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君に降る白 の商品レビュー

4.4

17件のお客様レビュー

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2019/07/24

古本屋と夜のお店で働く芹田藍と、白シャツ白靴下が好きな変態会社員成瀬恵一の、どこまでも切なくて苦しくて、どこまでも優しくて愛しいお話でした。 この物語を読んで、自分にも大切にしたいのに突っぱねてしまう優しさが身近にあることに気付き、「ありがとう」の言葉でさえ簡単に伝えられない人...

古本屋と夜のお店で働く芹田藍と、白シャツ白靴下が好きな変態会社員成瀬恵一の、どこまでも切なくて苦しくて、どこまでも優しくて愛しいお話でした。 この物語を読んで、自分にも大切にしたいのに突っぱねてしまう優しさが身近にあることに気付き、「ありがとう」の言葉でさえ簡単に伝えられない人がいることに気付きました。 読んでる間、胸がチクリと痛かった。 少しだけ二人の気持ちと重なって苦しかった。 藍の「僕と会っても、楽しくないですよ」という一言に「それは俺が決めることだろ」と返した野宮さんが凄く好きです。 佐藤店長は二度と藍の前に現れないでほしい。 藍が成瀬さんを好きだと気付いたのは、一体いつだったんだろう。気付いた時にはもう好きだったんだろうな。 朝丘戻作品は、やっぱり心が動かされて好きです。 大切に綴ってくれている文章を、私も大切に読みたいと思える作品ばかりで。あ、一箇所だけ文字が足りないところを見つけてしまったのも、大切に読んでいるからこそ。 この調子で全作品、読破したいです!

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2017/06/17

藍はなぜそこまで自分を大事に出来ないのだろうかと思わずにいられないのですが、ひとえに愛情に飢えていたことに尽きるんだろうなと……。 肉体労働のアルバイト、と流されるままゲイ向けのデリヘルで働き、加虐心を擽る佇まいゆえにおもちゃのように弄ばれることを「あたりまえ」と受け流していた...

藍はなぜそこまで自分を大事に出来ないのだろうかと思わずにいられないのですが、ひとえに愛情に飢えていたことに尽きるんだろうなと……。 肉体労働のアルバイト、と流されるままゲイ向けのデリヘルで働き、加虐心を擽る佇まいゆえにおもちゃのように弄ばれることを「あたりまえ」と受け流していた藍は自分をただ抱きしめて慈しむように触れてくれる成瀬に出会い、不器用で純粋で真っ直ぐな愛情に包まれていく。 成瀬だけでなく、オーナーも先輩もみんなで親身で優しいのに愛情に包まれて守られていることに気づけていないだよな、と。 不完全な人たちが不完全なまま気持ちを柔らかに溶かしていく朝丘ワールドでした。 静かに淡々と紡がれる感情のうつろいは純粋で真っ直ぐ、不器用でもどかしい。 いや、オーナーひどいやつでしたけど。 自分を大事にしてこなかった代償に「成瀬さんにはふさわしくない、汚れているから」と卑下するあたり、ダメだなぁ。まぁでも、気づくこと、愛せることは尊いことだよ。 詩的でふわふわ柔らかな文章は時折キラリと優しく光るフレーズ、水彩画のように繊細な淡い描写が優しい。 あと、わたしも「藍クン」は好きじゃないな…。 ちょっと可愛すぎてところどころがムズムズする文体ではあったなーと。 ところで藍は古本屋バイトでなぜ1LDKに住めるんだ。時給いくらだよ。

Posted byブクログ

2013/11/12

これを読む前に「あめの帰るところ」を読んだのですが、どちらも相手を思う気持ちが切なく、綺麗すぎて、読んでいて辛くなります。 そして、どちらも相手がいるからこそ人として生きていける不可欠な2人の話。 続けて読んだので、評価が★5つしかつけられませんでした。 あとで読んだら変わる...

これを読む前に「あめの帰るところ」を読んだのですが、どちらも相手を思う気持ちが切なく、綺麗すぎて、読んでいて辛くなります。 そして、どちらも相手がいるからこそ人として生きていける不可欠な2人の話。 続けて読んだので、評価が★5つしかつけられませんでした。 あとで読んだら変わるかもしれないのですが、しばらくは朝丘さんの世界に浸りたいので、その間はこの評価は変わらないでしょう。 溺れて切なくなって自分を綺麗にしていけると錯覚しながら読んでいきたいです。

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2013/09/13

高校を卒業してから二年。芹田藍は昼は古本屋、夜は身体を売るバイトをしていた。淡々としている藍を玩具のように扱う客が多い中、愛情を教えてくれたのは自分の身体を一切求めてこない客、成瀬恵一だった。平凡なサラリーマンで、温かく純粋な成瀬。だが彼に心惹かれるも、過去の出来事から自分自身を...

