太陽を曳く馬(下) の商品レビュー
高村薫の三部作は、延々と仏教とオウム真理教との違いを明らかにし、最後は福澤彰之からの秋道への手紙で終わります。 三部作の最初の2巻は読んでいませんが、『新リア王』『太陽を曳く馬』を通じて、津軽の冬の海を思い返しました。筒木坂の寺を訪ねてみたいと思います。
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こう言ってはなんだが、これ、小説にする必要があったのかしら? ストーリー(事件)は付け足し程度で、内容はほぼ宗教論、プラスちょっと美術論だ。 それに興味がある人は新書なりで入門書を読んだほうがいいし、この手のミステリを期待している人は『薔薇の名前』『鉄鼠の檻』など、宗教とミステリ...
こう言ってはなんだが、これ、小説にする必要があったのかしら? ストーリー(事件)は付け足し程度で、内容はほぼ宗教論、プラスちょっと美術論だ。 それに興味がある人は新書なりで入門書を読んだほうがいいし、この手のミステリを期待している人は『薔薇の名前』『鉄鼠の檻』など、宗教とミステリが見事に融和している小説を読んだほうがいいと思う。 などと言いつつ、こういう類いの小説は嫌いではないので『土の記』も読んじゃおう。
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何とか読み終えた…その一言に尽きる。上巻だけかと思ったら、下巻も宗教的な話が続き、そもそも宗教に興味のない人、オウムの騒動を知らない人が読んだら、全く意味が分からないものだと思う。結局、物語の発端となった事件の解決もないまま、ただ華やかな時代を築いた宗教法人の解体、その中に生きる...
何とか読み終えた…その一言に尽きる。上巻だけかと思ったら、下巻も宗教的な話が続き、そもそも宗教に興味のない人、オウムの騒動を知らない人が読んだら、全く意味が分からないものだと思う。結局、物語の発端となった事件の解決もないまま、ただ華やかな時代を築いた宗教法人の解体、その中に生きる人の闇のみが印象に残った。せっかくの合田雄一郎シリーズ、がっかり…
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2016/9/8読了 何とか読み終えました、が。 死刑の描写と思想が、イメージとあわさって何だか物凄く好きでしたよ。 思索的な内容なので、今までと異なり、距離の近さを感じさせる雄一郎、とか、おまえ、なんでしょうか。 これは、知識と教養がないと理解が出来ないのかなぁとは思いま...
2016/9/8読了 何とか読み終えました、が。 死刑の描写と思想が、イメージとあわさって何だか物凄く好きでしたよ。 思索的な内容なので、今までと異なり、距離の近さを感じさせる雄一郎、とか、おまえ、なんでしょうか。 これは、知識と教養がないと理解が出来ないのかなぁとは思います。 またトライしたい。
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恐ろしい。物語とか小説とか文化とか言う以前に何故この文章を存在させなければならなかったのかという念が読書中つねに頭の隅にいた。言ってしまえば恐怖感である。オウムと仏教論議を偏執的に冗長に枚数を割く「僧侶たち」の章や、最終の父親の手紙の粘着もその長さやくどさ自体がプロットであるとい...
恐ろしい。物語とか小説とか文化とか言う以前に何故この文章を存在させなければならなかったのかという念が読書中つねに頭の隅にいた。言ってしまえば恐怖感である。オウムと仏教論議を偏執的に冗長に枚数を割く「僧侶たち」の章や、最終の父親の手紙の粘着もその長さやくどさ自体がプロットであるということはわかるが、読了を読者に強いているのは、読者のコミットメントバイアスを利用したかのような作者の一種サディズムにしか受け止められないほどだ。やはりこの先生、変態だった。
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合田雄一郎は好きなキャラクターですが 流石に仏教関係には関心がなかった為宗教用語とか仏教用語に思わずこれは修行なのかと思い最後にはどうなるのかと思ったらア、ハ、ハ、ハ、!で終わりとか訳わからなくて☆1です
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読み終わった直後に口から出て来た言葉が「しんどいよ〜、救いがないよ〜」でした。 オウム云々というよりも「人の存在意義、生きるための意味」とか根源的なところを問いかけてると思う。 社会で生きている以上誰かと関わりながら生きていかなきゃいけないけど、他者と自分の区別、他者と他者の区別...
読み終わった直後に口から出て来た言葉が「しんどいよ〜、救いがないよ〜」でした。 オウム云々というよりも「人の存在意義、生きるための意味」とか根源的なところを問いかけてると思う。 社会で生きている以上誰かと関わりながら生きていかなきゃいけないけど、他者と自分の区別、他者と他者の区別とか考え続けるとくるしくなる。
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読むのに相当苦労し、すごい時間がかかった。 旧かな文字と絵画と宗教。 最後までそれだった。 やはりマークスの山やレディジョーカーのような事件が主体となるような話の方が読みやすい。 のは変わりない。 合田雄一郎の次の話も期待はするがこの感じは勘弁。
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合田雄一郎シリーズ 読んだことない話だーと喜んで借りたら、さっぱり意味がわからなかった…。 作者がオウムの事件について気になったんかな?あまり小説読んだ気分にならない。 あと母晴子、と言う文言があったから、もしかすると晴子情歌⇨新リア王の後に読まないと分からないのかも。 旧仮名遣...
合田雄一郎シリーズ 読んだことない話だーと喜んで借りたら、さっぱり意味がわからなかった…。 作者がオウムの事件について気になったんかな?あまり小説読んだ気分にならない。 あと母晴子、と言う文言があったから、もしかすると晴子情歌⇨新リア王の後に読まないと分からないのかも。 旧仮名遣いの手紙を読むのも大変だった…
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高村薫の長編をじっくり一週間かけて読んだ。オウム真理教のタブーにも思いっきり切り込み、仏教と異教徒として見た一般的とも言える主人公の目と、実際にその中に居て、存在であったり、自己を見つめた者に焦点を当てる。オウムからお寺に来たてんかんを持つ男が車にはねられて死んでしまった事件。そ...
高村薫の長編をじっくり一週間かけて読んだ。オウム真理教のタブーにも思いっきり切り込み、仏教と異教徒として見た一般的とも言える主人公の目と、実際にその中に居て、存在であったり、自己を見つめた者に焦点を当てる。オウムからお寺に来たてんかんを持つ男が車にはねられて死んでしまった事件。その背後にあったのは、異物への畏怖なのか、自殺であったのか。曖昧で解決できないでいるもどかしさと、少しずつ明らかになる関係者達の証言から、真実に近づいてくサスペンスの中に、宗教への見方や偏見も含めた部分を淡々とえぐっていくのは高村薫らしさ全開だ。自分的にはレディージョーカーが最高傑作だけど、読後の重たさでは本作も素晴らしい。
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