カペー朝(1) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
序盤は名前をなかなか覚えられなくて乗れなかったが、後半は面白かった。3世とか4世とか、複数の名前についてそれぞれ増えていくからつらい。 健康で長生きすることが結構重要なのだなあと感じた。世継ぎに恵まれなかったり、明確にしておかなかった国は基本的に御家騒動に巻き込まれて(つけこまれて)滅んでいく。大変な時代であった。 カペー朝の主君は数百年に渡ってそれほど会戦が得意ではなかったが、なんとか生き残った。ユリウス・カエサルのような才能ある人物は稀有な存在なのだなあ。
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「今から逆算すると、フランスはカペー朝から始まった」と言えるのだろうが、 よくぞこの「自称 王」から始まって国家になれたものだなあと。 ただし、カペー朝は「創業」だけでその役割を終える。 ここから先に行くには、もはや「ファミリービジネス」では続かないのだ。(いや、相対的にはファ...
「今から逆算すると、フランスはカペー朝から始まった」と言えるのだろうが、 よくぞこの「自称 王」から始まって国家になれたものだなあと。 ただし、カペー朝は「創業」だけでその役割を終える。 ここから先に行くには、もはや「ファミリービジネス」では続かないのだ。(いや、相対的にはファミリービジネスの域を超えていたからこそ、ここまでこれたのだが、ここから先の段階に進むには、更なる組織化が必要不可欠) 東フランク王国が、神聖ローマ帝国となり、ドイツ統一は遅れた。 中央フランク王国は、教皇庁の強い影響なのか、やはりイタリア統一は遅れた。 西フランク王国が、混乱の中からいち早く統一国家への道を歩んだのはとても興味深い。 その秘密の一端に触れることが出来たが、続きはヴァロア朝へ
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王は凡庸、周りの敵は華麗にして巨大。 絢爛と呼ぶにはあまりにもささやかなフランス王家物語の幕がいまあがる。 正直なところ、「カペー朝」がどの時代に属するのかが分かっていなかったし、具体的なことは何ひとつ知りませんでした。 領土からいえば、現在のフランス共和国の原型ともいえるの...
王は凡庸、周りの敵は華麗にして巨大。 絢爛と呼ぶにはあまりにもささやかなフランス王家物語の幕がいまあがる。 正直なところ、「カペー朝」がどの時代に属するのかが分かっていなかったし、具体的なことは何ひとつ知りませんでした。 領土からいえば、現在のフランス共和国の原型ともいえるのでしょうかね。 英仏百年戦争が勃発したのもカペー朝の時代だし、なかなか興味深い時代の1冊です。 フランスといえば『ベルバラ』から入った私にとって、とても貴重な1冊でした。
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弱さが幸いする、ということもあって、そこが人間の世の中の面白さになっている。 己の無力さを知っていたユーグ・カペ―だからこそ、細く長く続く先に、希望を繋げることが出来たんですね。 987~1328年のカペー朝。 ルイ一世はフランスの王ですらなかった。 西欧はローマ帝国とカト...
弱さが幸いする、ということもあって、そこが人間の世の中の面白さになっている。 己の無力さを知っていたユーグ・カペ―だからこそ、細く長く続く先に、希望を繋げることが出来たんですね。 987~1328年のカペー朝。 ルイ一世はフランスの王ですらなかった。 西欧はローマ帝国とカトリックの歴史が外せないから、素人すると幅が広すぎて大変だけど、フランスだけに目を向けた一冊としては、読み易くて楽しかった。 フランスの成り立ちすらこんなに多様な進み方。 やっぱり。 今は歴史の流れって、今でも一時であって、まだまだ国然り、制度然り、思想然り、変わっていくんでしょうね。
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カペー朝の各王をこんなに詳しく知れる本は貴重。熟読必須。 とりあえずカペー朝は尊厳王フィリップ2世、聖王ルイ9世、美男王フィリップ4世を覚えておけばよさそう。 ユーグ・カペー ロベール2世 アンリ1世 フィリップ1世 ルイ6世 ルイ7世 フィリップ2世 ルイ8世 ルイ9世 フィ...
カペー朝の各王をこんなに詳しく知れる本は貴重。熟読必須。 とりあえずカペー朝は尊厳王フィリップ2世、聖王ルイ9世、美男王フィリップ4世を覚えておけばよさそう。 ユーグ・カペー ロベール2世 アンリ1世 フィリップ1世 ルイ6世 ルイ7世 フィリップ2世 ルイ8世 ルイ9世 フィリップ3世 フィリップ4世 ルイ10世 (ジャン1世) フィリップ5世 シャルル4世
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再読。ゲルマンの一部族フランク族がカロリング朝を起こし、メロヴィング朝にかわる。シャルルマーニュによる西ローマ帝国再興と皇帝戴冠。孫の代に三分割されフランス、ドイツ、イタリアの原型ができる。ドイツは皇帝位を手にするが、分裂したまま、イタリアも同様。フランスのみが統一できた。西フラ...
