夏が僕を抱く の商品レビュー
幼馴染という気安さや安心感、時に野暮ったくもあるその関係が素直に描写されていると思う。ベリー系のタルトの様で、最終話で作られるイチゴジャムが全てを物語っている気がする。
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男女の恋愛の中の、言葉にしづらい描写がうまく描かれている作品だった。 恋愛に正解はないと思うが、そこがよく描かれているように感じる。作中では主人公が不倫していたり、婚約者が昔自分の姉のことを好きだったと知りながら幻滅させるために再会させたりと、どの章の登場人物もとても人間らしく、生々しい。 世間一般の「こうあるべき正解」の人間ではないが、自分の未熟な部分や、恥ずかしいことをしたな、という気持ちが少し許される気がした。 感情がメインに動く作品なので、人とのつながりや感情に触れたい時にとてもあう作品だと思う。 短編集でかつ感情に沿った描写になっているのでサクサク読める。 「変身少女」 自分が「いい子」だとはわかっていても、「ワル」い幼馴染に憧れてスカート丈を上げてみたり髪を染めてみる主人公。 年齢を重ねるにつれて自分の良さにも気づいていくしなれないものへの憧れは薄れていくものの、中高生の時って自分の可能性に良くも悪くも見切りをつけられない。自分自身の中高時代を思い出し、共感した。 「ストロベリー・ホープ」 地元を出たのに「いい大学」を中退、専門学校にはいったものの地元に帰ってきた幼馴染。理由をきくと、「何者にもなれず、生きるために必要なこともわからなくなってしまい、東京で生きていける気がしなくなってしまった」という。 心から「わかる」と言うことはできない感情ではあるものの、私自身もふとしたときにそう言う気持ちに飲み込まれそうになる。
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女の子も異性に対して男みたいなところがあるのかなぁ、と思うところもあるけどやっぱりよくわからない。なんなんだろ?可愛いんだけど、憎たらしいところもあって、だけどそんなところまで可愛く思えてしまうところもあって……。結局、小さなころからこの歳になるまで女性のことはわかったことがない...
女の子も異性に対して男みたいなところがあるのかなぁ、と思うところもあるけどやっぱりよくわからない。なんなんだろ?可愛いんだけど、憎たらしいところもあって、だけどそんなところまで可愛く思えてしまうところもあって……。結局、小さなころからこの歳になるまで女性のことはわかったことがない。6編の物語を読んでそんなことをあらたためて思った。 タイトルの「夏が僕を抱く」で、ハネはミーちゃんがライブに来てくれたら逃げないって決心して、ミーちゃんも秋川にもう会わないって決心するけど、それって決心なのかな?オイラ的には自分で決めなきゃダメ!ってところなんだけど。この決心はのちのちふたりの言い訳になっちゃうんじゃないのかな。つまりは何も変わらないみたいな。だからこのふたりの未来にあまり明るさを感じない。んん、もしかしてそういう物語なのかな?
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「異性の幼馴染」をテーマにした短編集。本を読んでみて思うけど、「幼馴染」という関係は恋愛関係になりやすいなと改めて思う。恋愛のプロセスとして「お互いを知る」という部分が解っているのだから。6編の短編集は「これから恋愛関係になりたい」「すでに他の世界を知り、やはり幼馴染の彼(彼女)がいい」という色んなシチュエーションが楽しめる。個人的には「変身少女」「らくだとモノレール」がグッとくるかなあ。不謹慎ではあると思うけど切ないのが琴線に来るのです。「これからがんばれ」と応援したくなるので。感想はこんなところです。
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幼なじみとの恋を描いた短編集。 淡く切ないながらも少し棘もある。 幼なじみ、ドキドキさせられる響きです・・・
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豊島みほ、やっぱり好きだなーって思わせてくれる一冊。 幼なじみの短編集。 私には幼なじみはいないので、なんか羨ましいし、ほほえましいお話ばかりでした。 でも、男女の幼なじみって、ちょっと切ないよなーと思いました。
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『夏が僕を抱く』 -豊島ミホ- △ 幼なじみとの恋をテーマにした短編集。 どれも夏を舞台としているが、あまり夏っぽさを感じられなかった。 幼なじみってやっぱり好きになってしまうもんなんだね。 恋愛小説は向いてない。 感情移入できない。 ただ文字を読むだけで終わった感じ。
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短編集です。幼馴染との様々な想いが交錯した物語です。こんな心の支えになるような幼馴染がいたらいいなーと妄想癖満載です。
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短篇 渋谷で幼い頃、田舎で夏休みによく遊んでいたいとこのみーちゃんと再会した。 毎日をだらだらと、過ごす日々で、みーちゃんは確実に俺である羽太郎のなかで思いは膨らんでいく。 夏が僕を抱く 主に幼なじみの男女の淡い恋心が中心に書かれている。 青春だね!結構いいかも)^o^(
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この作家さんのお話って、ちょっと個性的で可愛くてがむしゃらで爽やかで、ほんのりえっちで、色々読んでみたくなる。 ヒロインがNUMBER GIRLの歌詞に登場しそうな女子。 「青空チェリー」も良かったし。 不良化して距離が出来てしまった幼なじみに近づきたくて、不良化を試みる「変身...
この作家さんのお話って、ちょっと個性的で可愛くてがむしゃらで爽やかで、ほんのりえっちで、色々読んでみたくなる。 ヒロインがNUMBER GIRLの歌詞に登場しそうな女子。 「青空チェリー」も良かったし。 不良化して距離が出来てしまった幼なじみに近づきたくて、不良化を試みる「変身女子」とか、浅はかでなんて可愛いんやろう。
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