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M&A新世紀 ターゲットはトヨタか、新日 の商品レビュー

3.8

15件のお客様レビュー

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2018/10/07

・株式市場では一般に、1つの事業を行う会社:「ピュアプレイ(pure play)」の方が好まれ、複数の事業を行う会社は、価値が低く評価される傾向にある(コングロマリット・ディスカウント) ・TOB(Takeover bid / tender offer):株式公開買い付け ?相手...

・株式市場では一般に、1つの事業を行う会社:「ピュアプレイ(pure play)」の方が好まれ、複数の事業を行う会社は、価値が低く評価される傾向にある(コングロマリット・ディスカウント) ・TOB(Takeover bid / tender offer):株式公開買い付け ?相手方と友好的に話が進められそうな時には、相手方の経営陣と条件を交渉する。 ?交渉が暗礁に乗り上げそうな場合には、相手企業の取締役会に働きかける(ベア・ハッグ:相手企業の取締役会に対して正式な買収提案を行う)。 ?相手企業の株主に対して直接働きかけて株式を買い集める(TOB) ・「ストラティージック・バイヤー」(戦略的買収者):相手企業の事業を自分たちの事業に統合することで、より高い企業価値の創造を目指す。(シナジー効果) ・「ファイナンシャル・バイヤー」(財務的リターンを目的とする買収者):ターゲット企業が非効率な経営をしていることに目をつけ、経営を変えることで企業価値を高め、買った値段以上の株価にして、リターンを得ることを目的とする。 ・「買収カレンシー」 会社を買収する際には、その対価を?現金で払う方法と?買収者の株式で払う方法がある。 ・NPV Coverage Ratio プロジェクトから毎年上がるキャッシュ・フローのうちローンの元利払いに充当可能なキャッシュ・フローを現在価値に割戻し、その合計値がローンの金額の何倍になっているかを見る。NPV Coverage Ratioが1.0を切る場合にはプロジェクトのキャッシュ・フローでローンを返済することはできず、このようなプロジェクトに対して、銀行は融資を行うことはできない。 ・Annual Debt Service Coverage Ratio プロジェクトから毎年上がるキャッシュ・フローのうちローンの元利払いに充当可能な各年ごとのキャッシュ・フローが各年ごとに必要とされるローンの元利払い金額の何倍になっているかを見る。たとえ1年でも1.0を切ることがあれば、そのときにローンの元利払いが滞る。NPV Coverage Ratioの数値がよくても、1年でもAnnual Debt Service Ratioが1.0を切る年が予想されれば、プロジェクトに対する融資は難しくなる。

Posted byブクログ

2012/03/08

会社法が施行されるときに三角合併が話題になり日本企業が外資企業に乗っ取られるという大騒ぎがあったことはもう忘れ去られようとしています、あれは一体何だったのでしょうか。 あの騒ぎから凡そ5年が過ぎようとしていますが、幸か不幸か日本企業は外資企業に乗っ取られた例はなかったようです...

