きです。登場人物たちも一人一人良かったです。

2019/03/09

春の始まりの頃の、柔らかい空気を感じました。透明感のある光。出てくる男の子たちは一筋縄でいかない感じでしたが、ミハルさんが好きでした。こんな余裕を持ちたいです。その後があったりしないのかな。余韻がありました。

2023/03/05

爽やかなボーイズラブ。人間愛でもいいかもしれない。
白いひつじ、一弥の持つ、憎しみを押しやる力っていう魅力が素敵。
それにしても鳥貝を遠くから見ただけで一度つけたら抜けない指環を買って気づかないうちにはめさせるという百合子のロマンティストの野蛮感がすごい。
何も知らなくてもやもやしてる主人公と、何もかも知っている大人組という、長野まゆみ作品の定番パターンともいえる。

2014/09/23

大学進学で上京したものの、なかなか部屋の決まらない主人公・鳥貝が紹介された学生寮。そこの住人達の言う、ある事ない事に翻弄される状況が、こちらも解き明かせずに面白かったです。なるほど、そういう繊細な事情があったのですか。幼子と白い羊のモチーフは可愛らしいです。鳥貝や百合子の両親達、大人が妙に捌けているのには面食らいました＾＾；。

2014/07/14

久々に読みたくなり再読。
改めて読むと世界観がすごく好き。漫画化したら楽しそうだなあと思います。
★５個にしたいのですが、もっと寮サイドが読みたかった！続編(スピンオフでも)希望！ということで★４個にしておきます。それぞれの背景が読みたい。
再読して、結局明らかになっていない多飛本の指輪が気になって仕方ないです。夏目とのペアリング？が一番有力かな…？？個人的には安羅にあげた(百合子→鳥貝と同じ手段で)ものの、『つけてたら遊べない』とつけてもらえなかった…って展開を妄想してました（笑）

うーん…ほんと、続編でないかしら長野先生…！

2024/10/06

大学進学を機に住まい探しに上京してきた鳥貝。
いろいろみてまわったけれど探すのが遅すぎて満足できる物件が見つからず、困り果てているところへ怪しげな男子学生から部屋を探しているならと耳よりな話があると言われる。
その下宿を訪ねてみることにした鳥貝だけど・・・

前半はいつもの長野さんの雰囲気がよく出ているんですが、後半は少し違う感じです。
隠微で怪しげな男たちに翻弄される主人公っていうスタイルはいつものとおりなんですが、謎が解けるとその印象がガラリと変わる感じ。

子供のころになくした何か心のやらかい部分を、今でも持ってる鳥貝をみんなが慈しみ、大事にしたいと思ってるという内容なんですが・・・
やっぱ一人だけ、どうしても彼をいじめて泣かせてみたくなるっていうなんともひねくれたっていうか屈折した愛情表現の奴がいるわけです（笑）

いつも長野さんが描く、いいオトコなのに人格に問題がある人物。
この本ではそれは百合子という人物なんですが、この愛情表現の不器用さがどうにもたまりません（笑）

今までの長野さんの本の中でもこれはピカイチになりそうです。
装丁もなにやら和みがある感じで、文庫本になったら絶対買うと思う

2014/02/02

長野まゆみ作品にしてはとてもわかりやすいストーリーだった。

大学進学のため上京することになった鳥貝は、入学式直前の春休みに安い部屋を探しまわっていたがうまくいかない。
困っていたところに、条件の良すぎる寮を紹介され、疑心暗鬼になりながらも入寮面接を受ける。

寮の住人である変人たちに翻弄される物語かと思いきや、主人公の出生の秘密にまつわる話であった。ファンタジーっぽいフワフワした前半から、人間の機微にフォーカスしていく展開は予想外だけれどすんなり受け入れられる。
あらすじを書き出したら単純な話だけれど、登場人物が誰も彼も魅力的。
ピュアな萌えが随所に散りばめられているし。

タイトルも可愛らしい印象だが、子供っぽ過ぎない愛らしさを感じる主人公とエピソードだった。

http://www.horizon-t.net/?p=1041

2014/01/29

図書館でタイトルと表紙から手に取り、レビューをちょこっと見て借りてみました。文章はとても読みやすく、最初からすんなり入れましたが、わりと早い段階で「・・・ん？」と思うところがポツポツと。後半、それが気のせいじゃなかった！とわかり、読み終わってから長野まゆみさんの作品を検索してみて納得。知らなかったので読みながらちょっと焦りましたw

2014/01/27

同じ大学の男子学生が集まる寮を舞台にした物語を長野まゆみが書くとなれば、絶対こういう展開が待っているだろう。という期待通りでもあり、期待をいい意味で裏切るものでもあり。
主人公の鳥貝の煮え切らなさや、百合子のひねくれ具合にイライラさせられつつも読み進めていくと、彼らをスンナリと受け容れている自分に驚かされます。それは鳥貝が百合子を受け容れていくのと同調して物語世界にのめり込みます。
個性的な人物や魅力的な寮がちらりとしか出てなかったので、続きを読んでみたいですね。