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闘うレヴィ=ストロース の商品レビュー

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17件のお客様レビュー

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2022/10/20
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※このレビューにはネタバレを含みます

レヴィ=ストロースの壮大な思想は、安易で図式的な理解を拒む。百年を超える生涯を通じて、彼は何と闘ってきたのか。野性の生きものとの接し方に看取されるレヴィ=ストロースの「世界との接し方」と、構造主義と呼ばれる「ものの見方」とのあいだに存在する関係とは何か。あるいは、「彼らとの出会いの場」を「私によって私の位置」において作出するというレヴィ=ストロースにとっての人類学の企図が、どのような種類の、どれほどの知的な作業を必要とされるものだったか。 レヴィ=ストロースの壮大な思想の足跡を渉猟した本書を、格好の入門書と謂うには些か難解に過ぎようか。 とりわけ後半の3.4章は、もう少し懇切丁寧に論じて欲しい、と思うが‥。     -20091228

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2011/08/19

レヴィ=ストロースが思想を形成するプロセスに光を当てた本。若き日のレヴィ=ストロースの思考の軌跡をたどることで、「構造主義以前の構造主義の感覚」に触れることがめざされている。もう少し著者自身の解釈を前面に押し出してもよかったのではないかと思う。なお、巻末に詳細な「レヴィ=ストロー...

レヴィ=ストロースが思想を形成するプロセスに光を当てた本。若き日のレヴィ=ストロースの思考の軌跡をたどることで、「構造主義以前の構造主義の感覚」に触れることがめざされている。もう少し著者自身の解釈を前面に押し出してもよかったのではないかと思う。なお、巻末に詳細な「レヴィ=ストロース著作・論文リスト」が付されている。 レヴィ=ストロースは音韻論的な知の適用領域を、言語によるディスクールの空間から、自然の多様性そのもののリアリティに根拠づけられた思考の空間へと解き放つことで、文化の中に自然を根づかせた。『生のものと火にかけたもの』における、人類が火を獲得する神話の分析は、火を用いて料理することが、自然から文化への移行を印づける出来事であることを示している。のみならず、「料理により、料理を通して、人間の条件がそのすべての属性を含めて定義されて」いると述べられる。 自然と文化を峻別するのではなく、自然の中に文化を根づかせることがレヴィ=ストロースの狙いであったとすれば、「人間とは交換するものである」という人間の本質の解明が彼の狙いであったという理解はあたらないということも理解されるだろう。著者は、個人が集団に帰属するという「同一性の論理」を超えて、「交換と循環による水平方向への関係の展開と伸張」に、今日なお理解されていない、レヴィ=ストロースの思想の意義を認めている。さらに著者は、ネイティヴ・アメリカンが、白人の持ち込んだおとぎ話をみずからの伝承に適合するように手なおしして取り入れた思考のあり方に、同一化の論理を超えた、「到来すべき他者の場所をあらかじめ用意する」という倫理の形を見いだそうとしている。

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2010/06/16

〝「近代」の思想に終止符を打った構造主義〟といった理解だったが、この本で覆された。射程がマルクス的。つまりレヴィ=ストロースが葬った近代とは西洋中心主義なのだ。マルクスはというと、労働者階級のインターナショナリズムで基本的に非西洋も等価に置いた。発展段階説を直線的に解するのは誤り...

〝「近代」の思想に終止符を打った構造主義〟といった理解だったが、この本で覆された。射程がマルクス的。つまりレヴィ=ストロースが葬った近代とは西洋中心主義なのだ。マルクスはというと、労働者階級のインターナショナリズムで基本的に非西洋も等価に置いた。発展段階説を直線的に解するのは誤り。人間と自然の原初的関係を出発点とするのは、唯物史観と共通。「野蛮人とは何よりも先ず野蛮が存在すると信じている人なのだ」。この辺の相対主義がマルキストには鼻につくのだろうが、脇において置けない問題だと思うのだが…。

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2010/06/03

ポスモダン思想の端緒を開いた人文科学に於ける構造主義の祖、レヴィ=ストロースの足跡を辿る。10代の頃から社会主義の学生新聞を編集したり党の代議士の秘書として政策立案に関わったりしたその早熟にまず目を見張り、やがて政治から人類学へと舵を切らせる時代の据えた分岐点とのちに生み出される...