会社法が施行されるときに三角合併が話題になり日本企業が外資企業に乗っ取られるという大騒ぎがあったことはもう忘れ去られようとしています、あれは一体何だったのでしょうか。 あの騒ぎから凡そ5年が過ぎようとしていますが、幸か不幸か日本企業は外資企業に乗っ取られた例はなかったようですが、日本以外の世界では大型合併があらゆる業界で行わてきたようです。 自動車業界のように失敗に終わったものもありますが、製薬業界・石油業界・鉄鋼業界・化学業界等、巨大企業が次々に誕生しているような感じがします。 この本では、日本企業が将来成長するためにはどうあるべきか、日本ではどのような形でM&Aが進むのかが解説されていて、化学業界に身をおく私にとっても興味のある内容でした。 特に、あれだけ騒がれた三角合併が日本では置き無かった理由が解説されていた点(p103)は興味が持てました。また、今回の金融危機により投資銀行はなくなったと解釈していましたが、投資業務は規制はあるものの存続している、また中堅銀行は今まで通り存続していること(p169)を知り、いずれ同じ現象が起きる可能性もあると感じました。 以下は気になったポイントです。 ・日本の上位10社を除けば、残りの会社は全て海外の民間投資ファンドによって買収することが可能(p40) ・本業以外に手を出して破綻した企業の代表格はGM,1984年にコンピュータソフト(EDS社)、航空宇宙産業(ヒューズ)を購入していた(p46) ・GMはシボレー、キャデラック、ビュイック、GMCは残ったが、オペル、サーブ、ポンティアック、ハマー、サターンは売却、清算された(p47) ・ファンドや買収者が株主提案をすることが増えてきている、中部電力、電源開発、江崎グリコ、ブラザー工業、ノーリツ、フクダ電子等(p69) ・任天堂が買収されない理由として、1)現金を持つ合理的理由を理解している、2)今の経営陣はベストな布陣であると理解されている、が考えられる(p69) ・任天堂の役員報酬はマイクロソフトの6億円を比較して8000万円程度であり高くない、任天堂のゲームクリエータにとって仕事に熱中できることがポイント(p77) ・三角合併とは、海外の買収者が日本企業を買収する際に、その代金を現金でなく自分の株式で払うということ、その際にはその海外企業の日本法人も絡むことになるので当事者が3者となり、三角合併と呼ばれる(p100) ・三角合併が日本であまり起こらなかった理由として、貴重な自社株を交付することに躊躇する、買収した親会社の株式を交付された株主達は持ち続けてくれるか等の心配がある、1株あたりの収益(EPS)が低いため(p103、155) ・敵対的買収とは、株式を買われる会社の「経営陣を敵に回して」行われる買収のことで、買収される株主や従業員については必ずしもそうとは限らない(p114) ・株式評価の際に重要なのは、これまで会社があげた利益よりも、これからあげると予想される利益が重要であるため、赤字の東芝の株価が黒字の日立よりも高くなるという現象がおきる(p142) ・金融危機により5大投資銀行は投資銀行をやめたわけではなく、商業銀行と同じ土俵で投資銀行業務(資本勘定の12.5倍:自己資本率8%)を行うことが要請されるようになった、また老舗のラザード(中堅投資銀行)は今まで通り存続(p169) ・ベアリング商会は、合衆国の国債を引き受けてアメリカ政府に融資することで、アメリカは1803年に仏領ルイジアナ(ミシシッピ川ほぼ全流域、15州210万平方キロ、現在アメリカの4分の1)を買収できた(p183) ・原子力発電業務において、東芝はウェスティングハウスを買収(2006年10月、4200億円)ので、三菱アレバ、日立GEと比較して有利な立場にいる(p199) ・9つあった百貨店は、三越・伊勢丹、阪急・阪神・高島屋(エイチツーオーリテイリング)、大丸・松坂屋(Jフロントリテイリング)、そごう・西武・セブン(ミレニアムリテイリング)の4つに集約された(p201) ・キリン、サントリーの合併は、世界の食品・飲料業界で見れば、ネッスルやコカコーラの4分の1程度(時価総額:2.5兆円)であり、生き残りの必然の組み合わせ(p217) ・買収されたアルセロール(欧州鉄鋼会社)は、8つの投資銀行をつかって、買収防衛戦を繰り広げた、ミタル側はゴールドマン・サックス等の5行を用いた(p233)

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2011/07/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

スラスラ読めるM&A関連の書籍。 事前知識がない人が興味本位で読むのには最適だが、M&Aに関してある程度の知識がある人が読むのには物足りなく感じられると思われる。

Posted byブクログ

2019/01/16

投資銀行でM&Aアドバイザーをしていた著者が最近のM&Aの動向について考察。 世界で起きているM&Aと日本での認識の温度差について語る。 日本のニュースや雑誌で流れる情報だけに目を通しているだけでは本質を見失ってしまう可能性があることを感じた。 ...

投資銀行でM&Aアドバイザーをしていた著者が最近のM&Aの動向について考察。 世界で起きているM&Aと日本での認識の温度差について語る。 日本のニュースや雑誌で流れる情報だけに目を通しているだけでは本質を見失ってしまう可能性があることを感じた。 やはり自分の頭で考えることをしないと的外れなことを行ってしまいかねない。 会社が大きくなるには時間をかけてコツコツと利益をあげるだけでなくM&Aによって大きくスピードアップして成長できることがよく分かる。 インドの製鉄企業ミタルは約30年前にインドの牛小屋からはじまったスクラップ工場だったが、今や世界1の製鉄企業だ。 これもM&Aなしでは成し遂げられなかった。 M&Aの流れを理解するのと同時に、どのようにM&Aを実行していくのか、また経営者は敵対的買収をどのように回避していくんべきなのかなど知らなくてはならないことは多い。 最近のM&Aトレンドを理解するのに適していると思います。

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2010/10/11

・買収ファンド  国家ファンド: 分散投資、資金規模は大  私的ファンド: バイアウトもあり得る、資金規模は国家に劣る ・トヨタの買収  トヨタは多角化されており、コングロマリットディスカウントが  効いている。  したがって、買収すると、EPSが下がる等のデメリット ・買収相...

