数学的にありえない(下) の商品レビュー
面白いし、入り込めるし、確率論の面白さが少し垣間見れたけど、何だか疲れる小説。もう一度読めるか?というと、ちょっときついかな。
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書店でそのタイトルが目に付いてしまい、陳腐な、と思って通り過ぎたのですが、後日ブックオフでも見かけてしまい、つい手にとってしまいました。東野圭吾的なミステリー(読んだことありませんが)かと思ったらアクションミステリー。「ラプラスの魔」というと懐かしいゲームを連想してしまう世代ですが(笑)、決定論的なラプラスの魔と量子力学を考え合わせると、どういうことが小説が書けるだろう、という思考実験から生まれたのだと思いますが、こういう小説でいつも感心するのは、核となるアイディアから小説一本分の内容に膨らませ、多様な伏線から結末に至る何本もの織り糸に分解して効果的に並べなおす設計力。それにしても「Improbable」は「ありえない!」ではあっても「数学的にありえない」ではない。(苦笑)
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何ともジャンル分けの難しい小説である。筆者後書きにもあるように好きに書きたいという思いが本になったというところか。下巻では、上巻のなんとも言えない「知ってるだぞ」という鼻持ちならなさは若干は薄まるがそれでも理解しながら読むには骨が折れることには変わらない。理論物理学が好きな口には...
何ともジャンル分けの難しい小説である。筆者後書きにもあるように好きに書きたいという思いが本になったというところか。下巻では、上巻のなんとも言えない「知ってるだぞ」という鼻持ちならなさは若干は薄まるがそれでも理解しながら読むには骨が折れることには変わらない。理論物理学が好きな口にはいけるかもしれない。
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自身が数学者だけあって、本作品は量子物理学、脳科学、統計学、確率論を絡めた極上のノンストップサイエンスサスペンスに仕上がっている。なんと各学問の極意を繋ぐと現代社会に潜む問題を解明する一つの重要な手段になる!?。物語は、ある特殊な能力を有するが故に巨大な陰謀の渦に巻き込まれる天才...
自身が数学者だけあって、本作品は量子物理学、脳科学、統計学、確率論を絡めた極上のノンストップサイエンスサスペンスに仕上がっている。なんと各学問の極意を繋ぐと現代社会に潜む問題を解明する一つの重要な手段になる!?。物語は、ある特殊な能力を有するが故に巨大な陰謀の渦に巻き込まれる天才数学者ケインが主人公。ケインが有する武器とは”確率的に絶対不可能な出来事を実現する力”!?北朝鮮工作員に追われるCIA諜報員、宝くじを当てた友人、大学恩師、謎の人体実験をする科学者、冷酷非情の傭兵などが登場。前半に張られたバラバラの伏線が後半一気呵成に驚愕の事実に集約される!マイクルクライトンとダンブラウンの作品を融合したような鉄壁の作品。処女作。次回作が楽しみな作家のとうじょー。
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面白かったです。 登場人物それぞれの個性も立っていて、話にぐいぐい引き込まれていきました。 我々の覚える“既視感”についての説明も興味深かったです。これからちょいちょいこの話を思い出すかも。 ただ、ドクとトヴァスキーのくだりは「?」という感じでした。しっくりこないというか。思わず読み返してしまいましたが、黒に近い灰色かなぁ。 とはいえ、とにかく楽しめました。
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素晴らしい。こんなにスリリングで壮大な小説はほとんどない。 自分の知識欲を強く刺激する。 〈未来〉には多くの選択肢がのびており、それらは同時に“存在”しているが、〈現在〉を経て〈過去〉になってしまったら、それは一つしか存在しない、として不確実性理論をうまく展開する一方、特殊相対...