ポスモダン思想の端緒を開いた人文科学に於ける構造主義の祖、レヴィ=ストロースの足跡を辿る。10代の頃から社会主義の学生新聞を編集したり党の代議士の秘書として政策立案に関わったりしたその早熟にまず目を見張り、やがて政治から人類学へと舵を切らせる時代の据えた分岐点とのちに生み出される数々の著作が切り拓いた知の領域の大きさに思いを馳せる。本書を足掛かりに少しずつ読んでみようと思う。充実の入門書。

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2010/03/28

レヴィ=ストロース。哲学という孤高の世界にありながら、眼差しに優しさを湛えているところが尊敬する理由。 自分達欧米社会の常識を否定する勇気。企業社会にいながら、自分達の価値観を絶対視せず、常に真実を求め思考を続けることの大切さを教えてくれる彼の言葉に、驚愕を覚えずには居られませ...

レヴィ=ストロース。哲学という孤高の世界にありながら、眼差しに優しさを湛えているところが尊敬する理由。 自分達欧米社会の常識を否定する勇気。企業社会にいながら、自分達の価値観を絶対視せず、常に真実を求め思考を続けることの大切さを教えてくれる彼の言葉に、驚愕を覚えずには居られません。

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2010/02/21

 学生時代から「入門書」が嫌いでした。音楽でいえばベスト盤を聴くような感じでしょうか。  概略をつかむうえでは有効でしょうが、その代わり著者、編者の偏向がそのまま植えつけられるおそれもありましょうし。  とか思ってたんですが、アラフォー世代に突入した頃から、抵抗なく入門書に当たれ...

 学生時代から「入門書」が嫌いでした。音楽でいえばベスト盤を聴くような感じでしょうか。  概略をつかむうえでは有効でしょうが、その代わり著者、編者の偏向がそのまま植えつけられるおそれもありましょうし。  とか思ってたんですが、アラフォー世代に突入した頃から、抵抗なく入門書に当たれるようになってきました。さすがにもう内容を鵜呑みにできなくなっちゃってますし、いい意味でも悪い意味でも。  さて、レヴィ=ストロース死去という絶妙のタイミングで出版されたこの本。  ちょうど氏の思想に再チャレンジしようと思ってたので、新書サイズの本書を手にしたんですけどね、どちらかというと、入門書ではなく伝記でありました。  ただ、氏の人生を辿ることにより、その壮大な思想の変遷を垣間見ることができます。いや、むしろ中途半端な入門書よりも得るところは多いでしょう。  著者のレヴィ=ストロースへの「好き好き」オーラが溢れてるのがまた好いのですよ。

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2010/02/17

レヴィ=ストロースの思想の歴史。 1章 学生活動家レヴィ=ストロース‥社会主義のモラルをもとめて  1、「社会主義学生集団」事務局長 2、西欧の外へ 2章 批判的人類学の誕生‥修業時代  1、ブラジルへ 2、ニューヨークで 3章 野生の思考へ向かって‥模索の時代  1、神話研究へ...

レヴィ=ストロースの思想の歴史。 1章 学生活動家レヴィ=ストロース‥社会主義のモラルをもとめて  1、「社会主義学生集団」事務局長 2、西欧の外へ 2章 批判的人類学の誕生‥修業時代  1、ブラジルへ 2、ニューヨークで 3章 野生の思考へ向かって‥模索の時代  1、神話研究への助走 2、ユネスコと野生の思考 4章 もうひとつの豊かさの思考‥神話論理の森  1、神話の新世界の踏査 2、双子であることの不可能性

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