闘うレヴィ=ストロース の商品レビュー
今度Jóiaさんのボサノヴァのコンサートをやるので、その予習として、ボサノヴァといえばブラジル、ブラジルといえばレヴィ=ストロースということで、『闘うレヴィ=ストロース』を読んでおいた。 流石にレヴィ=ストロースの著書を読むのにはパワーが足りなさそうなので、伝記的な本書を選んだが...
今度Jóiaさんのボサノヴァのコンサートをやるので、その予習として、ボサノヴァといえばブラジル、ブラジルといえばレヴィ=ストロースということで、『闘うレヴィ=ストロース』を読んでおいた。 流石にレヴィ=ストロースの著書を読むのにはパワーが足りなさそうなので、伝記的な本書を選んだが、こちらも読み応えは十分であった。
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レヴィ=ストロースの著作は読みたいけれど中々難しく、『やきもち焼きの土器つくり』のみ読んでいます。今後読む時の助けとなれば…と思い手に取った本書で人としてのレヴィ=ストロースを私の中に想起させてもらえたような気がします。
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戦後のフランス思想家のなかでは、とても安定した精神をもっている感じのレヴィ=ストロース。実際、100歳を超える人生を生きた思想家って、あんまりいないのではなかろうか? レヴィ=ストロースの分析の対象としたブラジルの部族などは、歴史的な変化の少ない「冷たい社会」であったこともあり...
戦後のフランス思想家のなかでは、とても安定した精神をもっている感じのレヴィ=ストロース。実際、100歳を超える人生を生きた思想家って、あんまりいないのではなかろうか? レヴィ=ストロースの分析の対象としたブラジルの部族などは、歴史的な変化の少ない「冷たい社会」であったこともあり、スタティックであるという批判もしばしばなされた。 が、一方では、「野蛮というものがあると考えているほうが野蛮人だ」といった強い西欧への批判の眼差しも常にあって、なんか単純に「いい人」というわけでもない気はしていた。 というところで、「闘うレヴィ=ストロース」という魅力的なタイトルのこの本。 新しいのは、マルキストの理論家・活動的だった若かりし頃の姿。そして、ブラジルでの遍歴時代を通じて、その思想が出来上がってくるところがすごく面白い。 そして、大成しても、やっぱ熱い思いは持続しているし、資本主義、歴史、社会といったダイナミックな視点は常に底流として流れているんだな〜、と。
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前半では、若い頃のレヴィ=ストロースの足取りを丹念に追い、後半では、南北アメリカの神話研究を具体的に結構なボリュームで紹介しているが、「野生の思考」を追っていくその丹念さについていく根気が今の自分にはなかった。第2章後半の音韻論と親族構造の関係についての説明は、今まで読んだ解説本...
前半では、若い頃のレヴィ=ストロースの足取りを丹念に追い、後半では、南北アメリカの神話研究を具体的に結構なボリュームで紹介しているが、「野生の思考」を追っていくその丹念さについていく根気が今の自分にはなかった。第2章後半の音韻論と親族構造の関係についての説明は、今まで読んだ解説本よりよくわかったような気がする。
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レヴィ=ストロースのことが知りたくて本書を読み始めました。学生のころから名前は知っていても、著書には手を出せませんでした。中沢新一とか内田樹の本を読みながら、でもやっぱりちゃんと原典に当たろうと思って、講演会の記録を読んだり、いくらか図書館で借りて、斜め読みをしたりしました。そし...
レヴィ=ストロースのことが知りたくて本書を読み始めました。学生のころから名前は知っていても、著書には手を出せませんでした。中沢新一とか内田樹の本を読みながら、でもやっぱりちゃんと原典に当たろうと思って、講演会の記録を読んだり、いくらか図書館で借りて、斜め読みをしたりしました。そして、やっとの思いで「悲しき熱帯」を買い求め読み始めようとしているところです。レヴィ=ストロースの姿は歳をとってからの写真でしか見たことがなかったので、ブラジルなどの原住民の中に分け入る姿があまりイメージできなかったのですが、本書で初めて若いころの写真を見て納得がいきました。ひげを生やしてラフな格好で、どこにでも入り込んでいきそうな勢いでした。さて、本書を読んでレヴィ=ストロースの若いころの生い立ちなどはなんとなくイメージがつかめたのですが、結局研究の内容については、特に神話の話あたりは全く分からずじまいでした。私自身、読解力が弱く、少し難易度の高い文章になると字面を追うばかりで、内容が全く頭に入ってこないことが頻繁にあります。ただ、5回ほど同じ文章を読んでみて、何が書いてあるのか分からないのは(知らないことばが多々登場するということはあるにしても)その文章にも問題があるのではないか、そう思えたりもします。一文が長いというのは読みにくいと思いますが、とにかく主語と述語が遠かったり、主語があいまいだったりで、何のことを指しているのかが分からないということがしばしばでした。さあ、結局予備知識はあまりそろわないまま、レヴィ=ストロースに挑戦します。(「神話論理」などに比べれば「悲しき熱帯」なんてすごく易しい内容なんだろうとは思っているのですが、それでも不安です。)→結局読破できていません。
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レヴィ=ストロースの壮大な思想は、図式的な理解を拒むが、「闘う知識人」としての姿を追うことでこの難題に挑む。100年を超える生涯で、彼は何と闘ってきたのか。第一人者による最良の入門書。
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ウーン難しい。まだまだ勉強が必要。レヴィ=ストロースは元々社会主義の運動を志向していたことが分かりました。
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何度も、もう読むのをやめようと思うのだけど、そのたびにキラリと光る智慧の言葉が現れて感動する。 本書の存在意義はやや疑問。新書なのにマニアックすぎるトピック。レヴィ=ストロースという人物の魅力は、無理に見出そうとしなくても充分に伝わると思うのだが、研究者としてオリジナリティを出そ...
