栄光なき凱旋(下) の商品レビュー

真保裕一【著】

2012/10/13

[BOOKデータベースより]

日本の敗色が濃くなる中、日系兵と苦闘はつづいていた。ジローとマットは敵地に潜入し、入手した極秘文書を日本軍に取り戻させるという危険な任務に挑み、イタリア戦線に投入されたヘンリーは、すさまじい戦闘に地獄を見る。終戦を迎え、凱旋した彼らを待ち受けていた未来とは―。青春群像大作、堂々の完結。

2012/09/23

下巻は読むのが辛かったです…。

辛かったけど、臨場感あふれててグイグイ引き込まれて、
あっという間に読んでしまいました。

特にヘンリーの部分は、「もうやめて～」と思うのだけど、
目が離せなくて。
彼がやってしまったことは、私は非難できない。
自分でも、「前線に出なくてよくなるかも」と思ったら、
やってしまうかもしれない。

最後は、悲しいけれども清々しい気分にもなりました。

この本、実は「読み終わったら即座に売りに…」と
読む前は思っていたのですが、読み終わったら売れなくなりましたよ。

同じ日系人兵士のことを描いたドラマが、橋田さんの脚本で
ちょっと前にやっていましたが、私は主人公を演じた人が
あまり好きではないため見なかったので、今後悔しています。

私は戦争は大嫌いだけど、どうしてか戦争を扱った本を
よく読んでしまう。
嫌いだからこそ、二度と起こさないためにも知っておく
べきだと思うから。

この、日系兵の人たちの活躍は、のちの日系の方々にとって、
ちゃんと報われた形になっているのだろうか。
そうであることを心から願います。

2012/08/26

パールハーバーを境にアメリカに住む日系人の壮絶な生き様が描かれている。
立場が見下され、全て白人に奪われていく中で戦争に参加する事で地位を築いて行き、最前線で生死を分け合って戦っていく。

戦争風景もかなり事細かに表現していて、凄まじく過酷！

ただ、パールハーバーや原爆等下などをもっと詳細に描いて欲しかった。

2012/07/25

日本の血を引きながらアメリカ人として暮らす日系人の戦争を描いた作品。日本人の日本人たる由縁とは一体何なんだろう。他の国と比べると独特な気がする。描写は濃厚で満足。

2012/07/21

さすが、真保裕一。日系アメリカ人の若者３人の運命が、第二次世界大戦で翻弄される話。重厚な人物描写とストーリーで、泣けました(;_;)

2011/08/18

日系人の立場から太平洋戦争を描いた小説です。
文句なしに面白い！！

外見が日本人というだけでアメリカ人であるにも関わらず不当な差別を受ける主人公達。
日系人のアメリカでの地位を確保するために志願兵となるまでの過程。
戦場において「死」と対峙した時の心の葛藤。
境遇が異なる３人の日系人が主人公になっています。
彼ら３人の異なる目線を通じて語られる物語は立体感があって色んな感情が揺さぶられます。

さすが真保 裕一さん！という作品でした。

2011/02/19

日本の敗色が濃くなる中、日系兵と苦闘はつづいていた。ジローとマットは敵地に潜入し、入手した極秘文書を日本軍に取り戻させるという危険な任務に挑み、イタリア戦線に投入されたヘンリーは、すさまじい戦闘に地獄を見る。終戦を迎え、凱旋した彼らを待ち受けていた未来とは─。青春群像大作、堂々の完結。

2010/08/19

この巻は戦闘シーンが多く、そういった描写を嫌いなかたには読み進めるのがキツいだろうと思うデス。
映像だったら１カットですむ光景を文字で書くのって、きっとものすごく大変なんだろうな。
真保さんの文章でなかったら私ももしかして読み飛ばしてたかも。
それくらい丹念に描かれてまシタ。

キャラ的には最後まで前向きだったマットくんが好き。
ヘンリーを好きになれなかったのは、彼が本来眼鏡スーツ族の人種だからかも。
ジローくんは…どうでもいいや。
ネガティブな殿方ってやっぱり苦手なのよん。

2010/01/28

去年読み終わっていたのにも関わらず更新をすっかり忘れてました。
栄光なき凱旋の最終巻。
熾烈を極める戦場。
一人またひとりと倒れていく同志。
戦うことでしか前に進めず、しかし日系二世という立場から栄光を勝ち取ることもない。
とても素晴らしい作品でした。
こんなに続き物を読んだのは、【レ・ミゼラブル】以来だったね。
これは是非映画で観てみたいなと思っています。

2015/03/11

2009/8/8 ジュンク堂住吉シーア店にて購入。
2015/3/4〜3/11

この長編は最後の章のためにあったんだな。『栄光なき凱旋』とは良くつけられたタイトルだ。以前、戦争小説を良く読んだが、不思議と日系人目線のものは読んだことは無かった。どんなに凄まじい葛藤であったろうか。戦後70年の記念すべき年に読めた幸運に感謝。
また、多くの不幸を生み出す戦争は決して起こしてはならないことを強く再認識させられた。長い小説ですが、未読の方は是非。