奇想と微笑 の商品レビュー
編集後期で森見さんが「太宰治にも奇想天外で愉快な作品があるよ、ということを、とくに若い読者に知らせる本である」と書いている。私も中期の明るめ太宰が好きなので、森見さんと同意見! 『カチカチ山』『畜犬談』あたりは学生時代から好きなので殿堂入りとして、自分をさむらいに例えだす『佐渡』...
編集後期で森見さんが「太宰治にも奇想天外で愉快な作品があるよ、ということを、とくに若い読者に知らせる本である」と書いている。私も中期の明るめ太宰が好きなので、森見さんと同意見! 『カチカチ山』『畜犬談』あたりは学生時代から好きなので殿堂入りとして、自分をさむらいに例えだす『佐渡』、黄村先生へのツッコミが冴え渡る『黄村先生言行録』が今回特に面白く感じた。 『新釈諸国噺』からの3編の、読点だけで続けて延々と書く独特のリズムとか、『走れメロス』の激情に任せて書き綴られたような熱い文章もいい。太宰の文章って、こっちを乗せて高揚していくような熱狂があると思う。 『人間失格』で太宰は好きじゃないわ、と思った人にこそ読んでほしい1冊。
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- ネタバレ
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畜犬談が一番好き。 ストーリーとは関係ないけど、「70〜80年前の文章ってこんなに普通に読めるんだ」と思った。 畜犬談の話だけしたい。これ前半ギャグだよね? 笑っていいやつだよね? 面白いよねこの主人公? 笑っちゃうよね? これを読んだ人に、「この主人公は犬が好きだと思いますか?」って聞いて回りたい。
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太宰治のヘンテコで愉快なものばかり集めた短編集だというけれど、やっぱり太宰治だから、暗くて卑屈でダメ人間な感じが漂ってくる。なんだこりゃ鬱陶しいなと思いながら編集後記を読むと、そういう読み方があったか、なるほどと思ってジワジワ可笑しくなってくる。太宰治というより、編者である森見登...
太宰治のヘンテコで愉快なものばかり集めた短編集だというけれど、やっぱり太宰治だから、暗くて卑屈でダメ人間な感じが漂ってくる。なんだこりゃ鬱陶しいなと思いながら編集後記を読むと、そういう読み方があったか、なるほどと思ってジワジワ可笑しくなってくる。太宰治というより、編者である森見登美彦の太宰への思いがおもしろかった。
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太宰治の短編集。森見登美彦さんが好きなので読んだ。 特に、『服装に就いて』『満願』『女の決闘』が好み。 最後の森見さんの編集後記もおもしろい。
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佐渡が特に好きだった 太宰治のひととなり、人物像がよく見えてくる。社交的で酒豪で真面目でユーモアに溢れている。ふらっと寄った立ち飲み屋で相席して他愛もない会話をしてみたい。
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太宰治は代表作の人間失格と、ほかちょっとした短編しか知らなかったので、ページを開いてびっくり! 文体がどことなく森見登美彦に似ている! もしかして、太宰の短編を流用して森見オリジナルにしたのかな? と調べてみたけれど、ちゃんと太宰治作でした。 暗い作品ばかりのイメージだっただけ...
