喋る馬 の商品レビュー
初のマラマッド。そもそも、名前も初めて聞いた。 翻訳叢書シリーズ3作目である。 巻末にある柴田氏解説によると【マラマッドはアメリカにおけるユダヤ系三羽烏】と言われた大物。 そしてアメリが文学史において重要な位置を占めているのだと。 得も言えぬ、充足の読後感を貰えた。実によい文、...
初のマラマッド。そもそも、名前も初めて聞いた。 翻訳叢書シリーズ3作目である。 巻末にある柴田氏解説によると【マラマッドはアメリカにおけるユダヤ系三羽烏】と言われた大物。 そしてアメリが文学史において重要な位置を占めているのだと。 得も言えぬ、充足の読後感を貰えた。実によい文、短編の数々。 18編が収められている。 個人的には優劣つけ難い、何れも秀作。 筆者は推敲を重ねて、練り上げていくタイプと柴田氏が解説している意を感じさせる。 特にと言えば「ユダヤ馬」「ドイツ難民」「悼む人たち」「最後のモヒカン族」 柴田氏の解説でさらに付け加えさせて頂くと・・ 【マラマッドの作品特徴というと①自己中心の文学に「義の人」が挿入されている。 義を貫こうとしても要求自体 理不尽な義である場合もあれば、要求を呑むこと自体理にかなっているか否かという事態もある。 ②イディッシュの生活の現状・・貧しいの極み・・それを美しい貧しさという世界観で貫いている。③当作に2か所あったイディッシュの語学力の訥弁的事情。言語なら、どう綴られるのだろうと思った(日本語訳ではなまって濁音表記している)ドイツ難民の面白さはそこにある。また、「白痴が先」でWhat it means to be human?が正しい文になるところをYou bastard,don!t you understand what it means to。。。。?というのがなまりの文。 やはり、原書で読まないと味わいを理解できない・・はずの理解を柴田氏は見事に我々に邦語訳としてプレゼントしてくれている。 氏のの訳が持つその凄さが改めて感動ものだった。
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(ユダヤの教義に明るければ、より理解が深まるかもしれないけれど)宗教や人種に関わらず、持たざる者の生き方、信じるものとの折り合いの付け方を描いた話が多かったと思う。 読みながら、某アーティストの過去のツアータイトル"Laughter in the Dark" ...
(ユダヤの教義に明るければ、より理解が深まるかもしれないけれど)宗教や人種に関わらず、持たざる者の生き方、信じるものとの折り合いの付け方を描いた話が多かったと思う。 読みながら、某アーティストの過去のツアータイトル"Laughter in the Dark" が浮かんだ。 掲載順では、「ドイツ難民」のあとに「夏の読書」がくるのが何とも言えない…
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登場人物が皆さん崖っぷちの危機に立っている人たちです。他人にもっと思いやりたい、親切にしたいが自分のことで精一杯だということが伝わってきます。かなしい気持ちになるんあだけど、だんだん面白さがわかってくる感じです。
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短編集13編 ユダヤ人の信仰が深いところで息づいていて,おかしな不条理さがさも当たり前のような形で示される.とても変なのだが真面目におかしい.「最後のモヒカン族」が良かった.
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何もかも失い尊厳さえ奪われ、時には命までも、という理不尽な体験の中で、神や信仰とどう向き合えば良いのか。個人としてどう在れば良いのか。という主題の様々な変奏。 かわいい表紙に惑わされて読めば地獄で這いつくばってのたうち回った後、放り出されます。 そして、生きる事の重みと冷たさと...
何もかも失い尊厳さえ奪われ、時には命までも、という理不尽な体験の中で、神や信仰とどう向き合えば良いのか。個人としてどう在れば良いのか。という主題の様々な変奏。 かわいい表紙に惑わされて読めば地獄で這いつくばってのたうち回った後、放り出されます。 そして、生きる事の重みと冷たさと温かみがずっしり残って来るのですが。 人はいつでも気付かずに差別・迫害・利己主義・不寛容の当事者になるのです。する側にも、される側にも、魔法の様にクルっと裏返って。ほら、今も。 表題作で、ラジオから流れる物語として挿入される悲しい話はチェーホフ『ふさぎの虫』であると指摘しておきます。 不条理劇風の「手紙」も、チェーホフ的主題を2〜3盛り込んでいるし(「六号室」「ワーニカ」など)、全体にチェーホフからの影響と愛が溢れている。 どれも珠玉の傑作。私は中でも「最初の七年」が好き。完璧な短編だと思う。(やっぱりチェーホフの「いいなずけ」と比べたくなるなァ)
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すっごく良かった!ユダヤ難民とその周辺の人物たちを描いた作品が殆どで、その背景には勿論ホロコーストの影がある。それでも、貧困にあえぐ、異国の地で母語を失い絶望する、というだけの暗い話ではない。どの短編も淡々と人々の決して豊かでも楽でもない暮らしを描いているのに、どこかユーモラスで...
すっごく良かった!ユダヤ難民とその周辺の人物たちを描いた作品が殆どで、その背景には勿論ホロコーストの影がある。それでも、貧困にあえぐ、異国の地で母語を失い絶望する、というだけの暗い話ではない。どの短編も淡々と人々の決して豊かでも楽でもない暮らしを描いているのに、どこかユーモラスで、ほの明るい。今まで味わったことのないような読後感。それは彼らが、薄っすらでも信じ続けた希望の光なのかもしれない。 特にお気に入りは、「ユダヤ鳥」(これは宮沢賢治のよだかの星を思い出したなぁ)、「ドイツ難民」「悼む人たち」「天使レヴィーン」「最後のモヒカン族」。 どれも素晴らしかった!名作。
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読んだことのない感じ。短編なのに読むのがしんどくなったり、かといって読み終わるともっと読みたくなったりした。
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ユダヤの被害者意識が反映されている作品かと思ったが、どうやらそうではない。ユダヤ人か否かは関係ない。自分の中に救いを見いだす葛藤と、はたしてその一見救いに見えるものに意味はあるのかという問い。
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「夏の読書』は以前読んだことがあるような…。読書が少年の未来に光を与えてくれるんだろうか。「ドイツ難民」は胸を衝かれた。
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柴田元幸翻訳業書だから間違い無いだろうという読みはあたって凄くいい作品。 ユダヤ系の三大作家の一人マラマッドの短編集は不条理感や悲しげなトーンが堪らない。 全然読み易くてすらすら読めてしまうのだけど、ちょっとユダヤのコクが強いかな…。 この作家の作品はもうちょっとちゃんと読もうと...
柴田元幸翻訳業書だから間違い無いだろうという読みはあたって凄くいい作品。 ユダヤ系の三大作家の一人マラマッドの短編集は不条理感や悲しげなトーンが堪らない。 全然読み易くてすらすら読めてしまうのだけど、ちょっとユダヤのコクが強いかな…。 この作家の作品はもうちょっとちゃんと読もうと思いました。面白かった!
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