噛みきれない想い の商品レビュー
タイトルと著者に心惹かれて手に取ってみた。内容はエッセイなので著者が日々つらつらと思うことを書いているだけなのだけれど、哲学的な視点を通して見ることで物事の解像度が上げられ、はっと腹落ちする感じがして面白い。 例えば「ゆとり」について。ゆとりとは、著者いわく「くつろげる時間、自分...
タイトルと著者に心惹かれて手に取ってみた。内容はエッセイなので著者が日々つらつらと思うことを書いているだけなのだけれど、哲学的な視点を通して見ることで物事の解像度が上げられ、はっと腹落ちする感じがして面白い。 例えば「ゆとり」について。ゆとりとは、著者いわく「くつろげる時間、自分の自由になる時間を手に入れること」と思われているかもしれないが、そうではなく「じぶん以外の何かを迎え入れうる、そういう空白をもっているということ」であって、「ゆとりは、だから息抜きではなく、精進のたまもの」(p.210)となる。 なるほどね、とひどく納得してしまった。 そういう、見た目や事象で捉えられがちな言葉について、その本質を突いていくのが面白く、その表層的な言葉がこの世の中には闊歩していて、何だかおかしくなってんな、ということを思ったり、具体的な事例(ゆとり教育とか)に思いを馳せたりすることもあり、なかなかに味わい深い。 ただまあ、老境にさしかかると誰もが思うこともあったり、これまでも書かれていること、自分でもよく感じることなんかもあったりして、読む人によっては食傷気味にもなる話…もちらほらあったかな(これは私の読みが浅いだけかも)。 読書とは、読み手の力量が試されるものであるな、と改めて感じつつ読んだ次第です。
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⚪️死は生に意味を与える無意味 死と生は重く難しい、、 ⚪️答えがすぐに見つからない問を人生の問題ではなく課題 問題とおもうより課題と捉えるほうがたしかにいいかも。 ⚪️納得はもがき苦しんだあとにしか訪れない いつだってそうだなあ。理解はできなくてももがいたことに...
⚪️死は生に意味を与える無意味 死と生は重く難しい、、 ⚪️答えがすぐに見つからない問を人生の問題ではなく課題 問題とおもうより課題と捉えるほうがたしかにいいかも。 ⚪️納得はもがき苦しんだあとにしか訪れない いつだってそうだなあ。理解はできなくてももがいたことによりふわふわもわもわを納得という形にすることで私たちは着地点をみつける ⚪️互いを存在そっくり肯定しあうような関係は重すぎる、いまほんとうに私たちに必要なのはそういうねっとりした関係ではなく距離をおいて互いに肯定ひあう、そういう差異を前提とした関係なのだろう。 ずっとわたしをまるごと包み込んで肯定してくれるパートナーを夢見ていたけど、親でもそんなのむりだしそもそも自分にできないのに他者にもとめてはいけない 完璧をどこかで求めすぎていた ⚪️教養とは何がほんとうに大事で、何が場合によってはなくしてもいいものかを見分ける力のこと 情報社会のこの世界で何が必要なのか感じとる力はとても大切だとおもう ⚪️恋はせつない?やるせない?の章。 あの人以外考えられない、交換不可能性。 明日では意味がない、反復不可能性。このふたつが恋愛の絶対性。 絶対ではないのに絶対とおもいこんで反復不可能という概念か反復されている。 なのに性懲りもなくあの人でなければいまでなければと思い詰めるのか。 それは≪わたし≫がそこにかけられているから。 あなた、という形で自分の輪郭をきちっとまとめてもらえるから。 あの人なしではわたしの青春を語れないくらいどっぷり浸かってた。 あなたがあってはじめてわたしが生りうる恋はいつかダメになってしまうなとこの本を通して感じとった
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届く言葉、届かない言葉 親の声は子どもに向けられたもの。アナウンサーの声は不特定多数に向けたもの。前者は声のテクスチャに重きがあり、後者は内容に重きを置く。
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〈わたし〉を宛先とする声、〈わたし〉に思いをはせるまなざしに触れることで〈わたし〉は〈わたし〉でいられる。 〈わたし〉は、あなたに賭けられているのだ。 【神戸市外国語大学 図書館蔵書検索システム(所蔵詳細)へ】 https://www.lib.city.kobe.jp/op...
〈わたし〉を宛先とする声、〈わたし〉に思いをはせるまなざしに触れることで〈わたし〉は〈わたし〉でいられる。 〈わたし〉は、あなたに賭けられているのだ。 【神戸市外国語大学 図書館蔵書検索システム(所蔵詳細)へ】 https://www.lib.city.kobe.jp/opac/opacs/find_detailbook?kobeid=CT%3A7200198969&mode=one_line&pvolid=PV%3A7200100657&type=CtlgBook
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初読。友人にすすめられて。新聞等に掲載したもの集合で、一つ一つは短くて思ってたより読みやすかった。なるほどと思う部分もあった。「死の経験」「身を養うということ」「脇役」「あの人が突然いなくなった」あたりが印象的だった。
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大学卒業以来、初めて手に取ったのではないか鷲田。この語り口、恥じらいもなくうつくしい世界を語ること、あまりに懐かしいのに、全力で首肯すること、集中して読み進めることができなくなったじぶんにかなしくなった。熱いコーヒーを飲みながらだらだらと読み進めたい。
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読みやすい哲学書だと感じた。 ずばっと著者の考えが載っているのもサッパリしてて面白かった。 なるほどな〜と思う部分も多く、生きる上で参考にしていきたい考えが多かった。 2013.7
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話の中身よりも、 自分が誰かに たいせつにされていると 感じられること 子どもたちも、大人もそう望んでいるのかな。 言葉って、大事です。 大阪弁の話も面白かったです。
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よく聴く言葉。何となく認識するまでもなく、流されてしまう事柄。 柔らかい視点をもっているからこそ、そのモノ達に気づく事ができ、 面白い視点を提示してくれる。 そんなほっこりとしたエッセイ。
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哲学者である著者が、普段の生活の中で感じた何だか「噛みきれない」ものをエッセイとしてつづった本。 気になったものだけ以下メモで。 ・価値の遠近法がおかしい ・他者のまなざし ・受身(聴き手)でいることの意義 語る=対象化 ・現代アート コミュニケーション ・理解においては、一...
哲学者である著者が、普段の生活の中で感じた何だか「噛みきれない」ものをエッセイとしてつづった本。 気になったものだけ以下メモで。 ・価値の遠近法がおかしい ・他者のまなざし ・受身(聴き手)でいることの意義 語る=対象化 ・現代アート コミュニケーション ・理解においては、一致よりも不一致を思い知ることが重要? ・恋愛 交換不可能性 反復不可能性 「アイデンティティ」を見つけやすい ・パッシングケア 認知症老人介護の一方法 つきあいが方法になってはいけない ・学校「教える/応える」⇔「験す/当てる」不信を前提とした関係 ・一人のひとが別の一人のいのちをそっくり面倒みるというふうには人間はできていない ・教育≠教える 教育=見せる ・哲学者のことを古代ギリシャ人は梟にたとえた ・ゆとりは息抜きではない。精進のたまもの。 ・柳宗悦『茶道論集』 「貪の心のない所にこそ貧がある」「足ざるに足るを感じる」
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