白いひつじ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
愛しすぎる話しの感想を書くのは難しい。 そんな、最初から最後までお話自体を丸めてひつじのポシェットに詰め込んで持ち歩きたくなるような愛しいお話でした。 登場人物のだれもが魅力的なんだけど、今回はそこの比重より物語としてのバランスがすごく良かった気がして。 全編過不足なしというか、物足りなさを感じるくらいの(多分そこも計算済みの)量。 アマゾンでレビュー先に読んでしまっていたのですが、まさしく悲しいこととかを真綿でくるんで、読後に優しさが残る感じ。(あの感想書いたかた、すごい) それが今の年齢の私には合っているのだと思う。 今は刺激とかよりも、悲しいこととか、どうしようもないこととか、そういうのを受け入れつつも、甘くて優しい時間が必要で、たまにはこういうのから補給しても良いんじゃないかと思うし、そういう目的であえてこの、優しい話しを長野さんも書かれたんじゃないかと思う。 (長野さんの昔の作品はあえて救いを作らないものもあった気がする) あと、この作品は長野さんの色んな要素が詰め込まれている感じも好き。杏の広がる田園地帯と海の風景と都会とか、寮を舞台にしたゆるい光景とミハルさんとの食堂の場面とか。異性愛と同性愛のバランスもちょうどよく読めました。 あと食べ物の描写も相変わらず魅力的。オムレツ作りたい。 立て続けに読んだので気付いたのだけど、そういえばレモンタルトもこっちも、ご飯の場面で泣く場面が出てくる気が。 他の作家さんだったらこんなに泣く男の子に対して寛容になれなかったと思うけど、長野作品だとむしろいとおしい。大好き。同じく泣いてる子を抱きとめる腕も普通なら甘やかしすぎだろうと思うだろうに長野作品ならありなのです。 多分地の文章が硬いおかげ+食にまつわるとこは泣き所というのが私のツボにはまってるからなんだろうけど。今気付いたけれど、長野さん、一時期「記憶」についてすごくテーマにして書かれていたことがあったけど、今はそれをもっと現実的なとこにもってきて「食と記憶」をある種のテーマとしてるのかな。今更言うまでもないことかもだけど。 最後に。優しいひとになりたいと思うことは間違ってないって、この本は背中を押してくれた気がする。やっぱり必要なときに必要な本を読むように出来てる。 図書館で借りたけど、手元に置いておきたいので買おうと思います。
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生き別れた控え目な弟と、その弟を想う白血病の兄とその友人との爽やかな物語。 そういうのが読みたいわけじゃなかったけど、綺麗な男だらけの恋愛ならいいかもしれない。 でもこの作品は家族の想いとか友情とか、登場人物全員が思いやりのある温かいお話だったぁ。 やっぱり長野まゆみ、いいなぁ。
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うっかり夜読み始めて一気読み。 雰囲気はとても好きなんだけど、ボーイズラブ寄りにはしなくてもよかったのでは…(キスまでだし好きだからどうとかいうのもないし) 長野まゆみお得意の出生の謎と色々な伏線。 男子寮の感じとか、料理がちょいちょい出てくるのは良かったな。 この寮の日常的な話...
うっかり夜読み始めて一気読み。 雰囲気はとても好きなんだけど、ボーイズラブ寄りにはしなくてもよかったのでは…(キスまでだし好きだからどうとかいうのもないし) 長野まゆみお得意の出生の謎と色々な伏線。 男子寮の感じとか、料理がちょいちょい出てくるのは良かったな。 この寮の日常的な話が読みたいなー。
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長野さんの本は、なんとなしに偏見があって(私もおたくなんですが)読まなかったのだけど、ここしばらく長野まゆみ祭りでした。また細々だけど継続中。 良質なBLというか、文学的なBLというか、悪い意味でなく言うのですが内容的にはBLです。この本についてだけではなく、どうしてそう(恋...
