ニサッタ、ニサッタ の商品レビュー
普通のサラリーマンだった耕平は、会社の倒産をきっかけに、じわりじわりと落ちていく。まだ戻れる、まだ間に合うと思いながら…。いったん失った「明日」をもう一度取り返すまでの物語。 主人公がバカ過ぎて全く共感できなかった。最後まで読んだ自分を褒めたい。 (D)
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ほどんどが主人公の自業自得的な人生の転落劇で読んでいてしんどかったけどラスト近くになって病院でおばあちゃんに言われた言葉「今日だけ」にぐっときた。杏菜の母の話に涙。
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若い主人公が、ダルくて仕事を辞め、そこから転落していく様子がリアルに描かれている。 主人公が微妙なダメ人間。 自業自得ながら運も悪く、坂を転がり落ちるようにダメ街道へ。 それでも、惰性でも生きていく様子が、なんか自己投影できてしまって、読むのを止められんくなった。 最後のばー...
若い主人公が、ダルくて仕事を辞め、そこから転落していく様子がリアルに描かれている。 主人公が微妙なダメ人間。 自業自得ながら運も悪く、坂を転がり落ちるようにダメ街道へ。 それでも、惰性でも生きていく様子が、なんか自己投影できてしまって、読むのを止められんくなった。 最後のばーちゃんの言葉で号泣した。
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ときどき読んでいる乃南アサの小説。 以前、北村薫のときには、男性ながら女性の心理描写が うまいと書いたけど、反対にこの人は、女性ながら男性の心理描写が うまい作家さんだなと思う。 いい加減で、何でも失敗を他人のせいにする主人公の若者、 その主人公が、ハーフの女性やアイヌの存在を通...
ときどき読んでいる乃南アサの小説。 以前、北村薫のときには、男性ながら女性の心理描写が うまいと書いたけど、反対にこの人は、女性ながら男性の心理描写が うまい作家さんだなと思う。 いい加減で、何でも失敗を他人のせいにする主人公の若者、 その主人公が、ハーフの女性やアイヌの存在を通して、 遅ればせながら、成長していくストーリー。 今からは、こんな人が増えるんだろうなと思わせる 現実味のある話なので、あれよあれよという間に読んでしまった
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宮部みゆきや吉田修一の市井のどこにでもいるような人を描いた小説に通じるリアルさと人間のいろいろな思いが,心に響く言葉で紡がれるいい小説だと思ふ。
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【最初の会社を勢いで辞め、二番目の会社が突然倒産し、派遣先をたて続けにしくじったときでも、住む場所さえなくすことになるなんて、思ってもみなかった。ネットカフェで夜を過ごすいま、日雇いの賃金では、敷金・礼金の三十万円が、どうしても貯められない。失敗を許さない現代社会でいったん失った...
【最初の会社を勢いで辞め、二番目の会社が突然倒産し、派遣先をたて続けにしくじったときでも、住む場所さえなくすことになるなんて、思ってもみなかった。ネットカフェで夜を過ごすいま、日雇いの賃金では、敷金・礼金の三十万円が、どうしても貯められない。失敗を許さない現代社会でいったん失った「明日」をもう一度取り返すまでの物語。 】 読み始めから主人公にはこれっぽちも感情移入できません。 何でも他人のせいにして、自己弁護ばかり。確かに誰でも、何をやっても上手くいかない時ってあるけど、耕平はあれが悪いこれが悪い、でも自分は悪くないの一点張り。 今って現実社会でもこういう人、多いのかも。と暗い気持ちになってしまいます。 がむしゃらに頑張って少し上向き加減になったと思ったらまた奈落の底。そんな事の繰り返しばかりで、自業自得といえども辛いだろうな・・・。そんなテキトーな感じの耕平だけど、案外優しい心を持っている人で根は悪くないって事が物語のちょっとした描写から感じ取れます。 テキトーな事を繰り返してきた耕平が終盤になってやっと自分の愚かさに気づいたとき、杏奈の抱えてきた辛さを感じる事が出来た時、やっと耕平が少し成長できたんだと思えた。 祖母の言葉が温かくてじーんとします。