高校を卒業してから二年。芹田藍は昼は古本屋、夜は身体を売るバイトをしていた。淡々としている藍を玩具のように扱う客が多い中、愛情を教えてくれたのは自分の身体を一切求めてこない客、成瀬恵一だった。平凡なサラリーマンで、温かく純粋な成瀬。だが彼に心惹かれるも、過去の出来事から自分自身を認められない藍は、遠ざかることしかできず――。切なく心揺れるラブストーリー。

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2013/07/18

また泣けた…泣いた…純愛だよ。 好きだから大事だから一緒にいたい恵一。好きだから大事だから離れようとする藍。淡々とお話は進んで行くんだけど…切ない…。 後半は涙涙…

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2012/06/25

何度読み返しても、切なさに泣いて、幸せに泣けてくるBL作品。 最初はフェチやウリといった設定に敬遠気味だったんですが、今は、すごく純粋であまりに不器用な人達のラブストーリーだと思っています。 主人公の空虚、戸惑い、期待、絶望、そして愛が、すごく伝わってきます。

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2012/05/20

朝丘さんの切なくて心臓が潰れそうになる…!グオオ… 相変わらずです。 私の蔵書は比較的普通っぽいBLが多いなか、主人公が夜の仕事をしているというややデカダンスぎみなのですが、も〜…やっぱりいいよね夜の仕事ね…/////夜の仕事してて出会う、普通に自分を気遣ってくれるお客さんね/...

朝丘さんの切なくて心臓が潰れそうになる…!グオオ… 相変わらずです。 私の蔵書は比較的普通っぽいBLが多いなか、主人公が夜の仕事をしているというややデカダンスぎみなのですが、も〜…やっぱりいいよね夜の仕事ね…/////夜の仕事してて出会う、普通に自分を気遣ってくれるお客さんね/////昼間のバイト先の店長がそれを知って豹変し、やたらセクハラしてきて気持ち悪い…みたいなところとか最高でした… 両片思いということばがふさわしい、相変わらず最後までくそっもどかしいぜ!

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2012/05/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

君に降る白、じゃなくて、私の中では『覆い尽くす白』のような。 作品全体に漂う、寂寥。降り積もる白に全ての音が消される。 埃の色、光の色、目に映る世界、心の中、流れる風。 その全てが白く、ただしんしんと降り積もってゆく。 そんな、そこはかとなく優しく、柔らかく、切なく、心を 揺さぶられる『白』に、惹きずりこまれたら最後、涙が 止まらなくなりました。 別に、ここが泣ける、ここで泣いた、ここが凄いとかそういう ドラマチックな展開なんてない。物語は静かに、ただただ静かに 淡々と進んでいくのに、ふたりの『想い』がひしひしと読み手に 伝わってきて、どうってことのない、日常の風景の中にすら 瞼の裏が熱くなります。

Posted byブクログ

2012/03/06

著者のあとがきに書いてある通り、透明感のある雰囲気、ゆるやかに真綿に優しく包まれるような温もりと愛しさが言葉一つ一つに感じられる作品でした。 自分の価値を見いだせない主人公がある人と出会うことによって人として生き始めるお話。主人公の設定が夜のバイトで不特定多数の人間と体の関係を持...

著者のあとがきに書いてある通り、透明感のある雰囲気、ゆるやかに真綿に優しく包まれるような温もりと愛しさが言葉一つ一つに感じられる作品でした。 自分の価値を見いだせない主人公がある人と出会うことによって人として生き始めるお話。主人公の設定が夜のバイトで不特定多数の人間と体の関係を持っている、というものなので苦手な人は気を付けた方がいいかもしれません。 相手に「好き」と言いたくても自分が汚くて不釣り合いな人間だと思い悩む主人公に頑張って!と応援しながら読みました。 幸せほっこり。

Posted byブクログ

2011/10/16

『ありがとう。ごめんなさい。……貴方の幸せ祈ってます。』 泣いた… 言葉がとても綺麗で突き刺さってくる作品です。 透明感の中にあるもどかしさとか、食い違う思い。 2人の『好き』『恋しい』の意味とか価値観が違うんだろうなあって思いました。 好きだから傍にいたい。 好きだから傷つ...

『ありがとう。ごめんなさい。……貴方の幸せ祈ってます。』 泣いた… 言葉がとても綺麗で突き刺さってくる作品です。 透明感の中にあるもどかしさとか、食い違う思い。 2人の『好き』『恋しい』の意味とか価値観が違うんだろうなあって思いました。 好きだから傍にいたい。 好きだから傷つけたくない。汚したくない。 もどかしい純愛ストーリーです。 私はすごく好き。ほんと言葉が締め付けてくるし、突き刺してくる。 言葉の選び方がすごく丁寧なんだろうなぁ…。

Posted byブクログ