数学的にありえない(下) の商品レビュー
未来を予知できる「ラプラスの魔」をめぐる戦い。登場人物も魅力的で、練りに練られたストーリーは素晴らしい。良質な海外ミステリ。
Posted by
Posted by
<下巻>に入り物語はますます加速。視覚的なアクションシーンや怒涛の伏線回収が見事。多少ご都合主義な気もするものの、ケインの能力とあわせて考えると、まあ納得せざるをえないのかねえw
Posted by
思ったよりとんでもない内容で、後半に至ってはSFというよりもファンタジーのような展開に。 一応科学っぽい話も出てきたが、納得いかない点が多い。 ただ、不確定性原理やカオス理論が裸足で逃げ出す〈"集合的無意識"にアクセスして未来の可能性を知り、望んだ未来が...
思ったよりとんでもない内容で、後半に至ってはSFというよりもファンタジーのような展開に。 一応科学っぽい話も出てきたが、納得いかない点が多い。 ただ、不確定性原理やカオス理論が裸足で逃げ出す〈"集合的無意識"にアクセスして未来の可能性を知り、望んだ未来が高確率で起きるように選択する〉という能力は面白くはあった。
Posted by
借金取りに追われ、警察に追われ、殺し屋に追われ、最初から最後まで主人公が逃げ回っていてアクション満載でした。 主人公の持つ「能力」を巡ってあらゆる人々が複雑に絡み合っていきます。 量子物理学や確立論、更には哲学、宗教にまで話が及び、専門的で難しい用語や説明が多いですが、完璧に理...
借金取りに追われ、警察に追われ、殺し屋に追われ、最初から最後まで主人公が逃げ回っていてアクション満載でした。 主人公の持つ「能力」を巡ってあらゆる人々が複雑に絡み合っていきます。 量子物理学や確立論、更には哲学、宗教にまで話が及び、専門的で難しい用語や説明が多いですが、完璧に理解できなくても楽しく読めました。 瞬時にあらゆる可能性を見る主人公の描写や、選択した行動が連鎖を引き起こしていくのがおもしろかったです。 「能力」に葛藤する主人公と双子の兄の絆も素敵。 迫力あるアクションシーンにスッキリした結末と、ハリウッド映画をみているような爽快感でした。
Posted by
作者の特異な経歴がよく反映された描写力。クライトンにも影響されてる、とのことで、クライトンっぽい。文庫版のあとがきが児玉清さんでした。
Posted by
面白かったです。下巻に入ってから面白さが加速しましたね。複線の張り方、収斂の仕方など、非常に読み応えがありました。途中、数学や物理学、果ては量子力学にまで話が伸びていきますが、説明の仕方が秀逸で、難なく飲み込むことができました。小説のスタイルは『ダヴィンチコード』を彷彿させるもの...
面白かったです。下巻に入ってから面白さが加速しましたね。複線の張り方、収斂の仕方など、非常に読み応えがありました。途中、数学や物理学、果ては量子力学にまで話が伸びていきますが、説明の仕方が秀逸で、難なく飲み込むことができました。小説のスタイルは『ダヴィンチコード』を彷彿させるものがありますが、そのぶん完成度は抜群です。読んで損はしませんよ。
Posted by
おもしろかった。 あとがきにもあったが、ダヴィンチコードと同じような系列の本。 確率論・量子力学・ラプラスの魔・・・数学や物理学の単語がぽんぽん出てきて、わくわくする。 外国の小説らしく、ぽんぽん人が死んだりするけど・・・ 上下巻でボリュームが結構あったけどおもしろかった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
物理学、哲学的な要素をエンターテイメントに仕立てあげたすごくおもしろい作品でした! あらゆるもの(人)が互いに影響を与えあっていること、それを仏教の考え方に照らして述べているところも納得でした。未来が無数に枝分かれしていてそれを自分が(意識的であれ、無意識的であれ)選択していくという考え方は、可能性が無限大あることを意味しているようで、とても前向きなメッセージが込められていると思いました。 映画化できたら絶対おもしろいだろうな~。でも、これだけの内容を上質な映画にするのはすごく難しいと思う。よっぽどうまく脚本化しないと、中身が薄っぺらくなったり、逆に難解すぎたりしてしまいそう。 しばらくしたらもう一度読みたいと思える作品でした。
Posted by
「数学的にありえない」というタイトルと、上巻の表紙(ピストルの絵)で、 密室殺人的な完璧で完全な犯罪に立ち向かう推理ものと勝手に決めつけてたんですがやっぱり違いました。 アクション要素ありSF要素あり、FBIやCIAや殺し屋さんも大活躍のいかにもハリウッド映画的なサスペンスエンタ...
「数学的にありえない」というタイトルと、上巻の表紙(ピストルの絵)で、 密室殺人的な完璧で完全な犯罪に立ち向かう推理ものと勝手に決めつけてたんですがやっぱり違いました。 アクション要素ありSF要素あり、FBIやCIAや殺し屋さんも大活躍のいかにもハリウッド映画的なサスペンスエンターテインメント小説です。が、かなり専門的な知識を凝縮した強力なバックボーンがあるため、某似た系小説の、いかにもって感じの安っぽさがありません。確率論を駆使してギャンブルに打ち込む主人公。そして、ある実験を進める科学者。彼はハイゼンベルクの不確定性原理の前提を打ち破ることでラプラスの魔が現実のものになる事を発見する。確かそんな流れだったと思う。 著者の、量子論や進化論、統計学などの半端ない知識を、分かりやすく説明しながら話に織り交ぜる力が見事であり、似た感じである「天使と悪魔」とは明らかに違う次元の深さがあります。 (巻き戻し)の記述で同じ事象を反復させつつ少しずつ変えていくというアイディアも素晴らしいし、割れたガラスの破片の数や、物事が起きるまでの時間や確率が無駄に細かい数字で書かれてて、それがまた妙に新鮮で面白いです。ただ、物理学にある程度興味がないと面白くないかも? 原題は「Improbable」、起こりそうもない話って意味ですがそれを「数学的にありえない」に訳したのはいいセンスだと思います。タイトルだけでなく、全体の翻訳も素晴らしく、すらすら読めます。矢口 誠さんの素敵な翻訳に感謝。
Posted by