再読。ゲルマンの一部族フランク族がカロリング朝を起こし、メロヴィング朝にかわる。シャルルマーニュによる西ローマ帝国再興と皇帝戴冠。孫の代に三分割されフランス、ドイツ、イタリアの原型ができる。ドイツは皇帝位を手にするが、分裂したまま、イタリアも同様。フランスのみが統一できた。西フランク王国を継いだカペー朝の歴代王たちの苦闘の天下統一の物語が語られる。名を得た初代、実を得たフィリップ征服王、格を得たルイ尊厳王。それを支えた子作り。アンジュー家との死闘にからくも勝利するが、それは100年戦争の伏線になる。
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987年にユーグ・カペーが西フランク王に即位してから、1328年にヴァロワ朝にとって替わられるまでのおよそ350年間のフランス史です。フランス王と言うと、すぐに絶対王制を思い浮かべますが、この頃はまさに群雄割拠の時代。フランス王の領土はパリとオルレアン周辺のみという小屋台です。こ...
987年にユーグ・カペーが西フランク王に即位してから、1328年にヴァロワ朝にとって替わられるまでのおよそ350年間のフランス史です。フランス王と言うと、すぐに絶対王制を思い浮かべますが、この頃はまさに群雄割拠の時代。フランス王の領土はパリとオルレアン周辺のみという小屋台です。この350年間はフランス国内を統一していく過程で、そこに、フランスに広大な領土を有するイギリス王や聖界を握る教皇がからんできます。 作者は直木賞作家の佐藤賢一ですから、人間味あふれる諸王の活躍がとても面白く読めますよ。 フランス王とは誰か ユーグ・カペー(九八七年~九九六年) 名ばかりの王たち 肥満王ルイ六世(一一〇八年~一一三七年) 若王ルイ七世(一一三七年~一一八〇年) 尊厳王フィリップ二世(一一八〇年~一二二三年) 獅子王ルイ八世(一二二三年~一二二六年) 聖王ルイ九世(一二二六年~一二七〇年) 勇敢王フィリップ三世(一二七〇年~一二八五年) 美男王フィリップ四世(一二八五年~一三一四年) あいつぐ不幸 天下統一の物語 著者:佐藤賢一(1968-、鶴岡市、小説家)
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フランス王朝史、祖のカペー朝がどのようにして始まったか軽快に教えてくれます。この本は見方によって同じ人物でも評価が変わる、ということを改めて気づかせてくれました。フィリップ二世の項など、そのような受け取り方があったか、と驚きの連続です。
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カペー朝はヴァロワ家・ブルボン家に比べると影が薄いけど、「フランク」ではなく「フランス」の王家として0から領土を増やすこと、王家を続けることを成し遂げたという側面を意識できた。 共同統治のシステムこそ最大の成果であり、統治機構はヴァロワ家を待たないといけないとしてもである。 それ...
カペー朝はヴァロワ家・ブルボン家に比べると影が薄いけど、「フランク」ではなく「フランス」の王家として0から領土を増やすこと、王家を続けることを成し遂げたという側面を意識できた。 共同統治のシステムこそ最大の成果であり、統治機構はヴァロワ家を待たないといけないとしてもである。 それにしても、女難の相がある家系なことで…笑 2013.12.1(火)
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フランス最初の王朝とされるカペー朝についてのお話です。 フランスの弱小豪族に過ぎなかった名ばかりのフランス王が300年をかけて強大な王国を築いていくわけですが、その理由の一つが男子が産まれ続けたことで、父から息子へと王権の移行がスムーズに行われたこととされています。身も蓋もないよ...
フランス最初の王朝とされるカペー朝についてのお話です。 フランスの弱小豪族に過ぎなかった名ばかりのフランス王が300年をかけて強大な王国を築いていくわけですが、その理由の一つが男子が産まれ続けたことで、父から息子へと王権の移行がスムーズに行われたこととされています。身も蓋もないような話ですが、その当時にあっては、このことは奇跡的だったとのこと。 歴代の王の中で1番興味を引かれたのは美男王と呼ばれたフィリップ4世。美男王というあだ名の割にはやってることが支離滅裂でえげつないです。カペー朝は結局15代で断絶するのですが、その理由がフィリップ4世が資産没収を狙って破滅に追い込んだ神殿騎士団の呪いと噂されているらしいです。あ~怖い怖い。
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