何度も、もう読むのをやめようと思うのだけど、そのたびにキラリと光る智慧の言葉が現れて感動する。 本書の存在意義はやや疑問。新書なのにマニアックすぎるトピック。レヴィ=ストロースという人物の魅力は、無理に見出そうとしなくても充分に伝わると思うのだが、研究者としてオリジナリティを出そうとして分かりにくくなっているように思われる。
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[ 内容 ] レヴィ=ストロースの壮大な思想は、安易で図式的な理解を拒むが、彼独特の「世界との接し方」を見ることで、構造主義と呼ばれる「ものの見方」にまで通底する、思想家の仕事の核心に肉薄する意欲作。 百年を超える生涯を通じて、彼は何と闘ってきたのか。 現代世界に生きることのモラ...
[ 内容 ] レヴィ=ストロースの壮大な思想は、安易で図式的な理解を拒むが、彼独特の「世界との接し方」を見ることで、構造主義と呼ばれる「ものの見方」にまで通底する、思想家の仕事の核心に肉薄する意欲作。 百年を超える生涯を通じて、彼は何と闘ってきたのか。 現代世界に生きることのモラル、もうひとつの豊かさの思考。 [ 目次 ] 序章 ひとつの長く豊かな人生 第1章 学生運動家レヴィ=ストロース―社会主義のモラルを求めて(「社会主義学生集団」事務局長;西欧の外へ) 第2章 批判的人類学の誕生―修業時代(ブラジルへ;ニューヨークで) 第3章 野生の思考へ向かって―模索の時代(神話研究への助走;ユネスコと野生の思考) 第4章 もうひとつの豊かさの思考―神話論理の森(神話の新世界の踏査;双子であることの不可能性) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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『悲しき熱帯』がとても面白く、レヴィ=ストロースについてもっと知りたくなったものの、なかなか大著には手が出ないので、手引としてこちらを読んでみることに。 期待通り、前衛的な社会主義活動家だった20代から、100歳を超えるまで、多数の著作をものし、ライフワークと呼べるまとまった研究...
『悲しき熱帯』がとても面白く、レヴィ=ストロースについてもっと知りたくなったものの、なかなか大著には手が出ないので、手引としてこちらを読んでみることに。 期待通り、前衛的な社会主義活動家だった20代から、100歳を超えるまで、多数の著作をものし、ライフワークと呼べるまとまった研究をいくつもまとめ、さらに社会的活動もこなし、芸術にも造詣の深い、圧倒的にスケールの大きな知的活動の地図を示してくれる。 これまで構造主義やポスト構造主義をちゃんと勉強したことがなくて、レヴィ=ストロースの構造主義人類学についての知識も皆無に近かったのだけど、この本のおかげで、とても簡単明瞭に説明のできるような理論ではないということもよくわかった一方、レヴィ=ストロースがめざそうとしたこともちょっとだけわかったような気がする。 人間の発する音声が、音韻構造をもつことで言語となるというヤコブソンの理論から、自然から文化への移行をもたらす構造を見てとり、インセストの禁止から女性の交換を通したコミュニケーションをうながす親族構造を理論化したこと、そして、同じように自然から文化への移行を示す、調理や衣服や装飾の起源を語る神話の探求を通して、他者とコミュニケートする異なる思考をさぐろうとしたこと。それが、「さまざまな社会の豊かさと多様性という、記憶を超えた昔からの人類の遺産のもっとも素晴らしい部分を破壊し、さらには数え切れないほどの生命の形態を破壊することに没頭しているこの世紀」において、世界への接し方についての異なる思想のありかた、すなわち「自分自身から始めるのでなく、人間の前にまず生命を、生命の前には世界を優先し、自己を愛する以前にまず他者の存在に敬意をはらう必要がある」ことをつたえてくれる「正しい人間主義」を探る試みだったのだろう。 もうひとつ印象深いレヴィ=ストロースの言葉が引用されていたのでメモしておく。「私が『野生の思考』といっているものは、それによって『他者』を『私たち』に翻訳したりまたその逆を行うことができるようなあるコードを作りだすのに必要な前提や公理の体系であり、〔…〕私の意図においては、彼らの位置に自分を置こうとする私と、私によって私の位置に置かれた彼らとの出会いの場であり、理解しようとする努力の成果なのです。」 あと、この本のいいのは図版が多いこと。特に『悲しき熱帯』から興味をもった者としては、猿のルシンダを連れたブラジル探査中の若き日の写真や、銃の暴発で探査隊の若者が手を破壊されたときの混乱の中でレヴィ=ストロースが描いたドローイングをこの本で見られたのが、とてもうれしかった。800円はお安いと思います。
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