六月の夜と昼のあわいに の商品レビュー
ゆっくり、一篇ずつ、時間をかけて読みたい短編集。 淡々とした筆致もあって、輪郭があいまいで幻想的な話が多いです。 そのふわっとした感じ、あいまいな物語の向こう側になにか不思議な、大きくて未知のものがいるような余韻が好き。 懐かしいような怖いような。 ローレライにはぜひ行ってみ...
ゆっくり、一篇ずつ、時間をかけて読みたい短編集。 淡々とした筆致もあって、輪郭があいまいで幻想的な話が多いです。 そのふわっとした感じ、あいまいな物語の向こう側になにか不思議な、大きくて未知のものがいるような余韻が好き。 懐かしいような怖いような。 ローレライにはぜひ行ってみたいし、「夜を遡る」のタカシ君がうらやましくてしかたない。 この二篇と、「Y字路の事件」は至福の時間をくれました。 久々に恩田陸を読んだけど、またハマりそう。
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13/11/27 短編集。 y字路の事件、窯変・田久保順子、翳りゆく部屋が好きです。 話の内容は関係ないのですが、絵は「cherry ripe」が好き。
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初めて読んだつもりだったけど、 Y字路の事件 窯変・田久保順子 夜を遡る はなんとなく読んだことがあるきがした。 夜を遡るは雰囲気が好き。 にしても何だか不思議な気分になる作品達だったなぁ。
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恩田陸によるイマジネーション溢れる短編と、新鋭アーティストによる絵画、そしてフランス文学者でもある杉本秀太郎による詩、俳句、短歌のコラボレーション。贅沢なつくりの本である。 最初の数編は、さすが恩田陸さんだ、と思うような豊かな世界観とイメージの連鎖が素敵な短編だったものの、これ...
恩田陸によるイマジネーション溢れる短編と、新鋭アーティストによる絵画、そしてフランス文学者でもある杉本秀太郎による詩、俳句、短歌のコラボレーション。贅沢なつくりの本である。 最初の数編は、さすが恩田陸さんだ、と思うような豊かな世界観とイメージの連鎖が素敵な短編だったものの、これもまた恩田さんというべきか、話数を経るにつれて、やや尻すぼみになっていく印象だった。 「恋はみずいろ」~「約束の地」までは、ああ、今こういうのを恩田さんはやりたいのかな、そういえば「朝日のようにさわやかに」のあとがきで、なんだかそういう「エッセイとも物語ともつかない、曖昧なものを書きたい」みたいなことを言っていた気がするな、と思いながら読んでいた(手元に原本がないのでうろ覚え)。 緩やかなイメージの連鎖、テーマの反復、意識の奥で感じるデジャ・ヴ……。そういう、恩田さんならではの「ノスタルジー」の感覚を描く際の筆は、好きな人にはたまらないだろう。実際のところ、私も彼女の「そういう感覚」のファンなので、途中まではとても楽しく読ませてもらった。 思うのだが、恩田さんはあまり俗っぽさを出さない方がいい作家さんの気がする。私は彼女に夢を見せてほしい。リアルとすれすれの、自分だけれど自分ではない、そういう曖昧なロマンチックさ、が私の思う彼女の魅力なのだ。 幸福な世界の上澄み、という言葉を恩田さんは何度か使っているが、それともまた違う。 私は彼女の作品世界を、薄い膜のようなものだと思っている。薄い膜、あるいは幕の向こうで、誰かがそっと動いている。その人は踊っているのかもしれないし、歌っているのかもしれないし、あるいは絵を描いているのかもしれない。けれども、それは薄い膜にさえぎられて、はっきりと見えない。ただ、ぼんやりとした影が見えるだけ。 そして、じっと見ているうちに、あれ、と思うのだ。あれはもしかして私かもしれない、あそこで踊って、歌って、あるいは描いているのは私かもしれない…… うまく言えないけれど、私が恩田作品に感じるのはそういう感覚で、そういう感覚を私は恩田さんに味あわせてほしいなぁ、と感じているのである。
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久々に恩田陸を手に取りました。不思議短編集。集中して読まなかったせいか、読み終わったばかりの今でも内容あんまり覚えてない。。
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幻想的でどこかノスタルジックな印象の短編集。一話ごとに絵画が扉絵に使われているのですが、なんとなくその絵を鑑賞しながらイメージされた物語なのかな?という印象。イマジネーションの結晶を集めた短編集とでもいう感じ。
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文学者・杉本秀太郎氏による詩・俳句・短歌と、 希代の新鋭画家の作品に導かれるように紡がれる10編の小説。
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この恩田ワールドは幻想的すぎて私の理解力では難しすぎました(汗)それでも、『窯変・田久保順子』と『Y字路の事件』は印象に残った(ついていけた!)『コンパートメントにて』は中編くらいに膨らんだら面白そうなのに、導入部で終わった感が残念。個人的にはそろそろまた常野物語みたいな作品が読...
この恩田ワールドは幻想的すぎて私の理解力では難しすぎました(汗)それでも、『窯変・田久保順子』と『Y字路の事件』は印象に残った(ついていけた!)『コンパートメントにて』は中編くらいに膨らんだら面白そうなのに、導入部で終わった感が残念。個人的にはそろそろまた常野物語みたいな作品が読みたいなあ。
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明確なオチはない。『窯変・田久保順子』はすごいオチてた。凄い風刺でわぁ……てなった。『コンパートメントにて』は「木漏れ日に泳ぐ魚」の短編ぽい。『約束の地』はまどろみながら読みたい。
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作者の異なる10の絵をもとに、それぞれに詩・短歌・俳句と恩田さんの短編があわせて書かれています。 かわいい絵からホラーな話がでてきたり、神秘的な絵からリリカルな話がでてきたり。まぁ、イメージは読み手それぞれだと思いますが、絵というひとつの作品が作り出す世界の広がりがおもしろかった...
作者の異なる10の絵をもとに、それぞれに詩・短歌・俳句と恩田さんの短編があわせて書かれています。 かわいい絵からホラーな話がでてきたり、神秘的な絵からリリカルな話がでてきたり。まぁ、イメージは読み手それぞれだと思いますが、絵というひとつの作品が作り出す世界の広がりがおもしろかったです。 短編集なので、どこから読んでもいい。気になった絵や韻文のところから手をだす読み方も楽しいと思います。
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