素晴らしい。こんなにスリリングで壮大な小説はほとんどない。 自分の知識欲を強く刺激する。 〈未来〉には多くの選択肢がのびており、それらは同時に“存在”しているが、〈現在〉を経て〈過去〉になってしまったら、それは一つしか存在しない、として不確実性理論をうまく展開する一方、特殊相対性理論によると人の思考は光速を唯一超越するエネルギーであるため、人の思考には空間も時間も存在しない、故に未来も過去もすべての集合的現実にアクセスすることができるとし、物語に壮大さを加えた。 読者に量子力学の奥深さを味わわせ、納得感を与えることにも成功している。 どれほど〈未来〉が見えたとしてもそれは確率的にしか存在しない。全知全能の神はいない。それらの確率事象は、現実の存在によって相互作用を受けて形作られる。故に、予知のできる神はいない。 〈未来〉を知ることはできても、実際に行動することが〈未来〉を決定する。我々人間は、そういう点に価値があると思う。それは誰かを幸せにすることであったり、世界にインパクトを与えることかもしれない。だれかを不幸にすることかもしれない。 すべてはおのおのの行動が確率的な〈未来〉を決定する。
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すべてを知りうるラプラスの魔。彼は自分がだれなのかもわからないまま、巨大な組織の陰謀に巻き込まれていく。 面白かったです。これがデビュー作とは思えないほど、緻密な理論構成と張りまくった伏線の数々。特に主人公の能力について、しっかり裏付けているのが他のミステリと一線を画していると...
すべてを知りうるラプラスの魔。彼は自分がだれなのかもわからないまま、巨大な組織の陰謀に巻き込まれていく。 面白かったです。これがデビュー作とは思えないほど、緻密な理論構成と張りまくった伏線の数々。特に主人公の能力について、しっかり裏付けているのが他のミステリと一線を画しているところでしょう。 ノンストップアクションとしても一流だと思います。最後の伏線の回収は確率が低すぎる気もしますが、作者はすべてを見通す者として、だれも不幸にしたくなかったのでしょうね。 しかし神様は、いったいどれだけの可能性から、唯一の現実解を選び出しているのでしょう。
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ラプラスの魔。 偶然と運命を司るケイン。 プロの追跡屋と監視任務のエキスパートの 包囲網を潜り抜けていく。 流石に結末に向かって無理な展開も・・・。
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ーーーポーカーで1万1千ドル大敗し、マフィアに追われる天才数学者ケイン。 だがその時彼を悩ませていた神経失調が、驚異の「能力」に変わった。それを狙う政府の秘密機関と女スパイ。彼らが権力を駆使して追う「能力」とは? 幾つもの物語が絡み合う、超絶ノンストップ•サスペンス。 ...
ーーーポーカーで1万1千ドル大敗し、マフィアに追われる天才数学者ケイン。 だがその時彼を悩ませていた神経失調が、驚異の「能力」に変わった。それを狙う政府の秘密機関と女スパイ。彼らが権力を駆使して追う「能力」とは? 幾つもの物語が絡み合う、超絶ノンストップ•サスペンス。 新規開拓 膨大な知識に裏打ちされた語り口には、貴志祐介に近いものを感じた。 それぞれのピースが、あるべき場所へ少しずつ収まっていく感覚はやはり素敵♡ さらに、それぞれのキャラが立っていて非常に魅力的。ケインとクロウの葛藤には胸を締めつけられる 純粋なエンターテイメントとしても完成度が高いし、確率論,統計学,量子力学なんかをかじったことがあればもう一歩楽しいはず!これはオススメ! 「ま、いわゆる仕事上の友人ってやつですよ」
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物語の展開に、数学や物理学の解説が入り、それが面白い時もあれば、物語を分断しているようにも思えました。 伏線はそれなりに、よくできています。が、えっ、それありと思うこともありました。ただしナヴァのアクションシ-ンは、凄かったです。 主人公の能力よりも、ナヴァの躍動がなければ、、、...
物語の展開に、数学や物理学の解説が入り、それが面白い時もあれば、物語を分断しているようにも思えました。 伏線はそれなりに、よくできています。が、えっ、それありと思うこともありました。ただしナヴァのアクションシ-ンは、凄かったです。 主人公の能力よりも、ナヴァの躍動がなければ、、、、。 悪臭の意味に納得でした。
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