・買収ファンド  国家ファンド: 分散投資、資金規模は大  私的ファンド: バイアウトもあり得る、資金規模は国家に劣る ・トヨタの買収  トヨタは多角化されており、コングロマリットディスカウントが  効いている。  したがって、買収すると、EPSが下がる等のデメリット ・買収相手の選定方法  戦略的M&A   積極的: 他社のノウハウ、販売網、人材、技術etcが欲しい       ex)JTとRJRインターナショナル  消極的: 過当競争などの果てに否応がなしに合併       ex) 百貨店、キリンサントリー?       キリンサントリーは、       1、圧倒的に大規模な海外の競合他社に飲み込まれないため。       2、海外市場でそれら競合と伍していくために否応がなしに迫られた選択肢と解釈できる。  財務的M&A  買収後、インカムゲイン、キャピタルゲインを通じて利益を  得ることを目的とするM&A  余剰資金が多い。ex)ブルドックソース、  財務的改善の余地が大きい。ex)本業以外にも手を出すアデランス ・良いM&A、悪いM&A -本業に関連するものか否か。  選択と集中は企業の基本戦略であり、手を広げ過ぎるとコングロマリットディスカウントが発生する。 -マイナー投資の意味はない。  マイナー投資を行うと少数株主の意向も考慮しなければならなくなり、あまり上手くいかない。 -三角合併について  海外の企業にとって株式は大切なもの  EPSが下がったり、株式交換後大量に売りに出される等の事態は 避けたい。 ・今後のM&A  -百貨店   市場縮小の中で生き残りのための消極的M&A   しかし、それよりも業態の改善などが望まれる。   ex)顧客重視の店舗  -ビール   海外勢は大規模化し、キリンやサントリーは今後、そうした企業と争っていく必要がある。   そうした中で、飲み込まれることなく、互角に戦っていくためには、規模の拡大が必要。  -タバコ   JTは現在、世界第四位。適切なタイミングで海外企業を買収 し、海外でのプレゼンスを高めた結果であると評価できる。  -鉄鋼   アルセロール・ミタルが圧倒的な世界1位   それに対して、新日鉄は消極的な買収防衛策(持ち合いなど) 本当に防衛するならば、株価を高価格に維持する、M&Aなどを  通じて大規模な組織になるなど、積極的防衛が望まれる。

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2010/09/12

あらすじ 1.ファンド編 ・日本の上場企業上位10社を除くと、海外ファンドは買収可能 →ではなぜやらない?  →儲からないから   →成長の見通しがないから、買収のコストが高いから ・トヨタへの不振  →コングロマリットディスカウント、Debdの増加、立ち直りが遅い...

あらすじ 1.ファンド編 ・日本の上場企業上位10社を除くと、海外ファンドは買収可能 →ではなぜやらない?  →儲からないから   →成長の見通しがないから、買収のコストが高いから ・トヨタへの不振  →コングロマリットディスカウント、Debdの増加、立ち直りが遅い(在庫の適正化) 2.敵対的買収編  ・任天堂が買収されない理由(現預金過多なのに)   ・ゲーム業界故の特性→10回中1回の成功が求められる、経営人が認められてる  ・ブルドックが買収の標的にされる理由   ・安定した事業形態but厚いEquity   ・現預金過多→同業他社買収や新規事業でしか正当化出来ない  ・三角合併→買収カレンシーで流行らず 3.買収技術編  ・ドコモの失敗→マイナー出資の失敗  ・買収の考え方→EPSが上がるか下がるか 4.投資銀行編  ・投資銀行の行方等 5.価値創造戦略編  ・Globalでの業界再編→ビール、タバコ、鉄→日本人も考え方を変える必要あり 感想 投資銀行での業務経験を持つ著者がM

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2010/05/08

ここ近年のM&A事情や、リーマンショック後のM&Aへの影響、投資銀行の仕事など 色々と参考になる情報が書かれているので この分野に興味がある人には是非オススメしたい本です。

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2019/02/04

・最近のM&Aについて、とてもわかりやすく書かれている。おもしろい。予備知識ゼロでも読める。 ・この本の126ページに、M&Aで最も失敗した日本企業としてNTTドコモの例が挙げられている。1兆9000億円つぎこんだのに、1兆6000億円超の損失を計上したという大...

