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どうして書くの? の商品レビュー

3.7

28件のお客様レビュー

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2011/03/05

ネガティブ歌人・穂村弘がいろんな作家・歌人にインタビューしています。 この本の中で穂村さんは 『恵まれた世界(穂村さんは「生まれたときからケーキを食べられる」と表現)に生まれ普通に大学生になって、という生活をしていると、自分は何か素晴らしいことができるに違いない、ともっと...

ネガティブ歌人・穂村弘がいろんな作家・歌人にインタビューしています。 この本の中で穂村さんは 『恵まれた世界(穂村さんは「生まれたときからケーキを食べられる」と表現)に生まれ普通に大学生になって、という生活をしていると、自分は何か素晴らしいことができるに違いない、ともっと贅沢な望みを持つ。 そこに根拠はない ただ、自分だから素晴らしいはず・・・』 というようなことを書いている。 わかる。 すくなくとも表現を志す人の中には絶対にある感覚、と思う。 現代社会に生きる私たちは 上記のような理由を含め、 「書くことがないというところから始まっている」(川上弘美) 読むのは一瞬なのに、みんないろいろ考えて書いてんだなーと 当たり前のことに改めて  感心してしまった。 表現は、直接役に立たない。 正直、あってもなくてもいいもの。 ただ、その突き詰めた果てに、存在価値がある、と信じているのだ。 みもふたもない言い方だけど、身につまされました。

Posted byブクログ

2010/12/20

文を書い生きている人しかわかんない話だから、わからない部分も多いんだけど、みんなの書くことに対する態度や込める思い、言葉への感度(リズム派、字体派など)が垣間見れておもしろい。対談相手によってフォントやスペースの取り方も違って本のつくりもいいかんじ。

Posted byブクログ

2010/12/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

うーん興味深かった。たまに何言ってるかよくわかんないとこもあったけど。論の下敷きにしてるもの自体知らないとね。全員読んだことない人だし…。 特にひととようとのと、山崎ナオコーラとの対談がよかったかなあ。 竹西さんとの対談が全然かみあってなかって、色んな考えの人がいるからこそ、そうやって語り合うの大切かもなって思った。 でも、大抵そこまでたどりつけないのよな…。 --- 感情とか思いを言葉で伝えようって思ったとき、その思いが「水」だとすると、言葉はそれを入れる「器」みたいなもので、 --- わかりやすいコップだけじゃなくて、氷にしてぶつけたり、口移しで渡したり、とかあるって話。 --- 年をとるとどんどん経験が自分を強化していくんです。かつて思春期に息もできないくらい圧倒された、苦痛の根源でありアイデンティティでもあったセンスのようなもの…それが渦巻きにつながると思うんだけど、その渦巻きがどんどん弱くなって自分が強くなっていく。(略) だから渦巻きというのは、生きていく中で変質していくのが一般的なんですよ。 (略)その時々で渦巻きが変わっていったとしても、書けるものを書いていけばいいと。 (略) とても怖い。だってもともとは渦巻きだけがアイデンティティなんですよ。そのせいでみんなに相手にしてもらえなくて、人の中に入れなくて写真にも写れなくて苦しんだ。そこまでして自分たりえていたのに、今さら薄れていかれても困るんだよ、みたいな。やっとものを書くということとそれをつなげたのに。安らかな自分になるのは恐怖です。 ‐‐‐ このへんほんとそうだと思った。 もう私は、かなり渦巻きなくして安らかになってるんだよな、もう書けない。 日々暮らして、摩耗して、生温かくなって考えなくて、ぼんやりして、ひりひりびりびりぎりぎりしない。 だからそれを一瞬で突き破るライブが好きなんだよな。 でも、まあまあうまくやれてきてる、とか油断してると世界にかみつかれてびっくりするんだよね。全然だめじゃんって。

Posted byブクログ

2010/10/27

この人の『絶叫委員会』を読んでみたくて、でもまだ図書館に戻ってこない。 なので周辺から入ってみた。 穂村弘の本も、ここで対談相手になっている人たちの本や音楽も 私はほぼ知らないが、 言葉をめぐる鋭いやりとりはどれも刺激的で面白かった。 穂村氏のこだわりがちょっと理解にしにくい。 ...

この人の『絶叫委員会』を読んでみたくて、でもまだ図書館に戻ってこない。 なので周辺から入ってみた。 穂村弘の本も、ここで対談相手になっている人たちの本や音楽も 私はほぼ知らないが、 言葉をめぐる鋭いやりとりはどれも刺激的で面白かった。 穂村氏のこだわりがちょっと理解にしにくい。 対談相手の女性の方が強くて大雑把で混濁していない。 http://takoashiattack.blog8.fc2.com/blog-entry-1642.html

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2010/09/11

今まで一青窈さんのことが意味も無く嫌いだったのですが、(高飛車な気がして)この本を読んで少し好きになりました。 今後はだしでTVに出ていても少しは見てみようと思います。 それにしても中島たいこさんとの対談に 穂村「女性にはスタンプが溜まって満期になるように、つき合っている男性...

