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彼女がその名を知らない鳥たち の商品レビュー

3.6

356件のお客様レビュー

  1. 5つ

    63

  2. 4つ

    106

  3. 3つ

    105

  4. 2つ

    42

  5. 1つ

    6

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2011/01/22

内田百閒の「ノラや」でしか泣いたことのない私が、 この小説には泣かされた。 ただ、二度目を読むのを躊躇っている。

Posted byブクログ

2010/12/29

恐ろしいぐらいの愛情というか執着というか。 無償の愛なのでしょうか。 男性陣の描写は細かく 「あぁ、この人はこんな感じなのね」と読みながら 目に浮かぶのだが 主人公の女性に関しては「九月~」と同じで なぜかあまり見た目なんかが書かれていない。 「それぞれが想像して」って事なのか...

恐ろしいぐらいの愛情というか執着というか。 無償の愛なのでしょうか。 男性陣の描写は細かく 「あぁ、この人はこんな感じなのね」と読みながら 目に浮かぶのだが 主人公の女性に関しては「九月~」と同じで なぜかあまり見た目なんかが書かれていない。 「それぞれが想像して」って事なのかな。 ラスト、胸が痛くなった。 主人公とその姉の会話はなぜかイライラした。 同居の男には高圧的な態度をとるくせに 姉の前ではもぞもぞする主人公に たぶんむかついた部分があるのかも(笑)

Posted byブクログ

2010/05/05

目に映るもの、心を過るなんともいえないような感情の動き、ありとあらゆるものを完璧な言葉に置き換え、文章にしていく筆力に脱帽。妄想癖があって、少し精神的に壊れているような主人公十和子を通して見た世界をも緻密に描写されるため、読んでいる間中閉塞感で窒息しそうでした。 この後、残った...

目に映るもの、心を過るなんともいえないような感情の動き、ありとあらゆるものを完璧な言葉に置き換え、文章にしていく筆力に脱帽。妄想癖があって、少し精神的に壊れているような主人公十和子を通して見た世界をも緻密に描写されるため、読んでいる間中閉塞感で窒息しそうでした。 この後、残った十和子はどうするのでしょう。ラストシーンも彼女お得意の白昼夢であったら、と思わずにいられません。 どちらにしても彼女は救われませんが…。

Posted byブクログ

2010/04/15

登場人物の全てが理解出来ずに読み終わった。 全員身勝手な愛のカタチを求めているようで。 個人的には読み疲れ違和感だけが引きずりました。

Posted byブクログ

2010/01/28

一言で言えば、99%不愉快で、生理的に不快な、けれど間違いなく最高傑作。 働くこともせず、ただ手ひどくだまされた男の影を引きずりながら、 自分が蔑むしみったれた醜悪な年上の男の世話になって一日一日、 ただ惰性で生を浪費する主人公の十和子。 15歳年上の同居人陣治は、かつて一流...

一言で言えば、99%不愉快で、生理的に不快な、けれど間違いなく最高傑作。 働くこともせず、ただ手ひどくだまされた男の影を引きずりながら、 自分が蔑むしみったれた醜悪な年上の男の世話になって一日一日、 ただ惰性で生を浪費する主人公の十和子。 15歳年上の同居人陣治は、かつて一流企業に勤めた栄光の残滓にすがりながらも、 今は肉体労働をしながらその日暮らしで十和子を食わせている。 十和子の独白で綴られる前半は正直、かなりつらい。 基本的に現在形で吐露される十和子の、陣治への嫌悪感に満ちた呪詛はおぞましい。 陣治を傷つけたい。この男から逃れたい。 だらだらと心の中で呪い、怒鳴る十和子は醜い女の感情のわだかまりそのものだ。 うるさい、黙れ、お前が死ね。 そう心の中で思いながらも、この救いようのない女の独白から読者は逃れられない。 昔の男・黒崎のような優男の水島にだまされ、また身体と金をむしり取られながら、 十和子はいつしか、陣治が黒崎を殺し、そうして今度は嫉妬から、 水島を狙っているのではないかという妄想にとらわれる。 しだいに壊れてゆく十和子。 陣治を殺すしかない、自分の幸せのために。 そう決意してその前にもう一度水島に会う十和子。 しかし実際に水島に会った十和子のとった行動とは・・ 最後のページを閉じて、本当に手がふるえた。 解説を読み、またもう一度、ページをめくる手が止まらない。 苦しい。気持ち悪い。息が出来ない。 本にもし温度があるのならこの本は、間違いなく灼熱だ。 喉からぐいぐい、熱い棒を押し込まれて涙が止まらなくなって、 ようやく解放されたような脱力感。 気持ちよい読後感とはほど遠い。 初めてだ。本で悪酔できるなんて。 読み終わって自分がちゃんと現実に帰ってこられた、それに感謝した。 覚悟を持って読むべし。 そして読んだら絶対に、最後まで読め。 最後の最後に来る衝撃は、超・ド級の切なさだ。

Posted byブクログ

2009/11/20

うわぁ...これは凹むなぁ...。登場人物の全てがデフォルメした 人の弱さ、狡さ、穢さ、不器用さを持ち合わせ...etcを 撒き散らかしてくれます。活字なのに読んでいて、 精神的に参るような臭いを放ってます...。 こりゃ...重たい。 なのに目を逸らすことなくページを捲り続け...

うわぁ...これは凹むなぁ...。登場人物の全てがデフォルメした 人の弱さ、狡さ、穢さ、不器用さを持ち合わせ...etcを 撒き散らかしてくれます。活字なのに読んでいて、 精神的に参るような臭いを放ってます...。 こりゃ...重たい。 なのに目を逸らすことなくページを捲り続けるのは... 何か救いが待っているから...という期待と、 この嫌悪感は人間の放つものだから...自分も 持っているものだからやめられないのか...。 淡く持った救いに対する期待にこの結末で 迎えられたら...凹みます(笑)。 黒い...黒すぎる!湊かなえの比じゃねぇっす。

Posted byブクログ