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無理 の商品レビュー

3.5

222件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2016/02/25

 ケースワーカーの相原、女子高生の史恵、セールスマンの加藤、万引きGメンの妙子、市議会議員の順一、地方都市「ゆめの」に暮らす五人が引き返せない道をたどっていく姿を描いた群像劇。  それぞれの鬱屈感、閉塞感が非常に伝わってくる描写でした。読み口はライトなのでそうした描写の割に読み...

 ケースワーカーの相原、女子高生の史恵、セールスマンの加藤、万引きGメンの妙子、市議会議員の順一、地方都市「ゆめの」に暮らす五人が引き返せない道をたどっていく姿を描いた群像劇。  それぞれの鬱屈感、閉塞感が非常に伝わってくる描写でした。読み口はライトなのでそうした描写の割に読みやすいのですが、ずっと鬱々としたまま最後まで読み進めました。  五人の話がどこかで交差するのかな、と思いながら読んでいたのですが、交差すると言えばするのですが、あまりミステリ的なトリックや構成のある感じの交差ではないので、あくまで地方都市に暮らす人々の群像劇として読むのが正解なのでしょうか。  タイトルの『無理』はこの登場人物たちの将来のことを指しているような印象です。一度レールから外れるとセーフティネットにもかからずにあっという間に転落してしまう今の日本(この小説の登場人物たちについては自業自得な人も何人かいますが)。そんな時代だからこそ書かれた小説かもしれません。  ブラックユーモアっぽい雰囲気もありますが、間違いなく鬱々となるので読むタイミングには十分な注意が必要な小説です。

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2015/02/12

「最悪」「邪魔」に続く作品 弱者を主張する身勝手な市民に嫌気がさしているケースワーカー、相原友則 東京の大学に進学しこの町を出ようと心に決めている高校2年生、久保史恵 暴走族上がりで詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマン、加藤裕也 スーパーの保安員をしながら新興宗教にすがる孤...

「最悪」「邪魔」に続く作品 弱者を主張する身勝手な市民に嫌気がさしているケースワーカー、相原友則 東京の大学に進学しこの町を出ようと心に決めている高校2年生、久保史恵 暴走族上がりで詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマン、加藤裕也 スーパーの保安員をしながら新興宗教にすがる孤独な48歳、堀部妙子 もっと大きな仕事がしたいと県議会に打って出る腹づもりの市議会議員、山本順一 地方都市ゆめのにあるドリームタウン通称ドリタンがこの町の繁華街。 そんなちょっと田舎にすむ5人が最後に・・・。 奥田作品9作目読了。

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2015/01/26

地方の都市ゆめの市を舞台に、様々な小市民の苦悩を描く。人が持つ悩みの種類には限りが無い。一見お金で解決できそうだが、そうはいかない。お金が有ろうと無かろうと下らない理由で困難は次々と人を襲う。そんな悩みを抱えた人々が迎える最後には何が待っているのか。同時進行で進んでいく各ストーリ...

地方の都市ゆめの市を舞台に、様々な小市民の苦悩を描く。人が持つ悩みの種類には限りが無い。一見お金で解決できそうだが、そうはいかない。お金が有ろうと無かろうと下らない理由で困難は次々と人を襲う。そんな悩みを抱えた人々が迎える最後には何が待っているのか。同時進行で進んでいく各ストーリーになかなか緊迫感が漂う。個人的には最後の大団円がもっとインパクトの有るものであったら良かったのにと思う。少し期待しすぎていたのである。

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2014/12/20

大好きな奥田英朗さんの作品です。今回はケースワーカー、暴走族上がりの悪徳セールスマン、スーパーの保安員等、何人もの非常に濃いキャラクターが登場し、物語を構成していきます。それぞれのキャラクターが、”こんな人、本当にいそう~。”って思えます。最後はギャグ漫画の様なオチですが、ハッピ...

大好きな奥田英朗さんの作品です。今回はケースワーカー、暴走族上がりの悪徳セールスマン、スーパーの保安員等、何人もの非常に濃いキャラクターが登場し、物語を構成していきます。それぞれのキャラクターが、”こんな人、本当にいそう~。”って思えます。最後はギャグ漫画の様なオチですが、ハッピーエンドと言いたいです。

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2015/01/12

引き込まれるような文才は感じない。 内容は、たしかに読みやすさはあったけどいつの間にか終わった感じ。 やるせなさはよく出てる。

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2014/07/25

雪の降る地方で、それなりに些細な生活を送っていたいろんな男女がどんどん堕ちていく感じ。 生活保護だの育児放棄だの詐欺まがいの訪問販売だの新興宗教に主婦売春、引きこもりに女子高生の拉致監禁、アルコール依存症の奥さんを持つ小ずるい市議会議員。 どの人生も無理で無茶。でも圧倒的なリアリ...

雪の降る地方で、それなりに些細な生活を送っていたいろんな男女がどんどん堕ちていく感じ。 生活保護だの育児放棄だの詐欺まがいの訪問販売だの新興宗教に主婦売春、引きこもりに女子高生の拉致監禁、アルコール依存症の奥さんを持つ小ずるい市議会議員。 どの人生も無理で無茶。でも圧倒的なリアリティで、怖いもの見たさで、結末が気になって最後の方は一気読みでした。 欲を言えば、本当の結末はどうなったのか、もう少し知りたかったです。

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2016/04/11

さびれた東北の地方都市の5人の主人公。お金持ちだろうと生活保護を受けていようと公務員だろうとひきこもりだろうと、みんなが絶望的な悩みを抱えていて、それを打開する術も見つけられず、諦めることを覚える。そして誰も幸せにならない…結構すごいストーリー

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2018/01/01

「最悪」「邪魔」の流れを組む、雪だるま式に堕ちていく人間ドラマ。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file4/naiyou2409.html

Posted byブクログ

2014/03/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

典型的な状況を描いてリアリティを感じさせるという手法。いささかマンネリか。地方の荒廃がいまや誰もが容易にイメージできるテーマだということか。 5人の主人公それぞれが程度の差はあれ、どうにもならない状況、というより自ら袋小路に追い込まれていっている感はあり、そこに作為を感じてしまう。最終結末もとっちらかったまま、という印象で、特にこの5人を主人公に据えなければならなかった必然性は感じない。

Posted byブクログ

2014/03/06

どこにでもある地方都市で暮らしている5人。 5人の人生が少しずつ交差し、そして堕ちていく・・・   ゆめの市の空模様のように、終始曇った感じの内容。   最後もスッキリしない終わり方・・・ 「無理」やり終わらせたような小説。

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