今まで一青窈さんのことが意味も無く嫌いだったのですが、(高飛車な気がして)この本を読んで少し好きになりました。 今後はだしでTVに出ていても少しは見てみようと思います。 それにしても中島たいこさんとの対談に 穂村「女性にはスタンプが溜まって満期になるように、つき合っている男性への態度が激変することがある。とつぜん汚らわしい物のように扱われてしまう。昨日の僕と変わりないのに」 という部分が出て来るのですが、あれ、女性なら誰にでもある事なんですね。 私、非常にそういう面が強くて、わりと罪悪感にかられていたのですが。そうか。なんとなくほっ。 中島「女性の愛情は株価のように状況に応じて動くところがある。また、不意にダメになることもある」 よくわかるけど文章にするとひどい(笑) 女ってあつかいにくいですね。あたしおんなだけど。

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2010/08/03

穂村弘のいう、言葉が意味やコミュニケーションに軸足を置きすぎていて言葉自体の持つ感触や息遣いが軽視されているという主張には、洒落や言葉を弄した文章が好きな自分としては非常に共感。 コミュニケーションのためだけに書かれた文章は、あまりにも疑いがなさすぎて、あまりにも軽いと思う。 ...

穂村弘のいう、言葉が意味やコミュニケーションに軸足を置きすぎていて言葉自体の持つ感触や息遣いが軽視されているという主張には、洒落や言葉を弄した文章が好きな自分としては非常に共感。 コミュニケーションのためだけに書かれた文章は、あまりにも疑いがなさすぎて、あまりにも軽いと思う。 言葉はもっといろんなことを表現できるはずだし、ひいては世の中はもっといろんな視点で切り取ることができるはずだ。誰にでもわかる文章で書かれた言葉なんて、それは言葉の最大公約数のようなもので、あまりにも当たり前だし、つまらない。 という風に自分で普通に考えると思うのだが、一方で養老孟司の言うことには、言葉なんてものはそもそも他人に理解されるように作られているのだから、本当に独創的な考えなんてものは他人に理解どころか表現もできないし、そんなものにたいした意味はないということらしい。加えて、上述したような考えは、言葉とは別に考えるオリジナルな私、という存在を前提にしているが、ポストモダンの考え方によれば、そもそも言葉を離れて考えるオリジナルな私など存在せず、言語が思考を規定するのだという。 では整合的に考えるとどういうことかというと、おそらく2つの考え方がある。 1つは、独創性とコミュニケーションのバランスを取れた表現が芸術だという考え方で、確かモーニング娘。は時代の一歩先ではなく半歩先を行く、というようなことを言われていた気がするが、おんなじ様なことである。こう書くととても陳腐なことのように聞こえるが、世にもてはやされる芸術というのは大抵こういうものであろう。 しかし、この考え方に従うと、結局芸術の存在根拠を大衆(或いはアーリーアダプター)に求めていることになり、そんなものはエンターテイメントにすぎないという話になる。要はIphoneと一緒である。 他方、芸術の存在価値を量ではなく質に置くという考えはどうか。以前島田雅彦が100万人が読んだ小説よりも、1人の人間の人生を救った小説の方が価値があるというようなことを言っていたが、個人的にはこちらの考えを大いに支持したい。 言葉の問題に戻ると、その一言で読んだ人の人生が救われるような言葉。それを目指すのが、芸術であるということになる。これは芸術の根拠をコミュニケーションに求めるのでも、オリジナリティに求めるのでもなく、深度に求める考え方だと言うこともできる。 文学は飢えた子どもの目の前で何ができるのか、というとあまりに功利主義的ではあるが、そうとは言わなくても、人生を輝かせる一言はあるはずだ。穂村弘の短歌、ならびに彼が短歌という爆弾を得て日常を一変させたという表現は、同様に僕の人生を一変させる輝きを確かに放っていた。 次の問いは、では質の善し悪しは誰がどうやって判断するか、ということだが、個人的な考えではここには何かしらのヒエラルキーを導入せざるを得ない。但し、単に多数決を取ればよいという単純な民主主義でも共同体主義でもなく、歴史と理性が生み出した価値観の序列、例えばマズローの欲求段階説、或いはミルの他害原理は人類普遍の価値観になりうる可能性は高いと個人的には考えている。

Posted byブクログ

2010/06/12

長嶋有さんとの対談面白かったぁ。 穂村さん対談とか出来るんだと思って、関心?感心?しながら読んだ。

Posted byブクログ

2010/05/25

穂村さんが、自分が想像していた以上に理論的で、理論の上に乗っかる感情についてもさらに理詰め。でも、言葉に対しての真剣さはやっぱり好き。 色々意外でした。

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2010/05/09

・インターネットでの自己表現は、膝までしか湯をためていない風呂に入ってしまうこと…なのか?ドキドキ。 ・音楽とマンガは広さと深さを両立できる。でもやっぱりどこか共感される部分がないと変人になってしまうのかな。 ・昔と現代の人を比べて劣等感を抱いているのが伝わってきた。でも現代だか...

・インターネットでの自己表現は、膝までしか湯をためていない風呂に入ってしまうこと…なのか?ドキドキ。 ・音楽とマンガは広さと深さを両立できる。でもやっぱりどこか共感される部分がないと変人になってしまうのかな。 ・昔と現代の人を比べて劣等感を抱いているのが伝わってきた。でも現代だからこそ書ける細やかな気持ちもあると思うし、それが現代の人たちに伝わることに、意味があるんじゃないかな。

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2010/05/08

ことばのおもしろさにはまっています。ほむらーになりそう!! 本のおっかけしようかな。気になるひとりになりましたよ。

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