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世界のすべての七月 の商品レビュー

3.6

40件のお客様レビュー

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2012/08/06

村上春樹氏のは訳本の方が好きです。 特にこの本は氏の訳がスッと入ってきて本の中に浸る事ができます。

Posted byブクログ

2012/03/05

<30年ぶりの大学同窓会。  様々な苦みを経験してきた11人が語る哀しい人生。  それでも人生は続いていく。> 著:ティム・オブライエン カズオイシグロのときにも感じたのだけれど、人生には良かれ、悪しかれ、転機というものがある。 しかしそれは結局のところ、後になってわかる...

<30年ぶりの大学同窓会。  様々な苦みを経験してきた11人が語る哀しい人生。  それでも人生は続いていく。> 著:ティム・オブライエン カズオイシグロのときにも感じたのだけれど、人生には良かれ、悪しかれ、転機というものがある。 しかしそれは結局のところ、後になってわかることであり、その時には気づかないことがほとんど。 そしてそれは過去への後悔へとつながる。 今作はそんな中年もすぎた大人たちの物語。 離婚、死、不倫、初恋・・・さまざまな思い、悔恨が駆け巡るなかで同窓会は進んでいく。 それは人生も同じ。 何があろうと、生きているかぎり人生は続いていく。 背表紙にあるとおり、Happy Endingを求めて。 Life goes on. それでも人生は続いていく。

Posted byブクログ

2011/11/21

1969年に大学を卒業した男女が30年後に同窓会に集まった。夢破れ、数々の挫折を味わったそれぞれの人生。・・・というと、暗い印象を受けますが、皆まだそれぞれ人生と格闘し、今後を夢見てるんですね。あとがきの中で翻訳者である村上春樹が「下手っぴぃ」と称したティム・オブライエンの人々に...

1969年に大学を卒業した男女が30年後に同窓会に集まった。夢破れ、数々の挫折を味わったそれぞれの人生。・・・というと、暗い印象を受けますが、皆まだそれぞれ人生と格闘し、今後を夢見てるんですね。あとがきの中で翻訳者である村上春樹が「下手っぴぃ」と称したティム・オブライエンの人々に対する目線が、この小説を必要以上に暗くせず、読後感を暖かいものにしていると思います。すばらしい!本書では69年卒という設定ですが、アメリカと日本の差はありますが、60年代に青春を過ごした人はやはり特殊な青春を過ごしたんだろうと思います。

Posted byブクログ

2011/09/07

 舞台は2000年、アメリカ。1959年に大学を卒業した人々の、31年目の同窓会。五十代になった彼ら、彼女らが抱えるそれぞれの後悔、苦悩、古傷、孤独。  五十代。結婚と離婚を経て、あるいは病気を抱え、叶わなかった夢を思い、失ったものを数えて。かつての恋を思い出し、センチメンタルに...

 舞台は2000年、アメリカ。1959年に大学を卒業した人々の、31年目の同窓会。五十代になった彼ら、彼女らが抱えるそれぞれの後悔、苦悩、古傷、孤独。  五十代。結婚と離婚を経て、あるいは病気を抱え、叶わなかった夢を思い、失ったものを数えて。かつての恋を思い出し、センチメンタルになったり、もう一度情熱を燃やしかけて、途中でくじけてみたり。  スーパーヒーローが出てくるわけでもなければ、幻想ものでもSFでも、ミステリでもロマンあふれる歴史ものでもなく。そこにはただ、それぞれに生きて苦しむ、普通の人々の姿があるだけで。そのうえ舞台がアメリカで、主役たちは五十代。  自分が共感する要素なんて、ほとんどないようにも思えるのに、とにかくのめりこんで読みました。  感傷、それから、孤独。  戦争文学で有名な作家さんで、実際「ニュークリア・エイジ」や「本当の戦争の話をしよう」は、どちらも戦争をメインテーマにすえた素晴らしい作品でしたけれど、戦場から離れた本作も、やっぱりよかったです。  つらく苦しいシーンも多いので、誰にでもオススメしていいかということを考えれば、ちょっと悩みますが、個人的にはすごく惹かれる作家さんです。

Posted byブクログ

2011/07/24

人生の半ばを越え、ただひたすらに自分の人生や境遇を皮肉るみじめな女性の会話を読むのは少ししんどいが、読み慣れた村上春樹の平易な日本語訳と「どこかで何かが起こっている」と思わせぶりな並列の書法が奏功して、どこか「めぐりあう時間たち」と似たような静けさを感じる。が、最後までエイミーと...