太宰治は代表作の人間失格と、ほかちょっとした短編しか知らなかったので、ページを開いてびっくり! 文体がどことなく森見登美彦に似ている! もしかして、太宰の短編を流用して森見オリジナルにしたのかな? と調べてみたけれど、ちゃんと太宰治作でした。 暗い作品ばかりのイメージだっただけに、ちょっと笑える、愛嬌のある話もあったのか、と新たな太宰治を発見! なんだ、自虐もほどほどにすれば笑えるじゃない、なんて。 一番好きな話は「黄村先生言行録」 先生と太宰のやりとりが微笑ましい。 モデルが井伏鱒二ということで、井伏鱒二が書いた「太宰治」も読んでみたい。 こちらは、太宰治が亡くなったあとに、太宰を偲んで書かれたものだから、ちょっと湿っぽいかもしれないけれど。 巻末の森見登美彦編集後記での、太宰治に対する世間の印象について「太宰治なんて「走れメロス」と「生まれてきてすいません」の人でしょ?」には笑った。
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太宰治には暗い話のイメージがあり敬遠していたが、思いの外しょーもない人間なのかもしれないとわかって面白かった。「佐渡」と「畜犬談」と「服装について」が好き。小さいことを気にして一人でうにょうにょしてて人間すぎる。
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「畜犬談」が面白すぎて声に出して笑った。他、「黄村先生言行録」の、太宰治の心の中でされるツッコミが面白い。 星野源とか朝井リョウのくだらないエッセイが好きな人は、きっと好きになると思う。 森見登美彦は最後に「走れメロス」をもってきてくれてたけど、私はやっぱり好きじゃない。 中学...
「畜犬談」が面白すぎて声に出して笑った。他、「黄村先生言行録」の、太宰治の心の中でされるツッコミが面白い。 星野源とか朝井リョウのくだらないエッセイが好きな人は、きっと好きになると思う。 森見登美彦は最後に「走れメロス」をもってきてくれてたけど、私はやっぱり好きじゃない。 中学生の頃読んだ時と印象が変わったことと言えば、最後はちゃんとオチつけてるなあ、と思ったくらい。
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太宰治を少し違った角度から焦点を合わせた作品。 「黄村先生言行録」「満願」「女の決闘」「走れメロス」など 30年ぶりに読んだ走れメロスは突っ込みどころが多かった。メロスは自分勝手極まりない、勝手に妹の結婚式の日取りを決めるし、走って帰る時もわざわざバーベキューかなんかしてると...
太宰治を少し違った角度から焦点を合わせた作品。 「黄村先生言行録」「満願」「女の決闘」「走れメロス」など 30年ぶりに読んだ走れメロスは突っ込みどころが多かった。メロスは自分勝手極まりない、勝手に妹の結婚式の日取りを決めるし、走って帰る時もわざわざバーベキューかなんかしてるところを横切るし、王様はいい王様になった感じやけどそれま惨たらしいことしているのにとも思う。 ただこの短さと時代設定になんとなくうやむやにされてしまう。 つまり、恥ずかしいけど感動する。 この作品はまたタイトル勝ちなところがある。 倒置法的に動詞を前に持ってきて主人公の名前を持ってくるのは「桐島部活やめるってよ」くらいまで時代を降りてこなければなかなかない。
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森見さんの、太宰治傑作集。 太宰治は中学の時に読んだ「走れメロス」と「人間失格」ぐらいしか馴染みがなかったので、印象がかなり変わった。 特に気に入ったのは「畜犬談」、読み終わった後に太宰治のことがちょっと好きになっているから、ずるいと思う。 最初の「失敗園」→「カチカチ山」→「貨...
森見さんの、太宰治傑作集。 太宰治は中学の時に読んだ「走れメロス」と「人間失格」ぐらいしか馴染みがなかったので、印象がかなり変わった。 特に気に入ったのは「畜犬談」、読み終わった後に太宰治のことがちょっと好きになっているから、ずるいと思う。 最初の「失敗園」→「カチカチ山」→「貨幣」ぐらいまで「これは森見さんが書いたのでは?」と思ってしまうぐらい、文体もその雰囲気もよく似ていた。 読みやすいもので読者を釣って、「ロマネスク」あたりで太宰治の世界に引き摺り込んで、「黄村先生言行録」あたりから深い沼に沈まされる感じ。 100年程前の文章だから、読み難い所もあるし、時代錯誤で「ん?」と思う所もあったけど、それも踏まえて当時の様子や景色が見られて面白かった。 最後に「走れメロス」を持ってきたのもよかった。 濃い太宰治汁を発散させる、跳ねるような文体は見ていて気持ちが良い、フィナーレにふさわしい。 ただ、私も森見さんと同じでこの「正義!」っていう感じがどうしても恥ずかしく感じてしまう。
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