・最近のM&Aについて、とてもわかりやすく書かれている。おもしろい。予備知識ゼロでも読める。 ・この本の126ページに、M&Aで最も失敗した日本企業としてNTTドコモの例が挙げられている。1兆9000億円つぎこんだのに、1兆6000億円超の損失を計上したという大損。すごいな。

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2009/12/29

(S) リーマンショックから1年経った2009年10月に書かれた本(出版は11月)。 「なぜGEはソニーを買収しないのか」「トヨタといえども買収される可能性はある」など、興味を引くコラムを交えつつ、現在のグローバル資本主義経済をM&Aという視点から読み解いた本。 M...

(S) リーマンショックから1年経った2009年10月に書かれた本(出版は11月)。 「なぜGEはソニーを買収しないのか」「トヨタといえども買収される可能性はある」など、興味を引くコラムを交えつつ、現在のグローバル資本主義経済をM&Aという視点から読み解いた本。 M&Aの解説のために、TOBでの株価の適正な買取価格の決定方法や、企業の資金調達方法と企業価値の関係などを説明している。 その後、この本の本題であるM&Aからグローバル資本主義経済を読みとくところへと進む。 、ベルギーのインベブ社による米アンハイザー・ブッシュ社(バドワイザーの製造会社)の買収や、インドのミタル製鉄によるヨーロッパ巨大会社「アルセロール」の買収を代表的な例として挙げ、経済的には大国でない国の企業が経済大国の大企業を買収できることを示している。 日本企業への警鐘として、こうした買収が当たり前となったグローバル資本主義経済の下で戦っていかなければいけないことを主張している。 また、外国の政府系投資ファンドについて具体的な資産高を挙げ、どれだけのマネーのパワーがあるのかについてもリアルに教えてくれる。 読み物としても非常に面白い本だが、経済が不勉強な人間にとっては本題よりも違うところからの学びが大きかった。 例えば上に登場した「インベブ社」「アンハイザー・ブッシュ社」「ミタル製鉄」「アルセロール」など、企業規模としては超大企業であるにも関わらず、会社の存在を初めて知った。(バドワイザーは知っているのに!) また、M&Aに関連するTOBや買収防衛策についても触りを知ることができた。 本書からの学びを一言でまとめると、「グローバル経済を俯瞰するための大まかな世界地図と用語のインデックスを手に入れられる」と言える。

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2009/12/07

著者は岩崎氏である。早稲田政治経済—日本興業銀行—スタンフォードMBA−JPモルガンー メリルリンチーリーマンというキャリアである。ちなみに、多くの投資銀行を渡り歩いているが、 その期間5年だ。少し短い感じもする。 しかし、その内容は結構面白い。 本書では、まず大企業でも買収さ...

著者は岩崎氏である。早稲田政治経済—日本興業銀行—スタンフォードMBA−JPモルガンー メリルリンチーリーマンというキャリアである。ちなみに、多くの投資銀行を渡り歩いているが、 その期間5年だ。少し短い感じもする。 しかし、その内容は結構面白い。 本書では、まず大企業でも買収される可能性は十分にあるという点から説明される。 次に、買収がなぜ起こるのか、そして買収を成功させるには、さらに投資銀行の擁護 、最後に最近の動向とか成功企業とかいった説明となっている。 本書の面白さは“小説”らしさにあると言えるだろうな。 つまり、M&Aにおける技術的側面やEBIDA、PBR、PERとかそういった詳細というか 定量的・科学的話には多少触れるも、基本的には定性的本質によって M&Aを説明している点にある。これによって、M&Aに詳しくない人でもさくっと 読める風になっている。 まぁ、個人的にはNPVとIRRの違いっていうコラムが一番面白かったりするが、 本書の出版が近々ということもあり、それぞれの事例が新しく、そういった点も 面白い要因の一部だったりする。 M&Aは大体分かっている。 けど、最近ってどうなの?というちょっとM&Aから離れてしまった人には、 良い刺激を与えてくれる良書となりえると思う。 手軽に読めて、安いのでお勧めできる。 以上

Posted byブクログ