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栄光なき凱旋(下) の商品レビュー

4.2

20件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    9

  3. 3つ

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2024/09/06

正義と正義がぶつかる戦争。 人の数だけある正義。 色々な歪みや犠牲者が出るから 怖い物です。 当たり前のことだけれども、 当たり前でないからぶつかり、 傷つくのだろうなぁ。 本当に怖い行いです。

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2018/07/30

180730*読了 戦争の過酷さが身に染みました。 祖国で枕を高くして寝る人々のために自らが犠牲になる。まさしく死にものぐるいで戦う。殺さなければ殺される。気が狂うほどに追い詰められる兵士たち…。 こんなにも酷い戦争がこれ以上起こらないでほしい。 現に今でも内紛や戦争が起きている...

180730*読了 戦争の過酷さが身に染みました。 祖国で枕を高くして寝る人々のために自らが犠牲になる。まさしく死にものぐるいで戦う。殺さなければ殺される。気が狂うほどに追い詰められる兵士たち…。 こんなにも酷い戦争がこれ以上起こらないでほしい。 現に今でも内紛や戦争が起きている国があると思うと胸が苦しくなります。 最終的にジローの物語へと帰結していくわけですが、マットとヘンリーの運命も哀しいものがありました。 義父から譲り受けなければ決して読むことがなかった、この小説。恐ろしく辛い戦争の事実をこうして胸に刻ませてもらった、本との縁に感謝します。

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2017/08/31

1ヶ月ぐらいちびちびと読みすすめていたのだが、クライマックスは不覚にも感動してしまった。 同じ主題で読んだことのある山崎豊子の「二つの祖国」と必ず比べられると思うのだが、山崎豊子のほうはぐいぐい読ませるのに対し、「栄光なき凱旋」はつっかえつっかえ読んでしまう印象。重厚感は「栄光な...

1ヶ月ぐらいちびちびと読みすすめていたのだが、クライマックスは不覚にも感動してしまった。 同じ主題で読んだことのある山崎豊子の「二つの祖国」と必ず比べられると思うのだが、山崎豊子のほうはぐいぐい読ませるのに対し、「栄光なき凱旋」はつっかえつっかえ読んでしまう印象。重厚感は「栄光なき凱旋」が勝ちかも。でもどちらも面白かった。 ヨーロッパ戦線で活躍した日系部隊がアメリカ史上でもっとも多くの勲章をもらった(つまり死傷者多数)というのは全くの初耳。勉強になった。 でも、たしか「二つの祖国」の中でもヨーロッパ戦線の話はあったような・・・ (主人公の弟がヨーロッパ戦線を戦う) どちらにしろ比べられてしまうのはしょうがないかなと思った。

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2017/04/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

信保裕一の描く、アメリカにおける日系人は意外の歴史を積み重ねている。それは日系人に限らず、白人に対するマイノリリーティーの声なき声を糾合した作品ともいえる。 全体のトーンは、アメリカ人であるが日本人の親から生まれた複雑な心境のうえに、真珠湾攻撃名がなされ、いわれなき逮捕や強制的な収容所生活が及ぼす日系人社会内の軋轢やいさかいが丁寧に描かれている。 本作品は戦争文学なのか?戦争現場における恐怖や、人を殺すことでしか得られない自身の安全、人を殺してしまったことについての罪の意識とそうやって自身の愛国精神を示すことが、日系社会に与える影響、一緒の戦いの中で失われていく友人の命と自分だけが生き残ってしまう罪悪感。どれをとっても自分の尊厳や立ち位置とその振る舞いがもたらす他人からの目線への意識があぶりだされており、人間のもつ複雑性と他人との関係性から表出する単純性だ。いつも正義や自身の筋を通すということだけではない、いろいろな感情や振る舞いが激烈な激しさをもって伝わってくる。 もう一つは厳然として存在する白人を頂点とした差別社会に対する激しい感情のぶつかりだ。何故アメリカ人なのにジャップと罵られるのか。そもそも何故日本はアメリカと戦わなくてはならなくなったのか。それはなにも日本や日系人だけではなかった。アジア全体が白人社会から受けていた差別や黒人者ヒスパニック系が受けていた差別なども存在し、ではあんたは差別していないのか?という逆の指摘に日系人社会における持てる者と持たざる者との差異やこころの歪みを改めて認識するのである。 かなりの長編であるが、スピード感を失わず、かといって軽やかに描いているわけでもなく十分なん重厚感を伴っており、解説にあるとおり本当に映画をみているような描写が続いた。この後どうなるのか?といった物語へののめり込みを感じた作品だった。