人生の半ばを越え、ただひたすらに自分の人生や境遇を皮肉るみじめな女性の会話を読むのは少ししんどいが、読み慣れた村上春樹の平易な日本語訳と「どこかで何かが起こっている」と思わせぶりな並列の書法が奏功して、どこか「めぐりあう時間たち」と似たような静けさを感じる。が、最後までエイミーとジャンの、言い切ってしまえば「腐れた」会話には、「うまい」とも「しゃれている」とも思えないただの痛々しさしか感じられず、ここにはまだ年齢を積み重ねないとたどり着けない響きがあった。

Posted byブクログ

2011/06/22

数年前から積読してたのを、やっと読破しました。 カタカナの名前が覚えられなくて、中盤までいちいち登場人物一覧に戻らないと、誰が誰か分からない状態で(笑) 訳者あとがきにあるように、きっと同世代の方が読めば「うんうん、気持ちはわかるよ」ということがあるのだと思うけど、19歳の私に共...

数年前から積読してたのを、やっと読破しました。 カタカナの名前が覚えられなくて、中盤までいちいち登場人物一覧に戻らないと、誰が誰か分からない状態で(笑) 訳者あとがきにあるように、きっと同世代の方が読めば「うんうん、気持ちはわかるよ」ということがあるのだと思うけど、19歳の私に共感することはできず。ただ、今50代半ばの人にも自分たちのような大学生時代があって、自分たちのように中年になるなんて思ってもいない日々やったんやろうなーと。

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2011/05/23

『世界はいつもすべて七月だった』のラストがいい。もしくはこの邦訳をした彼が素晴らしいということなのかもしれない。

Posted byブクログ

2009/10/12

運命とは一体どんな手順で出来上がっていくものなのだろう。そんなことを考えている間にも運命は容赦なく眼前に広がる。今日の風はただ淡々と事実だけを運び、明日の風は知らん顔、昨日の風はガレキだけを残してどこかへ行ってしまった。 ティム・オブライエンは行き場のない時間の中に生きる者たちの...

運命とは一体どんな手順で出来上がっていくものなのだろう。そんなことを考えている間にも運命は容赦なく眼前に広がる。今日の風はただ淡々と事実だけを運び、明日の風は知らん顔、昨日の風はガレキだけを残してどこかへ行ってしまった。 ティム・オブライエンは行き場のない時間の中に生きる者たちの恐怖を曝け出す。「ハッピーエンドを探し当てる能力」とは、無限の幸福を求めることではなく、幸福に有限の線を引くことなのだ。皆わかってる。でも知らんぷりして前者のハッピーエンドを求めるようになる。そうすると、いつしかハッピーエンドとかいう得体のしれないものに、気づけば幸福を吸い上げられている。無限ほどゼロに近いものは無いのだ。 虚無主義になりそうだが、「だからどうなのよ」と文章化されることで考えることに至ることができる。サイケみたいなラストといい、最高の小説だった。

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2009/10/07

世界の村上春樹が「ノルウェイの森」1作読んだだけでお手上げになるほど苦手で、でもいつもタイトルには惹かれていて、とはいえあまりにも相性が悪そうだったのでそれ以来読まずにいた村上さんが個人的思い入れがあって訳した、という作品。どうにも苦手な作品を書く人が気に入って訳す作品なのだから...

世界の村上春樹が「ノルウェイの森」1作読んだだけでお手上げになるほど苦手で、でもいつもタイトルには惹かれていて、とはいえあまりにも相性が悪そうだったのでそれ以来読まずにいた村上さんが個人的思い入れがあって訳した、という作品。どうにも苦手な作品を書く人が気に入って訳す作品なのだからたぶんダメかなと思いつつ読んだらやっぱり苦手でした、残念、と言いつつ、相性は悪いけれどもとことんきちんとしているので、最後まで読みました。村上春樹作品が好きな方は、好きなのではないでしょうか。 

Posted byブクログ

2009/10/04

「ニュークリア・エイジ」、「本当の戦争の話をしよう」という小説を書いた、ティム・オブライエン氏の作品。 1969年度卒業生たちの30年ぶり同窓会に参加した11人のエピソードが、時間と空間をさまよいながら、一見無秩序のようにも感じられる位目まぐるしく語られていて、正直言うと一回読...

「ニュークリア・エイジ」、「本当の戦争の話をしよう」という小説を書いた、ティム・オブライエン氏の作品。 1969年度卒業生たちの30年ぶり同窓会に参加した11人のエピソードが、時間と空間をさまよいながら、一見無秩序のようにも感じられる位目まぐるしく語られていて、正直言うと一回読んだだけなので、ストーリーをしっかりと把握できたのか、かなり怪しい。 11人の卒業生がそれぞれ悩みや苦しみを抱えながら、それぞれのハッピーエンドを目指して生きている。彼らの感情や行動についていけなかったりするところもあるが、これはまぁ、日本人とアメリカ人の思考回路や行動の違いなんだろうと、自分を無理やり納得させながら読んだ。 この作家は村上春樹氏が常になんとなく気になって仕方がないということであり、オブライエン氏の「へたうま」(古い)な書き方が結構気に入っているようである。僕も読んでみて、混沌としているのだけれど結構引き込ませるだけの力を持っている作家だと思った。 ちなみにオブライエン氏の3作の中では「ニュークリア・エイジ」が一番好きだ。ちょっと訳分らないが、ものすごく力感に溢れているところが気に入っている。

Posted byブクログ