長野さんの本は、なんとなしに偏見があって(私もおたくなんですが)読まなかったのだけど、ここしばらく長野まゆみ祭りでした。また細々だけど継続中。 良質なBLというか、文学的なBLというか、悪い意味でなく言うのですが内容的にはBLです。この本についてだけではなく、どうしてそう(恋愛感情に)なったのかというのが、「だってそうなんだもん」なのが長野節なのだなぁと。登場人物はそれなりに自問自答するのだけれど、でも「だってそうそうなんだもん」で押し切られたり、自分から踏み出してみたり、どうしてそっち行っちゃうの!という方向にかけだしたりしちゃう。書いたとおり私は長野作品に対する偏見があって、実際に読んでみるとものすごく好みの部分もあったので、評価のスタートがマイナスであったというのは非常に良い方向に作用していると自分でも思う。駄目な人はまったく受け付けないだろうなとも思うのでした。 うん、好きですよ。長野ワールド。
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ぐっときたところ→憎しみを押しやる力=ささやかで小さなよろこびをだれかとわかちあえた日々の記憶を人より多く持つこと。あと登場人物の名前がきれい。夏目、千里(ゆきさと)、男性だけれども。
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はじまり方は好きではないし、よくわたしの中で解決しないこともあったけど、寮での生活とか、その辺がすごい好きだった。実は、みたいなのもあんま好きじゃないし、むしろその設定がないほうが好きだったけど…そしたら終わりがないし、漫画的になってしまうのかな… でも、やっぱり長野まゆみの小説...
はじまり方は好きではないし、よくわたしの中で解決しないこともあったけど、寮での生活とか、その辺がすごい好きだった。実は、みたいなのもあんま好きじゃないし、むしろその設定がないほうが好きだったけど…そしたら終わりがないし、漫画的になってしまうのかな… でも、やっぱり長野まゆみの小説に出てくる小物とか好きだ!
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大人のかおりの漂うあやしげな美形先輩たちの群れに放り込まれた純真無垢な白いひつじの物語…でだいたいあってる? せっかくイケメン揃いの一癖も二癖もある先輩たちのキャラが、あんまり立たないまま終わってしまった印象でもったいない(中盤からほとんど百合子と鳥貝しか出てこないし)しかも人物...
大人のかおりの漂うあやしげな美形先輩たちの群れに放り込まれた純真無垢な白いひつじの物語…でだいたいあってる? せっかくイケメン揃いの一癖も二癖もある先輩たちのキャラが、あんまり立たないまま終わってしまった印象でもったいない(中盤からほとんど百合子と鳥貝しか出てこないし)しかも人物関係をよく掴んでいないまま後半めまぐるしく物語が展開するのでちょっと置いてけぼりくらいました。 長野さんは無自覚に巻き込まて弄ばれちゃう少年ってのがすきなんだろうな~と思った。
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冷たくそっけなくされると逆に気になる鳥貝がかわいい。 気にするの悔しいのに気になる的な。 http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-527.html
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雰囲気が丁寧で柔らかくて好きです。 長野まゆみさんの小説は世界の描写の仕方と言葉が魅力的だと改めて思います。 人との繋がりかたが複雑だけれど、それを扱う人たちは、その関係に、それぞれ器用で不器用で、無神経ではないところが好きです。 アプリコットをまるごとくるんだパイとすこし変...
雰囲気が丁寧で柔らかくて好きです。 長野まゆみさんの小説は世界の描写の仕方と言葉が魅力的だと改めて思います。 人との繋がりかたが複雑だけれど、それを扱う人たちは、その関係に、それぞれ器用で不器用で、無神経ではないところが好きです。 アプリコットをまるごとくるんだパイとすこし変わったオムレツが食べたくなります(笑)
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他の長野作品と毛色が違うけれどすごくよかった。もっと寮生の話も読みたいんだけれど、続編出ないかなあ……。
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