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2014/11/03

80 日系人はそれぞれの戦場でそれぞれの戦いに挑むこととなる。 そして彼らは戦争という舞台で決して表舞台に立つことの許されない日系人としての立場に苦しみながらも、戦うという意義をみつけ、戦争に巻き込まれていく。 そこにはいつ誰が死神からのキスを受けるかもわからない激烈な戦場があり...

80 日系人はそれぞれの戦場でそれぞれの戦いに挑むこととなる。 そして彼らは戦争という舞台で決して表舞台に立つことの許されない日系人としての立場に苦しみながらも、戦うという意義をみつけ、戦争に巻き込まれていく。 そこにはいつ誰が死神からのキスを受けるかもわからない激烈な戦場があり、死はすぐ足元に転がっているのである。 戦場においてのみ、日系人であろうが、白人であろうが関係なく平等に死と直面する。 日系人という複雑な立場だが、アメリカに忠誠を尽くし戦場に立つ男たち。 何が正義で、何が真実なのか、考えさせられる。

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2014/05/03

日系人の第二次世界大戦での苦労をこの小説で教えられたような。最後あたたかく迎えられたジローがその人たちのおかげで死ぬことなく第二の人生をスタートすることにしたってところで終わりだけど、最後の最後で泣けた。

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2014/01/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 全3巻の大作である。終戦後、知人を死に至らしめた罪を償うために刑期を終えて出所したジローは、その後の人生を閉じよう決心していた。しかし、既に亡くなっている戦友の家族に会うことで、ジローが生きる希望をみつける件に泣かされる。

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2015/09/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ヨーロッパ戦線では、ヘンリーと共に地獄を見た。使い捨てにされる、日系人部隊は、軍から同胞の扱いをされていない。 それでも、生き残るため、『祖国アメリカ』のために、死に物狂いに戦う四四二連隊。 戦場に神はおらず、居るのは死神だけだ。 読んでいるうちに、『日本軍』の戦争を読んでいるような気分になる。これはまさに日本人の戦い方だ、と気づく。 ジローも、ヘンリーも、どんなに日本を“憎い”と言い、また、自分をアメリカ人であると言っても、彼らの思考回路の端々に、日本人のDNAを感じてしまう。・・・なぜか、マットには感じないのだけれど。ハワイ組は特別?彼らの明るさには、いつもなんとなく救われた気持ちになる。 ジローの言動には、『なぜ、そういう態度をとってしまうかな、また誤解される』と、ハラハラしどおし。 彼はいつも、悪魔に取り憑かれたような苛立ちの人だった。 最後にハワイを訪問する場面が良かった。 この物語は、パールハーバーで集約されて終わる。 父母の生まれた日本にも、自然に敬礼を送れる、ジローが浄化されたようで嬉しかった。

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2012/10/17

はからずも「永遠の0」に続いて第二次大戦関連の長編。アメリカが抱える問題をかくも詳細に記述してあることに驚きを覚える。在米日系人が開戦でどうなったのか、日本ではほとんど語られていない歴史に焦点をあて、白人社会の根深い人種差別問題を指摘しつつ、何人かの日系人の人生が綴られている。も...

はからずも「永遠の0」に続いて第二次大戦関連の長編。アメリカが抱える問題をかくも詳細に記述してあることに驚きを覚える。在米日系人が開戦でどうなったのか、日本ではほとんど語られていない歴史に焦点をあて、白人社会の根深い人種差別問題を指摘しつつ、何人かの日系人の人生が綴られている。もちろんフィクションだが、その背景は綿密な調査を元に記述されており、「永遠の0」とは違う意味で大いに学ばされた。

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2012/09/29

ハワイとロサンゼルスに住んでいた日系アメリカ人が、真珠湾攻撃を機に太平洋戦争に巻き込まれていく。今だからまた愛国心とは何か、国と国とはどうやって結びつくのかを考えさせられた。ジロー、ヘンリー、マットのそれぞれの戦いはその時代を知らない私の心に深く刻まれた。

Posted byブクログ