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ニサッタはアイヌ語で「明日」の意。 これでもか、これでもかと転落していく主人公、耕平。耕平の運のなさと不甲斐なさから、社会から、普通の生活からどこまでも落ちていくその様に恐怖を覚える。ページをめくっていくのが恐ろしく読むのを中断してしまうほど。都会の(東京の)波に乗っていくこと、自分を見失わず生きることほど難しいことはないとつくづく思い知る。田舎の安住生活を送っている身分としてはよそ事のようにとらえてしまうけれど、子どものことを思えばそうも言っていられない今の社会の厳しい現実・・・・ 一刻も早く日本が住みやすい暮らしやすい国になってと願いたくなる。 ー明日のことなど考えていては不安に押しつぶされてしまうから、とりあえずはその日のことしか考えないー 耕平が飲酒運転の末、大ケガをして入院しやけっぱちになっているときのお祖母ちゃんの言葉。どんな慰めより耕平の心に響く。 杏奈が身の上話をする場面、涙。 どん底耕平が生きる希望ををみつけた★★★★
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一気に読んでしまいました(ネタバレあり・・かな?)片貝クンみたいな若者は多いんじゃないかな?ちょっとばかしの我慢ができなくて緩やかな下り坂をコロコロ転げ落ちていく感じ自分にまったく関係ないとは思えず背中がひや〜となる自分だけが大変なわけじゃないことはわかってるけど恵まれている(よ...
一気に読んでしまいました(ネタバレあり・・かな?)片貝クンみたいな若者は多いんじゃないかな?ちょっとばかしの我慢ができなくて緩やかな下り坂をコロコロ転げ落ちていく感じ自分にまったく関係ないとは思えず背中がひや〜となる自分だけが大変なわけじゃないことはわかってるけど恵まれている(ように見える)まわりの人に嫉妬して結局自分が苦しくなるそれでも片貝クンは少しずつ生活を心を立て直すそのたびに失敗してしまうけど最後はちょっと救いのある話でよかったここにたどり着くための遠回りだったと思える日がくればいい終わりよければ全てよし!?
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やることなすことが裏目、裏目に出てしまう青年の物語で おきまりのように、どこまでも落ちていきます。 このご時世、誰にでもそうなってしまう可能性は紙一重みたいな所が あるけど、片貝耕平はうまくいかない事は「運が悪かった」 「自分は悪くない」という感じで全て他人のせい。 本の2...
やることなすことが裏目、裏目に出てしまう青年の物語で おきまりのように、どこまでも落ちていきます。 このご時世、誰にでもそうなってしまう可能性は紙一重みたいな所が あるけど、片貝耕平はうまくいかない事は「運が悪かった」 「自分は悪くない」という感じで全て他人のせい。 本の2/3がこんな感じなので読んでいると気分が滅入ってしまいますが ドン底まで落ちる人と落ちない人を他人事のように分析しながら 片貝耕平が自分の人生を立て直しにかかります 何だかんだ言っても家族の存在はありがたいものだと 再認識させられました。 大甘な主人公にイライラしながらも エピローグとおばぁちゃんの存在で一機に救われました。 「ニサッタ、ニサッタ」はアイヌ語で「明日、明日」 どんなにもがいても明日は必ずやってくる!!
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どうしてこんなについてないんだろう。 最初の会社を勢いで辞め、次の会社は突然倒産。 派遣の仕事を立て続けにしくじり、住む場所さえなくした。 知らぬ間にじわりじわりと落ちていく。 もう消えてしまいたい。 こんな自分に生きていく意味なんてあるんだろうか。 そんな思いにもがく青年がもう...
どうしてこんなについてないんだろう。 最初の会社を勢いで辞め、次の会社は突然倒産。 派遣の仕事を立て続けにしくじり、住む場所さえなくした。 知らぬ間にじわりじわりと落ちていく。 もう消えてしまいたい。 こんな自分に生きていく意味なんてあるんだろうか。 そんな思いにもがく青年がもう一度「明日」を取り戻すまでの物語。
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